STAFF

  • 監督/製作総指揮 Director/Executive Producer

    ギャビン・オコナー

    米ニューヨーク出身。ペンシルベニア大学在学中に脚本の執筆を始め、卒業後にニューヨークへ戻ると、短編映画や戯曲の執筆でキャリアをスタートさせた。映画の脚本家デビューは、テッド・デミの映画監督デビュー作にもなった短編『The Bet』(92)で、高い評価を受けた。次に、短編映画『American Standoff』(94)の脚本を書き、監督も務めた。
    初めて大きな注目を集めたのは1999年の監督作『Tumbleweeds』。アンジェラ・シェルトンの子供時代の日記に基づき、シェルトンと脚本を共同執筆したこのインディペンデント映画は、ジャネット・マクティアとキンバリー・ブラウンが演じる母と娘を描いたロードムービーで、サンダンス映画祭でフィルムメーカー賞を受賞し、批評家からも絶賛された。同作では、マクティアが米アカデミー賞、インディペンデント・スピリット賞などいくつかの賞で主演女優賞部門にノミネートされ、ゴールデングローブ賞(コメディ/ミュージカル)を受賞し、ブラウンはインディペンデント・スピリット賞助演女優賞を受賞した。
    次に監督したのは2004年に高い評価を得て、ヒットした『ミラクル』(未)で、カート・ラッセルが主演した。1980年の冬のオリンピックに出場したアメリカのアイスホッケー・チームが、無敵に思えたソ連チームを激闘の末にやぶり、金メダルを獲得するまでを描いた感動作である。08年には、エドワード・ノートン、コリン・ファレル、ジョン・ボイト主演でドラマ『プライド&グローリー』(未)を監督。脚本も共同執筆した同作が描くのはある警察一家。刑事である息子のひとりが、兄と義弟が絡む汚職と殺人事件を捜査するなかで、家族と警察への忠誠心の板ばさみになっていき、倫理観が試される。
    11年、ジョエル・エドガートン、トム・ハーディ、ニック・ノルティ主演で『ウォーリアー』(未)で監督・製作・共同脚本を務めた。疎遠だった兄弟が総合格闘技大会で戦うことになる同作は、オコナーとキャストに対して非常に高い評価が寄せられた。その演技でノルティは、オスカー、米映画俳優組合(SAG)賞、クリティックス・チョイス映画賞の助演男優賞にノミネートされ、サンディエゴ映画批評家協会賞助演男優賞を獲得するなど、数多くの栄誉に輝いた。
    TVでは、ケリー・ラッセル、マシュー・リス、ノア・エメリッヒ主演でエミー賞などに輝いているシリーズ「ジ・アメリカンズ (シーズン1)」の第1話(13)を監督し、シーズン1を通して製作総指揮を務めた(13~14)。
    今後は、ネットフリックスの新オリジナル・シリーズ「Seven Seconds」の第1話を監督し、シリーズ企画者のヴィーナ・サドとともに製作総指揮を務める予定。また、第二次世界大戦を舞台にしたドラマチックなアクション映画『Atlantic Wall』を監督することも決まっている。さらに、まもなく出版予定のケン・ベンシンガー著「Houses of Deceit」の映画化が進行しており、国際サッカー連盟(FIFA)のスキャンダルを描いた同作で、ベン・アフレック、ワーナー・ブラザースと再び組む。

  • 製 作 Producer マーク・ウィリアムズ

    米デンバー出身。バンダービルト大学で学士号を、マイアミ大学で映画の修士号を取得。もともとは脚本家に専念するためにロサンゼルスに拠点を移した。2001年、著作権とタレントのマネジメント/製作会社ゼロ・グラビティを設立。業界でも一流の同社を経営するともに、映画監督、プロデューサーを務めている。
    プロデューサーとしての活動は、ウィリアム・H・メイシー、アレック・ボールドウィン、マリア・ベロ主演でサンダンス映画祭で人気を博した『The Cooler』(03)で始めた。それ以来、『カオス』(05)、『ダイヤモンド・ラッシュ』(07・未)、『The Canyon』(09)、オリジナルビデオ「キリング・ゲーム」(11)など、十数本の映画を製作してきた。16年には、ジェラルド・バトラー、ウィレム・デフォー、アルフレッド・モリーナ、グレッチェン・モル、アリソン・ブリー出演で、トロント国際映画祭でプレミア上映された『The Headhunter’s Calling』を製作し、監督デビューを飾った。
    また、16年にはネットフリックスの新オリジナル・シリーズ「Ozark」をビル・ドゥビュークと共同企画し、製作総指揮を務めている。

