DEATH NOTE

中田秀夫監督コメント
オファーを受け、日本でもどんどん映画を作っていきたいと考えていましたので、とても嬉しく思いました。大ヒット作で、私の日活時代の先輩監督である、金子修介さんの『デスノート』のスピンオフということで、どきどきする緊張と、「一丁やってやるか」という、武者震い的興奮を覚えます。
まず、企画の切り口が、非常に面白いと思いました。ネタバレになってしまいますので、多くは語れませんが、Lがあまりにも短い人生で、ライトとはまた別の、巨大な存在に立ち向かい、何を考え、感じていたのか、結果ではなく、波乱に満ちた過程を描くことで、Lの魅力を存分に見せたいと思いました。私にとって、この企画で挑戦したいこととして、胸のすく、派手なアクションシーンを、十全に見せることです。ただ、単にハリウッドの真似をするよりも、日本的工夫に満ちた、知的かつ、興奮度満点のアクションにしたいと思います。私にとって、初めての大いなるアクションになるので、燃えます。もちろん、Lの「デスノート」とは異なる、新たな「頭脳戦」を描くのが基本にありますが…。
稀代の変わり者、切れ者という以上に、「デスノート」での究極の選択をした行動というか発想に、不意をつかれました。今回の映画では、Lのワイミーズ時代も含め、一見クール極まりない変人、しかし実は・・・という前作で描いてない側面を存分に見せたいと思います。
松山さんについて予備知識がない(3年のアメリカ滞在でブランクあり)状態で、最初に、『デスノート』を観はじめたときは、「うわー、誰だ、この原作そっくりのキャラになってるのは!?やりすぎじゃないの、このアライグマ・メイク!」という反応をしてしまったのですが、作品を観ていくうちに、松山さんとLとの融合感、また何より長い手足を持て余してるかのような彼の存在感に、凄みさえ感じました。演じている役は全然別ですが、若い頃の松田優作さんを思い出しました。「この役者とぜひ仕事をしてみたい」と純粋に思ったのが、この企画をお受けしたもう一つの大きな理由です。
Lおよび松山ケンイチの魅力を全開に見ぜるというのが、主眼の一つです。
続編ではないので、『デスノート』とはまったく違うストーリー、「そう来たかっ!」というフレッシュな驚きを皆さんに味わってもらったらと思います。松山さんとガップリ四つに組んで、変幻自在な展開で、夢魔的魅力を持ったLをお見せします。

日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーコメント
映画『デスノート』は、「デスノート」と藤原竜也演じる「夜神月」の物語を前後編で描ききるプロジェクトでした。なので、映画『デスノート』は昨年の前後編で完全に完結させたつもりです。その上で、今回は松山ケンイチ演じるL/竜崎の物語なので、『デスノート』とはまた違った才能によって、新たな視点から描いて欲しいと思っていました。  
中田監督はホラーのイメージが強いかもしれませんが、「リング」にしてもお客様を怖がらせるために、数々の斬新な手法を駆使したエンターテイナーだと僕は思っています。『L』ではそのベクトルを「面白がらせよう」という方向に向けて様々なアイデアを出してくれているので、サスペンスアクションの新たな次元を切り開いてくれるのではないかと思ってオファーしました。中田監督も、スタイリッシュな映像の中で飄々と動きまわるL/竜崎を描きたいとおっしゃってくれました。中田監督の新境地が見られるでしょう。ハリウッドとはまた違う、日本ならではの緻密な構成と演出によるアクションと、スタイリッシュな映像の中で、コミカルにして色気のある「L」という特異な存在が活躍する、新時代の活劇を魅せてくれると確信しています。
また、松山ケンイチという才能をとても評価してくれています。今回のオファーを受けてくれた大きな理由のひとつに「松山ケンイチと仕事をしたい」というのがあったそうです。ハリウッドからのオファーもある中、松山ケンイチに惚れて引き受けてくれた中田監督のモチベーションは、『L』を凄い映画にするためには最高だと思っています。
現在、中田監督とともに脚本直しを進めています。夏には撮影に入ります。『デスノート』を越えるスケールでの撮影になります。またプロジェクト自体にもまだまだいろいろな仕掛けがありますので、今後の発表をお待ち下さい。
本作の内容については「デスノート」と同じくストーリーが要なので、まだ言えません。秘密です。しかし、「デスノート」ファンも、「デスノート」を知らない人も、ハラハラドキドキしながら楽しめる、驚きの展開連続のストーリーになります。世界からオファーを受ける中田監督らしく、「デスノート」よりもスケールが大きくなることは間違いありません。Lの魅力や面白さが満載の上に、観た人の心に何かが残せるような映画にしますのでお楽しみに。
ハリウッドで「デスノート」のリメイクの話が進んでいますが、このスピンオフLについては、中田秀夫監督という世界的な才能に参加してもらえたので、中田&松ケンのタッグそのままで、全米公開大ヒットを目指します。これが「デスノートワールド」の世界戦略第一弾です!!