映画 『アナベル 死霊人形の誕生』

STAFF

デイビッド・F・サンドバーグ(監督)

DAVID F. SANDBERG (Director)

 1981年、スウェーデン・ヨンショーピングで生まれた。幼いころから映画に夢中になっていた。十代後半にビデオショップで働いたことで、さらに映画への情熱が高まり、お金を貯めて1台目となるビデオカメラを購入した。短編映画を撮り始め、さまざまな映画祭へ出品し、やがて地元の映画センター、フィルム・イ・ヨンショーピング・ラーンでインターンとして働くことになった。
2006年、自身が初めて手がけた短編アニメ『För Barnen』をYouTubeに投稿し、直後に別の短編アニメ『Vad Tyst Det Blev…』(06)も投稿した。この短編アニメがノーベンバー映画祭で複数の賞を受賞し、仕事のオファーが次々と舞い込んだため、さまざまなクライアント向けにコマーシャルや短編映画を制作する会社を立ち上げた。
 09年、スウェーデンのヨーテボリに移り、CLフィルムのクラエス・ランディンとコラボレートし始める。11年、ふたりは、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーで放送されたアニメドキュメンタリーTVシリーズ「Earth Savers」を手がけた。このほか、アニメと実写を融合させた実験的作品「Ladyboy」(13)、特撮技術を取り入れ、いじめを受ける少年が描いた絵が動き出す『Wallace』(14)などがある。
 13年、ホラーやSF映画を作りたいという元々の夢から遠ざかっていることに気づき、自宅のアパートで妻のロッタ・ロステンとともに短編ホラー映画を制作することを決意した。ふたりによる2作目の短編『Lights Out』(13)が口コミでヒットし、視聴回数は1億回を超えた。そして瞬く間にハリウッドで話題となり、ある映画スタジオが素早く買い付けた。同作はホラー短編映画のコミュニティサイト、ブラディ・カッツ・ホラー・チャレンジで最優秀監督賞を受賞し、世界中の映画祭で上映された。
 この短編映画を基にした『ライト/オフ』(16/出演:テリーサ・パーマー、マリア・ベロ)で長編映画監督デビューを飾った。明かりが消えたときだけ現れる正体不明の何かに怯える女性を描いた同作は、16年7月22日に全米で公開された。

ジェームズ・ワン(製作)

JAMES WAN (Producer)