  • 製 作 Producer リネット・ハウエル・テイラー

    英国出身のインディペンデント・プロデューサー。過去15年間、映画、ドキュメンタリー、TV、デジタル・コンテンツ、演劇を製作してきた。ジェイミー・パトリコフとともに、製作会社エレクトリック・シティ・エンターテイメントを共同で創立した。
    2006年に製作したライアン・フレック監督・脚本、アンナ・ボーデン脚本の『ハーフ・ネルソン(原題)』(未)では、主演のライアン・ゴズリングが米アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。10年には、同じくゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ主演でデレク・シアンフランス監督の『ブルーバレンタイン』を製作し、主演のふたりはゴールデングローブ賞(ドラマ)にノミネートされ、ウィリアムズはオスカーにもノミネートされた。シアンフランス監督、ゴズリングとは、12年の『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』でも組んだ。同作にはブラッドリー・クーパー、エバ・メンデスも出演している。
    14年には、エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ主演でティム・バートン監督が実話を描いた『ビッグ・アイズ』を製作した。ホリデーシーズンに公開されて高い評価を得た同作では、主役のふたりがゴールデングローブ賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされ、アダムスが主演女優賞を受賞した。15年には、ライアン・フレック、アンナ・ボーデン監督の『ワイルド・ギャンブル』(未)を製作。ライアン・レイノルズ、ベン・メンデルスゾーン、シエナ・ミラーが出演した。
    最近では、マット・ロス監督・脚本、ヴィゴ・モーテンセン主演の『Captain Fantastic』(16)を製作し、サンダンス映画祭でプレミアを飾った。現在は、アンドリュー・ジャクソン大統領のピュリツァー賞受賞の伝記に基づくHBOのミニシリーズで、ショーン・ペン主演の「American Lion」を製作中。
    そのほかに製作を務めた映画には、『Stephanie Daley』(06)、『The Passage』(07)、『フィービー・イン・ワンダーランド』(08・未)、『グレイテスト』(09・未)、『ジェシカ・アルバの“しあわせの方程式”』(10・未)、『The Space Between』(10)、『Terri』『On the Ice』『シャーク・ナイト』(いずれも11)、『あるふたりの情事、28の部屋』(12・未)、『Levitated Mass』(13)、『Alex of Venice』(14)『KRISTY クリスティ』(14・未)などがある。また、スポーツ専門局ESPNの数多くの賞に輝いたドキュメンタリー・シリーズ「30 for 30」のシーズン2で数話(14~15)を製作した。

  • 脚 本 Screenplay ビル・ドゥビューク

    ある企業のヘッドハンターとして12年間働いたのち、その経験を脚本『The Headhunter’s Calling』として書き、映画業界に入った。実際に製作された同作では製作総指揮も務め、2016年トロント国際映画祭でプレミア上映された。
    執筆した脚本で初めて製作されたのは14年の家族ドラマ『ジャッジ 裁かれる判事』で、批評家から注目を浴びた。デヴィッド・ドブキン監督、ロバート・ダウニーJr.主演の同作では、ロバート・デュバルが米アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。その後、ロバート・ダウニーJr.とスーザン・ダウニーのワーナー・ブラザースに拠点を置く製作会社チーム・ダウニーと、2本の映画脚本執筆の契約を結んだ。
    今後の作品としては、共同企画、製作総指揮を務めるネットフリックスの新オリジナル・シリーズ「Ozark」が、ジェイソン・ベイトマン主演で撮影が始まっている。また、最近執筆した『The Real McCoy』では、禁酒法時代の有名な酒類密売者ウィリアム・マッコイ役にクリス・プラットが内定している。そのほかにも現在、数本のプロジェクトを進行中である。

  • 製作総指揮 Executive Producer ジェイミー・パトリコフ

    ロサンゼルスに拠点を置く製作会社エレクトリック・シティ・エンターテイメントの共同創立者。2006年に製作したライアン・フレック監督・脚本、アンナ・ボーデン脚本の『ハーフ・ネルソン(原題)』(未)は賞シーズンに大きな注目を集め、主演のライアン・ゴズリングが米アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたほか、インディペンデント・スピリット賞、ゴッサム賞の複数部門で受賞した。08年には、フレック、ボーデンと『Sugar』で再び組んだ。15年には、ライアン・レイノルズ、ベン・メンデルスゾーン、シエナ・ミラーが出演した『ワイルド・ギャンブル』(未)の製作。フレック、ボーデンと3度目のコラボレーションとなった同作は、サンダンス映画祭でプレミア上映された。
    10年には、ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ主演でデレク・シアンフランス監督・脚本の『ブルーバレンタイン』を製作し、主演のふたりはゴールデングローブ賞(ドラマ)にノミネートされ、ウィリアムズはオスカーにもノミネートされた。シアンフランス監督、ゴズリングとは、12年の『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』でも組んだ。同作にはブラッドリー・クーパー、エバ・メンデス、ローズ・バーン、レイ・リオッタも出演している。14年に、ワインシュタイン・カンパニーと組んで製作したティム・バートン監督による実話に基づく『ビッグ・アイズ』は、主演のエイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツがそろってゴールデングローブ賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされ、アダムスが主演女優賞を受賞した。そのほかには、エルギン・ジェイムズ監督のインディペンデント映画『リトル・バード 164マイルの恋』(11)でも製作を務めた。
    16年には、マット・ロス監督・脚本、ヴィゴ・モーテンセン主演の『Captain Fantastic』を製作。カンヌ映画祭の“ある視点”部門でロスが監督賞を受賞するなど、いくつかの映画祭で賞を獲得した。最近では、ダイアン・アッカーマン著の小説に基づき、ニキ・カーロ監督がジェシカ・チャステイン主演で映画化した『The Zookeeper’s Wife』を製作し、17年に全米公開が予定されている。
    ドキュメンタリーの製作にも力を入れており、マシュー・オージェンス監督の『Confessions of a Superhero』(07)、ダグ・プレイ監督の『Levitated Mass』(13)などを製作している。TVドキュメンタリーでは、スポーツ専門局ESPNの数多くの賞に輝いたドキュメンタリー・シリーズ「30 for 30」の3話――「Straight Outta L.A.」(10/監督:アイス・キューブ)、「The Day the Series Stopped」(14/監督:ライアン・フレック)、「Sole Man」(15/監督:ジョン・ワインバック&ダン・マークス)――を製作。また、NBAのMVP、ケビン・デュラントを追ったHBOのドキュメンタリー「The Offseason: Kevin Durant」(14)でも製作を務めた。

  • 製作総指揮 Executive Producer マーティ・P・ユーイング

    近作では、トッド・フィリップス製作の奇想天外コメディ『プロジェクトX』(12・未)、ケビン・ジェイムズ脚本・製作・主演の『闘魂先生 Mr.ネバーギブアップ』(12・未)と『モール・コップ ラスベガスも俺が守る!』(15・未)などのコメディで製作総指揮を務めた。また、アイス・キューブ、チャーリー・デイ主演のコメディ『Fist Fight』、ビル・スカルスガルド主演でスティーブン・キングのベストセラー小説に基づくホラー『It』で製作総指揮を担当し、どちらも2017年に全米公開予定である。
    そのほかに製作総指揮を務めた映画には、『マイ・ドッグ・スキップ』(00/出演:フランキー・ムニッズ、ダイアン・レイン、ルーク・ウィルソン、ケビン・ベーコン)、アンドリュー・デイビス監督の『穴/HOLES』(03・未)、ジェイ・ラッセル監督の『炎のメモリアル』(04/出演:ホアキン・フェニックス、ジョン・トラボルタ)、『チアガール VS テキサスコップ』(05・未/出演:トミー・リー・ジョーンズ)、『The Prize Winner of Defiance, Ohio』(05/出演:ジュリアン・ムーア)、『アメリカン・ピーチパイ』(06・未/出演:アマンダ・パインズ、チャニング・テイタム)、『俺たちフィギュアスケーター』(07/出演:ウィル・フェレル、ジョン・ヘダー)、『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(08/出演:ジム・キャリー)、『オブザーブ・アンド・レポート』(09・未/出演:セス・ローゲン)などがある。また、『シン・シティ 復讐の女神』(14)ではライン・プロデューサーを務めた。
    キャリア初期には、『フラッシュダンス』『愛と追憶の日々』(共に83)、『永遠(とわ)に美しく…』(92)、『フリントストーン/モダン石器時代』(94)など幅広いジャンルの映画で助監督を務めた。また、ユニット・プロダクション・マネジャーとしても長い経験と実績を誇り、『ジュマンジ』(95)、『フェイス/オフ』(97)、『X-ファイル ザ・ムービー』(98)、『ホーンティング』(99)、キャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』(00)、『キャンパス・クレージー』(02)、ティム・バートン監督の『ビッグ・アイズ』(14)などの作品に携わっている。