今日の映画界において最もクリエイティブな映画製作者のひとりとみなされている。現在、ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、米アカデミー賞ノミネート俳優ウィレム・デフォー、パトリック・ウィルソン出演の『Aquaman』でメガホンを握っている。DCコミックのスーパーヒーローが登場する同作は、2018年12月21日全米公開予定である。
 近作に、パトリック・ウィルソンとベラ・ファーミガが著名な超常現象研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻を再演した『死霊館 エンフィールド事件』(16)がある。第ヒットシリーズの最新作である同作は、16年6月10に全米公開され、4000万ドルを売り上げた米国をはじめ32カ国で公開週末の興行成績1位を獲得し、世界興収は最終的に3億2000万ドルに達した。同作では監督を務め、さらにチャド・ヘイズ、ケイリー・ヘイズ、デイビッド・レスリー・ジョンソンとともに脚本も手がけ、ロブ・コーワンとピーター・サフランとともに製作も担当した。また、シリーズ前作で、高い評価を得た13年の『死霊館』(出演:ファーミガ、ウィルソン、リリ・テイラー、ロン・リビングストン)でも監督を務めた。この作品は、3億1800万ドルを超える世界興収をあげた。
 さらに、『ワイルド・スピード SKY MISSION』も監督。15年4月に公開された同作は、オープニング週末だけで世界興収3億9000万ドルを超える記録破りの大ヒットとなった。全米ボックスオフィスで4週間1位の座を守り、世界興収15億ドル以上という歴代6位の成績を上げている。
 自身の製作会社アトミック・モンスターは、あらゆる予算の幅広い映画/TV作品を製作し、15年10月3日に全米公開された『アナベル 死霊館の人形』(14)で大きな成功を収めた。ピーター・サフランとともに製作を担当した同作は、2億5600万ドルを超える世界興収を記録。アトミック・モンスターの2作目の製作作品であるデイビッド・F・サンドバーグ監督の『ライト/オフ』(16)では、ローレンス・グレイとエリック・ハイセラーとともに製作を担当した。16年7月に全米で公開された同作は、1億4800万ドルの興収を記録した。アトミック・モンスターが手がける待機作に、『死霊館』のスピンオフ作品『The Nun』がある。現在ポストプロダクションに入っている同作では、コリン・ハーディが監督、サフランと自身が製作を務め、18年7月13日に全米公開予定である。
 アトミック・モンスターが手がけるTV作品に、自身がパイロット版を監督したクラシックTVシリーズのリメイク版で、16年秋にCBS放送でプレミア放送された「MACGYVER/マクガイバー」がある。また、同シリーズではアトミック・モンスターのマイケル・クレア、ピーター・レンコフ、クレイグ・オニール、ヘンリー・ウィンクラー、リー・ズロトフとともに製作総指揮も務めている。現在、第2シーズンの製作が決定されている。
 人気作「インシディアス」シリーズ(10, 13, 15)の共同クリエイターとして、フィルムディストリクト製作、パトリック・ウィルソン、ローズ・バーン、バーバラ・ハーシー出演の『インシディアス』(10)と『インシディアス 第2章』(13)で監督を務めた。また、『インシディアス 第2章』では、原案も手がけた。さらに、長年の脚本パートナーであるリー・ワネルが監督を務めた『インシディアス 序章』(15)では、ジェイソン・ブラムとオーレン・ペリとともに製作を担当。同作は、15年5月から順次世界中で公開された。そして、18年1月5日全米公開予定のシリーズ最新作『Insidious: Chapter 4』でも、ブラムとペリとともに製作を担当する。アダム・ロビテル監督の同作では、リン・シェイ、アンガス・サンプソン、リー・ワネルが、シリーズの前3作と同じ役で出演する。
 また、ホラーシリーズ「ソウ」(04, 05, 06, 07, 08, 09, 10)の共同クリエイターでもある。04年度サンダンス映画祭でプレミア上映された最初の『ソウ』では監督も兼ね、全シリーズの製作総指揮も担当している。シリーズ最新作『ジグソウ:ソウ・レガシー』が、17年10月27日に全米公開予定である。
 ほかの監督作品には、カルト的ホラー『デッド・サイレンス』(07)、人気を博した復讐劇『狼の死刑宣告』(07/ケヴィン・ベーコン、ギャレット・ヘドランド出演)などがある。
 映画芸術科学アカデミーのメンバー。16年度オーストラリアンズ・イン・フィルム賞フォックス・スタジオ・オーストラリア・インターナショナル賞を受賞。04年、オーストラリアのグレッグ・テッパー賞を受賞。オーストラリア市民で、米国居住者である。

ピーター・サフラン(製作)

PETER SAFRAN (Producer)

 ハリウッド有数の製作会社サフラン・カンパニーの創立者兼社長。
 才能を見抜く審美眼をもちながら、自身も真摯に仕事に取り組み、数多くの作品を生み出してきた。その中には、ジェームズ・ワンがメガホンを握り、パトリック・ウィルソンとベラ・ファーミガが実在の超常現象研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻を演じたメガヒット作『死霊館』(13)と『死霊館 エンフィールド事件』(16)がある。また抵抗不能の超常的な力を描くシリーズとして、『死霊館』のスピンオフ作品で、世界興収2億5000万ドル超えの大ヒットを記録した超常サスペンス『アナベル 死霊館の人形』(14)を製作。待機作に、『死霊館 エンフィールド事件』に登場した邪悪な修道女を中心に物語が展開する『The Nun』がある。コリン・ハーディ監督、米アカデミー賞ノミネート俳優デミアン・ビチル、タイッサ・ファーミガ出演の同作は、2018年夏に全米公開予定である。
 さらに、ジェームズ・ワン監督と再タッグを組み、待望の18年全米公開予定作品『Aquaman』(出演:ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、ニコール・キッドマン、パトリック・ウィルソン)の製作も担当する。
 17年は多忙を極めている。ジェイムズ・ガン脚本、グレッグ・マクリーン監督の『The Belko Experiment』(16)、ニールス・アルデン・オプレブ監督の『Flatliners』(出演:エレン・ペイジ、ニーナ・ドブレフ、ディエゴ・ルナ、キーファー・サザーランド)が相次いで全米劇場公開された。
 ニューヨーク生まれ、ロンドン育ち。政治学の文学士号を取得し、プリンストン大学を卒業。ニューヨーク大学ロースクールで法律の学位を取得し、ニューヨーク市で企業弁護士をしながら交渉術に磨きをかけた。

ゲイリー・ドーベルマン(脚本)

GARY DAUBERMAN (Screenplay)

 『死霊館』(13)で初めてわずかな時間だけ姿を見せたゾッとする人形を基に、『アナベル 死霊館の人形』(14)の脚本を執筆。同作は大ヒットを記録し、米国公開週末の興収が3700万ドルを超え、そののち世界興収は2億5600万ドル超に達し、2014年の最も利益をあげた作品のひとつとなった。その後、スティーヴン・キングの小説に基づく『IT』(17)の脚本を担当。アンディ・ムスキエティが監督を務める同作は、記録破りのオンライントレイラーの視聴者数を集め、17年秋公開作品のなかで最も期待が寄せられた作品のひとつとなった。
 さらに、ジェームズ・ワンと練り上げた原案を基に、『死霊館』の世界を舞台にした『The Nun』の脚本も書きあげた。製作総指揮も務める同作は、現在ポストプロダクションに入っている。
 またTVでは、バリアントグラフィックノベルの「Dr. Mirage」を基に、CW放送の1時間のシリーズ番組用に脚本を執筆中である。

リチャード・ブレナー(製作総指揮)

RICHARD BRENER (Executive Producer)

ニューライン・シネマの製作部門社長兼、キャロリン・ブラックウッドとともに同社の共同経営者を務めている。ニューライン社の映画の企画開発と製作におけるあらゆる面を統括している。
 同社において、最も成功を収めた映画作品の多くで製作を統括し、製作総指揮を務めてきた。大ヒットを記録した作品に、『ウェディング・シンガー』(98)、『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(02)、『ウエディング・クラッシャーズ』(05・未)、『セックス・アンド・ザ・シティ』(08)、『モンスター上司』(11)、『なんちゃって家族』(13)、『カリフォルニア・ダウン』(15)、『セントラル・インテリジェンス』『ライト/オフ』(共に16)、「ファイナル・デスティネーション」シリーズ(00, 03, 06, 09, 11)がある。また、『死霊館』(13)、『死霊館 エンフィールド事件』(16)、スピンオフ作品『アナベル 死霊館の人形』(14)や待機作『The Nun』を含む記録破りの「死霊館」ホラー映画シリーズの立ち上げを統括した。
 近作に、巨匠スティーブン・キングのホラー小説を基にした待望の『IT』(17)など。待機作に、ジェイムズ・フランコが監督/製作/出演を兼務し、前評判の高い『The Disaster Artist』(出演:デイブ・フランコ、セス・ローゲン)、ドウェイン・ジョンソン主演のアクションアドベンチャー『Rampage』、コメディ『Game Night』(出演:ジェイソン・ベイトマン、レイチェル・マクアダムス)などがある。
 ニューライン・シネマに20年以上在籍するベテラン。派遣社員としてニューライン社に入り、ストーリー編集者から製作部門社長へと急速に昇格。そのキャリアを通して、ドウェイン・ジョンソン、ジェニファー・アニストン、ウィル・フェレル、アイス・キューブなど、才能溢れるタレントとスタジオとの結びつきを強める役割を果たしてきた。
 ニュージャージー州ショート・ヒルズで生まれ育った。94年に歴史の文学士号を取得し、イェール大学を卒業した。