  • 撮 影 Director of Photography シーマス・マッガーベイ

    ジョー・ライト監督の2007年のドラマ『つぐない』と、同監督がトルストイの名作を映画化した12年の『アンナ・カレーニナ』で米アカデミー賞撮影賞にノミネートされた。両方の映画で、イブニング・スタンダード英国映画賞とアイルランド映画&テレビジョン(IFTA)賞を受賞し、英アカデミー(BAFTA)賞と米撮影監督組合(ASC)賞にノミネートされた。どちらでも英撮影監督組合(BSC)賞にもノミネートされ、『アンナ・カレーニナ』で受賞。 また、『つぐない』『アンナ・カレーニナ』に加えて、スティーヴン・ダルドリー監督の『めぐりあう時間たち』(02)の撮影でもイブニング・スタンダード英国映画賞を受賞。IFTA賞では、同じくその2作に加え、ブレック・アイズナー監督の『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』(05)とリン・ラムジー監督の『少年は残酷な弓を射る』(11)で受賞し、オリバー・ストーン監督の『ワールド・トレード・センター』(06)でノミネートされた。04年には、映画撮影技術に対する貢献に対してロイヤル・フォトグラフィック協会より名誉あるルミエール賞を授与された。
    北アイルランド出身。英ロンドンのウエストミンスター大学の映画学部で学び、卒業後、短編映画やドキュメンタリーを撮り始めた。短編『Skin』(95)でロイヤル・テレビジョン協会撮影賞にノミネートされた。また、撮影を担当した『Atlantic』(97)は、サム・テイラー=ウッド(現在はテイラー=ジョンソン)監督が3画面を使って映写した実験的な映画で、同監督は98年度のターナー賞にノミネートされ、マッガーベイと監督との間の今日に至るコラボレーションにつながった。
    撮影監督を務めた40本以上に及ぶ作品には、初めて撮影監督としてクレジットされた長編映画であるマイケル・ウィンターボトム監督の『バタフライ・キス』(95)をはじめ、スティーブン・フリアーズ監督の『ハイ・フィデリティ』(00)、マイケル・アプテッド監督の『エニグマ』(01)、ジョン・ハンバーグ監督の『ポリーmy love』(04・未)、ゲイリー・ウィニック監督の『シャーロットのおくりもの』(06)、サム・テイラー=ウッド監督の『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(09)と『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)、ジョー・ライト監督の『路上のソリスト』(09)、ジョス・ウェドン監督の記録破りの大ヒット・スーパーヒーロー大作『アベンジャーズ』(12)、ギャレス・エドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』(14)などがある。また、俳優の監督デビュー作2本――アラン・リックマンの『ウィンター・ゲスト』(97)とティム・ロスの『素肌の涙』(99)――で撮影を担当した。さらに、BBC/HBOのTVシリーズ「ようこそ!No.1レディース探偵社へ」のアンソニー・ミンゲラが監督した1話(08)を撮影した。
    撮影を手がけたドキュメンタリー作品には、『The Name of This Film Is Dogme95』(00)、『Rolling Stones: Tip of the Tongue』(03)、『Harry Dean Stanton: Partly Fiction』(12)などがある。また、前述の『路上のソリスト』のあとに手がけた『Lost Angeles: Skid Row Is My Home』(10)は同映画と同じ地域で撮影した。映画とTV作品の撮影に加え、音楽界でも活躍。コールドプレイ、ポール・マッカートニー、ダスティ・スプリングフィールド、ザ・ローリング・ストーンズ、U2、ロビー・ウィリアムスなどのアーティストのために、これまでに100本以上のミュージック・ビデオを撮り、監督している。

  • 美 術 Production Designer キース・カニンガム

    米シカゴで生まれ育ち、イリノイ大学で芸術と建築を学んだ。カリフォルニアに移ったのちに、展示会やテーマパークの舞台装置のデザインを始めた。その後、アメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)で、名美術監督ロバート・ボイルに師事し、映画美術を学んだ。
    美術監督として独り立ちする以前は、美術チームで経験を積んだのち、アート・ディレクターとして、現在活躍する優れたフィルムメーカー、美術監督と組んだ。手がけた作品のうち、スティーブン・ソダーバーグ監督の『オーシャンズ11』(01)、J・J・エイブラムス監督の『スター・トレック』(09)、ロン・ハワード監督の『天使と悪魔』(09)、デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』(10)、ポール・フェイグ監督の『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(11)では、美術チームの一員として米美術監督組合賞にノミネートされた。アート・ディレクターを務めたそのほかの主な作品には、M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』(02)、スティーブン・ソマーズ監督の『ヴァン・ヘルシング』(04)、クリス・コロンバス監督の『RENT/レント』(05)、フィンチャー監督の『ゾディアック』(07)などがある。ソダーバーグ監督作では、『トラフィック』(00)と『ソラリス』(02)でもアート・ディレクターを務めたほか、のちの作品に影響を与えたヒット作『アウト・オブ・サイト』(98)と『エリン・ブロコビッチ』(00)ではアート・ディレクター助手を努めた。
    美術監督としてこれまでに参加した映画には、2012年のサンダンス映画祭でプレミア上映されたジョナサン・カスダン監督のロマンチック・コメディ・ドラマ『ファースト・タイム 素敵な恋の始め方』(未)をはじめ、『俺たちスーパーマジシャン』(13・未/出演:スティーブ・カレル、スティーブ・ブシェミ、ジム・キャリー)、ニコール・ホロフセナー監督のコメディ『おとなの恋には嘘がある』(13/出演:ジュリア・ルイス=ドレイファス、ジェイムズ・カンドルフィーニ)、ザ・ビーチ・ボーイズの天才ミュージシャン、ブライアン・ウィルソンの人生と恋と才能を描いた『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』(14/出演:ポール・ダノ、ジョン・キューザック、エリザベス・バンクス、ポール・ジアマッティ)、ルパート・ワイアット監督のドラマ『ザ・ギャンブラー/熱い賭け』(14・未/出演:マーク・ウォールバーグ)がある。
    TVでは、人気シリーズ「Suburgatory」の第1話(11)、レニー・ゼルウィガーが共同企画し、ギャビン・オコナーが監督したTV映画「Cinnamon Girl」(13)、同じくTV映画「Browsers」(13)などの美術を担当した。
    今後の公開作としては、ジェイソン・ホール監督がヘイリー・ベネット、マイルズ・テラー主演で米軍人のPTSDを描いた『Thank You for Your Service』で美術監督を務めている。
    また、スバル、USバンク、アメリトレード、トラベロシティ、キャピタル・ワン、NBAなどのCMで美術を担当した。

  • 編 集 Editor リチャード・ピアソン

    ポール・グリーングラスの脚本・監督で歴史的事件をリアルに描いた『ユナイテッド93』(06)の編集で、米アカデミー賞にノミネートされ、英アカデミー(BATFA)賞をクレア・ダグラス、クリストファー・ラウスとともに受賞した。また、米映画編集者組合のエディ賞にもノミネートされた。また、HBOのミニシリーズ「フロム・ジ・アース [人類、月に立つ]」(98)での編集に対して、エミー賞とエディ賞にノミネートされた。数々の賞に輝いた同シリーズではタイトルデザインも手がけた。
    編集を担当した近作には、『デンジャラス・ラン』(12)、『マレフィセント』『ドラキュラZERO』(共に14)などがある。また、ブリー・ラーソン、トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン主演のアクション・アドベンチャー『Kong: Skull Island』は2017年に全米公開予定。
    これまでに、フランク・オズ監督の『ビッグムービー』(99・未)と『スコア』(01)、バリー・ソネンフェルド監督の『メン・イン・ブラック2』(02)、ピーター・バーグ監督の『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』(03)、グリーングラス監督のアクション・ヒット作『ボーン・スプレマシー』(04)、画期的なブロードウェイ・ミュージカルをクリス・コロンバス監督が映画化した『RENT/レント』(05)、ウィル・フェレル主演のコメディ『俺たちフィギュアスケーター』(07)、アクション・コメディ『ゲット スマート』(08)、マーク・フォースター監督の大ヒット作『007/慰めの報酬』(08)、ジョン・ファブロウ監督の大ヒット作『アイアンマン2』(10)など、幅広いジャンルの作品の編集を手がけている。