ウォルター・ハマダ(製作総指揮)

WALTER HAMADA (Executive Producer)

 ニューライン・シネマ製作部門上級副社長。これまでに、ジェームズ・ワンとは世界的大ヒット作『死霊館』(13/出演:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン)と続編の超常サスペンス『死霊館 エンフィールド事件』(16)、大ヒット作『アナベル 死霊館の人形』(14)、デイビッド・F・サンドバーグ監督のヒットホラー映画『ライト/オフ』(16)で組んでいる。
 このほか、製作を統括してきた数多くのホラー映画には、『13日の金曜日』(09)、『エルム街の悪夢』(10)、『ファイナル・デッドブリッジ』(11)、『アナベル 死霊館の人形』(14)、『死霊高校』(15)、『ウィズイン/恐怖が潜む家』『ウルフ・アット・ザ・ドア』(共に16・未)、などがある。また、『47RONIN』(13/主演:キアヌ・リーブス)、コメディ『俺たちスーパーマジシャン』(13・未/主演:スティーブ・カレル)、『イントゥ・ザ・ストーム』(14)では製作総指揮を務めた。
 07年にニューライン社に入る前は、共同設立したマネッジメント/製作会社H2Fエンターテイメントで4年間共同経営者を務めた。H2F社では、『ウォンテッド』(08)や『ワイルド・スピード MEGA MAX』(11)の脚本を手がけたクリス・モーガン、『インヴィンシブル 栄光へのタッチダウン』(06・未)の脚本を手がけたブラッド・ガン、『フォー・クリスマス』(08・未)の脚本を手がけたマット・R・アレン&ケイレブ・ウィルソンら、多くの脚本家たちのキャリア構築を支援した。また、インディペンデント系ホラー映画『Whisper』(07)の製作を務めた。
 UCLAを卒業後、トライスター・ピクチャーズでアシスタントとしてキャリアをスタート。瞬く間に昇進し、最終的にはコロンビア・ピクチャーズ製作部門副部長に就任した。在籍中、『ビッグ・ヒット』『GODZILLA』(共に98)、『バーティカル・リミット』(00)、『S.W.A.T.』(03)などの企画開発や製作を統括した。

デイブ・ノイスタッター(製作総指揮)

DAVE NEUSTADTER (Executive Producer)

 2007年からニューライン・シネマで企画開発エグゼクティブとして仕事をし、現在は製作部門副部長を務めている。製作に携わった作品に、独創性に富んだ傑作ホラーを現代風にリメイクし、ジャッキー・アール・ヘイリーがフレディ・クルーガーを演じた『エルム街の悪夢』(10)、ロマンチックコメディ『遠距離恋愛 彼女の決断』(10/出演:ドリュー・バリモア、ジャスティン・ロング)、『俺たちスーパーマジシャン』(13・未/出演:スティーブ・カレル、スティーブ・ブシェミ)などがある。
 このほか、『なんちゃって家族』『死霊館』(共に13)、竜巻を題材にしたサスペンス『イントゥ・ザ・ストーム』(14)、『アナベル 死霊館の人形』(14)、『死霊高校』『お!バカんす家族』(共に15)、『ワタシが私を見つけるまで』(16・未)、シリーズ第2作目の『死霊館 エンフィールド事件』(16)、デイビッド・F・サンドバーグ監督のホラー『ライト/オフ』(16)、コメディ『Fist Fight』(17)で製作総指揮を務めた。
 03年、ニューライン社の企画開発部でインターンとしてキャリアをスタートし、やがてリチャード・ブレナーにエグゼクティブ・アシスタントとして採用された。インディアナ大学卒業。

ハンス・リッター(製作総指揮)

HANS RITTER (Executive Producer)