  • 衣 装 Costume Designer ナンシー・スタイナー

    受賞経験もあり、引く手あまたな衣装デザイナー。これまでに映画・TVの多彩な作品だけでなく、著名アーティストのミュージック・ビデオ、CMの衣装も手がけてきた。
    衣装を手がけた最新作は、ヨルゴス・ランティモス監督、ニコール・キッドマン、コリン・ファレル主演のインディペンデント・ドラマ『The Killing of a Sacred Deer』で、2017年全米公開予定である。TVでは、17年に放送予定のデヴィット・リンチ監督によるカルト現象を巻き起こしたシリーズ「ツイン・ピークス」のリブートの衣装をデザインした。
    これまでに、アンナト・タッカー監督の『Shopgirl/恋の商品価値』(05・未)と、ジョナサン・デイトン、バレリー・ファリス監督の『リトル・ミス・サンシャイン』(06)の衣装で、現代長編映画部門で米衣装デザイナー組合(CDG)賞にノミネートされ、同業者たちからその優れたデザインを称えられた。 衣装デザイナーとして初めてクレジットされた映画は、トッド・へインズ監督の『SAFE』(95)。何人かの監督とは繰り返し仕事をすることも多く、ソフィア・コッポラ監督とは『ヴァージン・スーサイズ』(99)と『ロスト・イン・トランスレーション』(03)で、ミゲル・アルテタ監督とは『グッド・ガール』(02)、『Youth in Revolt』(09)、そして『アレクサンダーの、ヒドクて、ヒサンで、サイテー、サイアクな日』(14・未)で組んだ。前述のデイトン、ファリスとは『ルビー・スパークス』(12)で再び組んでいる。また、マイク・ホワイト監督作品では、映画『ラブ・ザ・ドッグ 犬依存症の女』(07・未)と、TVシリーズ「Enlightened」(シーズン1/11)の衣装を手がけた。後者は、ホワイトとローラ・ダーンが企画し、ホワイト、アルテタ、ニコール・ホロフセナー、ジョナサン・デミ、トッド・へインズらがエピソードごとに監督を務めた。
    そのほかに、ヴィム・ヴェンダース監督の『ミリオンダラー・ホテル』(00)、キャメロン・クロウ監督の『エリザベスタウン』(05)、ジャド・アパトー監督の『ファニー・ピープル』(09・未)、ピーター・ジャクソン監督の『ラブリーボーン』(09)などで衣装を担当している。
    CMの衣装では、「Barcardi & Cola」と「Call of Duty」でCDG賞を受賞。これまでに、ナイキ、ボルボ、アウディ、ペプシ、ラコステ、T-モバイル、ベライゾン、コカコーラ、サムソン、マイクロソフト、ミラー、日産、シボレー、バドワイザー、レクサス、BMW、フォルクスワーゲン、プーマ、キャデラック、アメリカン・エキスプレス、HSBC、シティバンク、アップルなど、数多くの企業のCMで衣装を作ってきた。
    ミュージック・ビデオの分野でキャリアをスタートさせ、衣装をデザインした中には、業界でもっとも人気と影響力のあるアーティストたちもいる。ごく一部の例を挙げると、ニルヴァーナ、スマッシング・パンプキンズ、R.E.M.、フー・ファイターズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ビョーク、シェリル・クロウ、ストーン・テンプル・パイロッツ、エアー、ノー・ダウト、デヴィッド・ボウイ、ザ・ローリング・ストーンズなどである。