 ロサンゼルスを拠点とし、インディペンデント映画/アート系作品/ジャンル映画を専門とする映画プロデューサーである。自身の会社スカイスクレイパー・コンテントの旗印のもと、『Sound of My Voice』(11/監督:ザル・バトマングリッジ、脚本・出演:ブリット・マーリング)、2012年度サンダンス映画祭でプレミア上映された『Hello I Must Be Going』(監督:トッド・ルイーソ、出演:メラニー・リンスキー、ブライス・ダナー、クリストファー・アボット)、多くの賞を受賞した『Between Us』(12/出演:ジュリア・スタイルズ、メリッサ・ジョージ、テイ・ディグス、デイビッド・ハーバー)、『Electric Slide』(14/出演:ジム・スタージェス、クロエ・セビニー、パトリシア・アークエット、イザベル・ルーカス)、世界的大ヒット作『アナベル 死霊館の人形』(14)、『きみがくれた物語』(16)、ジェイムズ・フランコ監督/製作/出演の待機作『The Disaster Artist』を製作。
 また、グレッグ・アラキ監督の『ミステリアス・スキン』(04)と『Smiley Face』(07)、エレン・ペイジを初めてアメリカの観客に紹介して高評価を得た『ハード キャンディ』(05/監督:デイビッド・スレイド、出演:パトリック・ウィルソン)、再びエレン・ペイジが出演する『アメリカン・クライム』(07・未/監督:トミー・オヘイバー、出演:キャサリン・キーナー)の共同製作も担当している。
 映画作品の合間に、デイビッド・スレイド、ドレイク・ドレマス、ヘンリク・スンドグレンといった監督たちのコマーシャル作品も製作。現在はTVシリーズを企画開発中である。

マキシム・アレクサンドル(撮影)

MAXIME ALEXANDRE (Director of Photography)

 1971年、ベルギーのルネーで生まれ、5歳のときに家族とともにローマへ移り住んだ。当時、マルコ・ベロッキオ監督、ジャンニ・アメリオ監督、ナンニ・モレッティ監督の助監督を務めていた義父のイニゴ・レッツィの導きで、イタリア映画の巨匠たちと出会った。やがて子役俳優として、エリ・シュラキ監督の「Une Page D'Amour」(80/共演:アヌーク・エーメ、ブリュノ・クレメール)、ナンニ・モレッティ監督の84年の「僕のビアンカ」など、いくつかの映画に出演した。
 数年後、義父が監督する短編映画のセットで、撮影に対する情熱に目覚めた。80年代後半に家族とともにパリへ移り住み、コマーシャルの仕事に就き、撮影のキャリアを築き始めた。ここで、ダリウス・コンジ、ジャン=イブ・エスコフィエ、ピエール・ロム、ビルコ・フィラチ、イタリアのトニーノ・デリ・コリやフランコ・ディ・ジャコモら錚々たる巨匠撮影監督たちから多くのことを学んだ。
 ミシェル・ゴンドリーが監督するコマーシャルの第二班撮影で初めて撮影監督を務めた。2001年、アレクサンドル・アジャの父、アレクサンドル・アルカディが監督を務め、アジャとグレゴリー・ルバスールが脚本を執筆した『Entre chiens et loups』(02)の第二班撮影を担当し、アジャとルバスールに出会った。2年後、三人は、アジャの監督作品『ハイテンション』(03)でタッグを組んだ。この作品は、フランス映画界におけるホラーのニューウェーブの先駆けとして国際的に認められ、ライオンズ・ゲートが買い付け、配給した。 
その後もリメイク版『ヒルズ・ハブ・アイズ』(06)と『ミラーズ』(08)でルバスールと再びコラボレート。『ヒルズ・ハブ・アイズ』ではウェス・クレイブンと出会い、カンヌ国際映画祭のある視点部門で上映された『パリ・ジュテーム』(06)でタッグを組んだ。また、撮影を担当した05年のライラ・マラクシ監督の『Marock』も、カンヌ国際映画祭に出品されている。
06年、「バラエティ」誌の“注目すべき10人の撮影監督”のひとりに選ばれた。その後、フランク・カルフン監督の『P2』(07)、ブレック・アイズナー監督の『クレイジーズ』(10)などの撮影を担当した。
 08年、『Holy Money』(09/出演:アーロン・スタンフォード、ベン・ギャザラ、バレリア・ソラリーノ、ヨアキム・デ・アルメイダ)で監督デビューを果たした。二作目の監督作品『Christopher Roth』(10)は、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ローマ・インディペンデント映画祭などさまざまな映画祭に出品された。
 マイケル・J・バセット監督の映画『サイレントヒル:リベレ―ション3D』(12)で、初めて3D撮影監督を務めた。
 同年、カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたフランク・カルフン監督の『マニアック』(12/出演:イライジャ・ウッド)の撮影を手がけた。14年、デイブ・グリーン監督の『アース・トゥ・エコー』の撮影を担当。また同年、マルジャン・サトラピ監督の『ハッピー・ボイス・キラー』(出演:ライアン・レイノルズ、アナ・ケンドリック)の撮影も担当した。同作は、14年度サンダンス映画祭でプレミア上映された。
 17年公開予定の待機作に『The Domestics』など。18年7月13日全米公開予定の『The Nun』の撮影を終えたばかりである。

ジェニファー・スペンス(美術)

JENNIFER SPENCE (Production Designer)

 これまでに、デイビッド・F・サンドバーグ監督とは、スマッシュヒット作『ライト/オフ』(16)でコラボレートし、美術を担当した。
 カナダ出身。1990年代にロサンゼルスに移り、ほどなくして夫とともに映画業界で働きはじめた。専門的な教育を受けていないが、絵画技術をマスターし、アート部門のあらゆる面で仕事をするために技術を磨いた。主にプロダクションデザイナーとして、ホラージャンルに特化し、著名な監督たちと組んで人気のシリーズ作品を手がけている。
 短編やビデオ作品に携わりキャリアをスタートしたのち、08年に『キング・オブ・コメディ』(00・未)を彷彿とさせるイスラム教をテーマにしたコメディ・ライブ・スペシャル「Allah Made Me Funny: Live in Concert」の美術を担当し、自身の才能を展開させた。その後、自身にとって初めてのホラー映画『ダスク・オブ・ザ・デッド』(08・未)を担当し、次いでサスペンス『ミッシング ~50年前の記憶~』(09・未)やドラマ『I Will Follow』(10)など、さまざまなジャンルに進出した。
 自身の可能性を探究し、業界内で確固たる地位を築いたのち、予想外の大ヒットシリーズ第2作目『パラノーマル・アクティビティ2』(10)を皮切りに、『パラノーマル・アクティビティ3』(11)、『パラノーマル・アクティビティ4』(12)の美術を手がけて以来、長年にわたりホラージャンルに夢中になっている。
 10年、『インシディアス』の美術を担当し、その後『インシディアス 第2章』(13)と『インシディアス 序章』(15)も担当した。
 このような人気作品での仕事の合間に、ホラー映画ファンお気に入りの監督たちと組み、数多くのカルトクラシック作品を手がけてきた。12年、『ザ・ベイ』にアートディレクター助手として携わった。また同年、ロブ・ゾンビ監督の『ロード・オブ・セイラム』の美術を担当した。14年の『鮮血ピエロの惨劇』(未)の美術を担当したのち、同年、サスペンス『デフォルト・ハイジャック』(未)でアートディレクターを務めた。15年、ホラージャンルに戻り、『Lady of Csejte』、ダーレン・リン・バウズマン監督の『ハロウィン2016』(未)に携わった。16年、バウズマン監督の『ホーンテッド・サイト』、17年初めにステイシー・タイトル監督の『バイバイマン』を担当した。
 ドラマ/ファンタジージャンルの近作に、多作のキバ・ゴールズマン監督の『Stephanie』(17)がある。

ミシェル・オーラー(編集)

MICHEL ALLER (Editor)