  • 音 楽 Composer マーク・アイシャム

    ギャビン・オコナー監督とは、スポーツドラマの『ミラクル』(04・未)と『ウォーリアー』(11・未)、警察一家を描いた『プライド&グローリー』(08・未)に続き、本作で4回目のコラボレーション。
    これまでに120本以上の映画の音楽を作曲し、米アカデミー賞にノミネートされた作曲家。ロバート・レッドフォード、トム・クルーズ、ブライアン・デ・パルマ、ジョディ・フォスター、ロバート・アルトマン、シドニー・ルメット、スティング、チック・コリア、ウィル・アイ・アム、ミック・ジャガーら、そうそうたるフィルムメーカー、アーティストと組んできた。
    ニューヨーク出身で、少年時代からトランペットの才能を開花させ、のちにハービー・ハンコック、ボビー・マクファーリンのレコーディングに参加した。それ以来、ソロアルバムを9作発表し、ブルース・スプリングスティーン、ウィリー・ネルソン、ケニー・ロギンスといったアーティストと演奏してきた。2006年には、音楽界への貢献に対してASCAP(米作曲家作詞家出版社協会)よりヘンリー・マンシーニ生涯功労賞を贈られた。
    1983年の実話に基づくドラマ『ネバー・クライ・ウルフ』で映画音楽の作曲を始めたときには、すでにミュージシャンとして実績があった。92年のロバート・レッドフォード監督作『リバー・ランズ・スルー・イット』の音楽で米アカデミー賞とグラミー賞にノミネート。レッドフォードとはそれ以来、『クイズ・ショウ』(94)、『大いなる陰謀』(07)、『声をかくす人』(10)と、コラボレーションを続けている。94年のマイケル・アプテッド監督作『ネル』の音楽ではゴールデングローブ賞にノミネートされた。また、オスカー作品賞受賞作の『クラッシュ』(04)の音楽も担当した。
    アラン・ルドルフ監督とも何度も組んでおり、『トラブル・イン・マインド』(85)、『メイド・イン・ヘブン』(87)、『モダーンズ』(88)、『トム・べレンジャーの 探偵より愛をこめて』(90・未)、『愛を殺さないで』(91)、『ミセス・パーカー/ジャズエイジの華』(94)、『アフターグロウ』(97)、『ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ』(99)、『Trixie』(00)で音楽を担当。
    音楽を担当した映画は多岐にわたり、その主な作品は次のとおり。ジリアン・アームストロング監督の『燃えつきるまで』(84)、バーベット・シュローダー監督の『運命の逆転』(90)、ジョディ・フォスター監督の『リトルマン・テイト』(91)と『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』(95)、ラルフ・バクシ監督のアニメ『クール・ワールド』(92・未)、ゲイリー・シニーズ監督の『二十日鼠と人間』(92)、ピーター・ハイアムズ監督の『タイムコップ』(94)、マイク・フィギス監督の『明日にむかって…』(94・未)、デヴィッド・フランケル監督の『マイアミ・ラプソディー』(95)、アーウィン・ウィンクラー監督の『ザ・インターネット』(95)と『海辺の家』(01)、キャロル・バラード監督の『グース』(96)、ゲイリー・フレダー監督の『コレクター』(97)、『サウンド・オブ・サイレンス』(01)、『エクスプレス 負けざる男たち』(08・未)、そして『バトルフロント』(13)、スティーブン・ノリントン監督の『ブレイド』(98)、ジョー・ジョンストン監督の『遠い空の向こうに』(99)、フランク・ダラボン監督の『マジェスティック』(01)と『ミスト』(07)、カーティス・ハンソン監督の『イン・ハー・シューズ』(05)、フランク・マーシャル監督の『南極物語』(06)、ブライアン・デ・パルマ監督の『ブラック・ダリア』(06)、エリクソン・コア監督の『インヴィンシブル 栄光へのタッチダウン』(06・未)、リチャード・ラグラヴェネーズ監督の『フリーダム・ライターズ』(07)、テリー・ジョージ監督の『帰らない日々』(07)、リチャード・ロンクレイン監督の『たった一人のあなたのために』(09・未)、サイモン・ウェスト監督の『メカニック』(11)、チャールズ・マーティン・スミス監督の『イルカと少年』(11・未)、ブライアン・ヘルゲランド監督の『42 ~世界を変えた男~』(13)、スコット・ヒックス監督の『Fallen』(16)、ブルース・ベレスフォード監督の『Mr. Church』(16)。
    TVでは、HBOのミニシリーズ「フロム・ジ・アース [人類、月に立つ]」(98)の音楽を担当。ABCの人気シリーズ2本、シーズン6に入った「ワンス・アポン・ア・タイム」(11~)と、評価の高い「アメリカン・クライム」(15~)でも音楽を手がけている。