 これまでに、デイビッド・F・サンドバーグ監督とは、大成功を収めた彼の長編初監督作品『ライト/オフ』(16)でコラボレートしている。
 編集を担当した作品に、『チャーリーと18人のキッズinブートキャンプ』(07・未/出演:キューバ・グッディング・Jr)、コメディ『THE CHAPERONE』(11)、インディペンデント映画『The Forger』(12/出演:ローレン・バコール、ジョシュ・ハッチャーソン、アルフレッド・モリナ、スコット・イーストウッド)、ロブ・コーエン監督のサスペンス『ジェニファー・ロペス 戦慄の誘惑』(15・未)、コメディ『クレイジー・ウェディング/最狂にひどい結婚式』(15・未)などがある。また、2015年の成功を収めたホラーシリーズ作品『パラノーマル・アクティビティ5』(未)も手がけた。
 第一編集助手として、『カラー・オブ・ハート』(98/出演:リース・ウィザースプーン)、マイケル・マン監督の『インサイダー』(99)、ティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』(03)と『アリス・イン・ワンダーランド』(10)、ジャウマ・コレット=セラ監督の『蝋人形の館』(05)、フィル・ジョアノー監督の『ギャングスターズ 明日へのタッチダウン』(06・未)、サスペンス『ゲスト』(09・未/出演:エミリー・ブラウニング、エリザベス・バンクス、デイビッド・ストラザーン)などに携わった。また、ライアン・マーフィー監督の『食べて、祈って、恋をして』(10/主演:ジュリア・ロバーツ)で編集助手を務め、ブライアン・シンガー監督のアクションアドベンチャー『ジャックと天空の巨人』(13)では共同編集を担当した。

リア・バトラー(衣装)

LEAH BUTLER (Costume Designer)

 カリフォルニアに住む移民二世。ファッション好きを大いに活かして映画やTVの仕事をしている。
 衣装を手がけた近作映画に、『パラノーマル・アクティビティ3』(11)、『パラノーマル・アクティビティ4』(12)、『バイバイマン』(17)などがある。また、ミュージックビデオや写真撮影用のスタイルコーディネートや、インディペンデント作品や短編作品の仕事も好きである。
これまでに、ロブ・ゾンビと、彼の監督作品『ロード・オブ・セイラム』(12)などで組み、衣装を担当してきた。その成功を受けて、ゾンビのいくつかの近作ミュージックビデオでコラボレートし、衣装を手がけている。
 TVでも、その経験を活かして「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」(13~)など、数多くの番組で衣装を担当している。近作に、Huluのシリーズ「Freakish」(16)がある。

ベンジャミン・ウォルフィッシュ(音楽)

BENJAMIN WALLFISCH (Composer)

 ゴールデングローブ賞とエミー賞ノミネート歴をもつ作曲家。10年を超えるキャリアをもち、60作品以上の映画で音楽を担当してきた。これまでに、スティーブン・スピルバーグ、ルパート・ワイアット、ゴア・バービンスキー、ラース・フォン・トリアーといった映画界の巨匠たちの作品で映画音楽を作曲している。また、手がけた音楽で、米アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、アイバー・ノベロ賞、英アカデミー賞、ワールド・サウンドトラック賞など、数多くの賞受賞歴とノミネート歴をもっている。
 音楽を担当した近作に、ゴア・バービンスキー監督の『A Cure for Wellness』(16)、音楽界の巨匠ハンス・ジマーとファレル・ウィリアムスとともに作曲をおこなった、セオドア・メルフィ監督の『ドリーム』(16)、『ライト/オフ』(16)、アンディ・ムスキエティ監督の『IT』(17)などがある。
 これまでに、米アカデミー賞最優秀作曲賞を受賞した『つぐない』(07)で編曲と指揮を担当し、スティーブ・マックイーン監督の米アカデミー賞最優秀作品賞受賞作『それでも夜は明ける』(13)では音楽補佐を務めた。また、スティーブン・スピルバーグ製作、ジェイムズ・モル監督の短編『Auschwitz』(15)の楽曲を手がけた。さらに、第59回グラミー賞で、ジョージ・マイケルの追悼パフォーマンスを披露した数々の受賞歴を誇るスター・アーティスト、アデルとコラボレートした。