ジャウム・コレット=セラとはハリウッド通でも聞き慣れない名前だが、それもそのはず。本作が長編映画デビューとなる31歳の新人監督なのだ。1974年、スペイン・バルセロナ生まれのコレット=セラは、高校生のときにロサンゼルスに移住。卒業後、映像編集者としてエンターテインメント業界に足を踏み入れた後、ミュージック・ビデオやCMの監督として頭角を表わし始めた。バドワイザーやポンティアック、デルタ航空などのCMを手がけているが、日本人が目にしたのはエンリケ・イグレシアスの「エスペランザ」PVやブラッド・ピットが出演したJTルーツ「オフィス編」くらいだろう。CMやミュージック・ビデオの監督が長編映画に抜擢されるのはハリウッドではよくある話。芸術性よりも大衆性を基調とし、映画のメイン・ターゲットである若者世代に受けるスタイリッシュ&ハイ・テンポの映像作りができる彼らは即戦力だし、ポテンシャルを秘めてもいる。ダーク・キャッスルの名プロデューサー、スーザン・レビンがコレット=セラ監督を抜擢したのももっともなのだが、ユニークなのは本作の映像がスタイリッシュではないこと。大仰なSXFやVFXは少ないし、クイック・カットもスピード&色調整も少ないオーソドックスな作りなのだ。スラッシャー・ムービーなので人体が切り刻まれ、血が噴出するシーンも多いが、何かが潜んでいそうな暗闇やクローズアップになった登場人物の恐怖にひきつった表情のほうがもっと怖い。キャラクターが死ぬシーンはすべて企画段階から「アイデアを練りに練った」というし、観客を心理的にじわじわ攻める手法は、『アザーズ』のアレハンドロ・アメナーバル監督や『ダークネス』のジャウム・バラゲロ監督に通じるものがある。故郷を離れて12年とはいえ、コレット=セラ監督のDNAにはやはりスペイン・ホラーのセオリーが流れているのかもしれない。

 リドリー・スコットとトニー・スコットの制作会社スコット・フリーで制作責任者として映画界でのキャリアをスタートさせ、『白い嵐』(96)などを担当。1995年、ジョエル・シルバーのシルバー・ピクチャーズに移籍し、デケード・ピクチャーズの立ち上げに貢献。『ザ・クリーナー』(97)、『ブルズ・アイ』(99・ビデオのみ)を手がけた。
 1999年にシルバーとロバート・ゼメキスがダーク・キャッスルを設立すると、リチャーズは、同社の第1作でウィリアム・キャッスル監督作のリメイクである『TATARI タタリ』(99)の海外配給を仕切った。
 それ以来、『ダンジョン&ドラゴン』(00)、『13ゴースト』(01)、『ゴーストシップ』(02)、『アニマトリックス』(03)、『マトリックス リローデッド』(03)などで製作総指揮などさまざまな役割を果たし、テレビではUSAネットワークの「ラナウェイ・ジェーン」を製作した。

 『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)でアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、全米監督組合賞の監督賞を獲得。同作品はアカデミー作品賞、主演男優賞(トム・ハンクス)など数多くの賞に輝いた。その後、ゼメキスは再びハンクスと組み、『キャスト・アウェイ』(00)を監督。ゼメキスはまた、『ポーラー・エクスプレス』をハンクス主演で監督し、同作品は2004年11月に全米公開された。
 長いキャリアの初期に、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)の脚本を共同執筆し、監督も務め、その後はシリーズの続編『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(89)、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(90)を監督し、これは映画史上もっとも成功を収めたシリーズのひとつとなった。
 ゼメキスはまた、コメディーの『抱きしめたい』(78)と『ユーズド・カー』(80)の脚本をボブ・ゲイルと共同執筆、監督し、『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(84)を監督。実写とアニメを巧みに融合させ、大ヒットした『ロジャー・ラビット』(88)の脚本と監督を務めた。さらに、『永遠〈とわ〉に美しく…』(92)、『コンタクト』(97)を監督・製作した。
 そのほかの製作作品には『TATARIタタリ』(99)、『ゴシカ』(03)、『トレスパス』(92/ゲイルと共同で脚本も)、『パブリック・アイ』(92)、『さまよう魂たち』(96)などがある。ゼメキスは『1941』(79)の脚本をゲイルと共同執筆し、それをきっかけにスティーブン・スピルバーグとの協力関係が始まった。
 1998年、ゼメキスはスティーブ・スターキー、ジャック・ラプケと映画・テレビ番組制作会社イメージムーバーズを設立。その第1作『ホワット・ライズ・ビニース』(00)に続き、『キャスト・アウェイ』『マッチスティック・メン』(03)とヒットを飛ばした。

人気テレビ・シリーズやテレビ映画の脚本と製作で活躍してきたヘイズ兄弟が長編映画に活動の重点を置くようになったのは最近である。本作『蝋人形の館』に続いて、ふたりはダーク・キャッスルのスリラー『The Reaping』を執筆。アカデミー主演女優賞に2度輝いたヒラリー・スワンクが主演する。そのほかに脚本を執筆する予定の作品には、アクション系の『Powell』、『ブロブ 宇宙からの不明物体』(88)のリメイクなどがある。

 世界に活動の場を広げたのは、『モアイの謎』(93)。彼にとって初のアメリカ映画となったこの作品は、ワーナー・ブラザース映画によって1994年に公開された。その後、ケビン・コスナーが監督したワーナー・ブラザース映画作品『ポストマン』(97)、『ファイアーストーム』(98)と『沈黙の陰謀』(99)を撮影。さらに、『ディープ・ブルー』(99)を撮影した。最近では、ジャッキー・チェン、ジェニファー・ラブ・ヒューイット主演のケビン・ドノバン監督作『タキシード』(02)を手がけた。

 オーストラリア映画界でもっとも才能ある美術監督のひとりであるウォーカーは、ダーク・キャッスル・エンターテイメントの『ゴーストシップ』(02)と『ゴシカ』(03)、『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』(02)などを手がけた。そのほかの作品には、ジョージ・ミラー監督の『マッドマックス2』(81)と『マッドマックス サンダードーム』(85)、ドゥシャン・マカベイエフ監督の『コカコーラ・キッド』(85)、ピーター・フェイマン監督の『クロコダイル・ダンディー』(86)、マーロン・ブランド、バル・キルマー主演でジョン・フランケンハイマー監督の『D.N.A. ドクター・モローの島』(96)、ビン・ディーゼル主演の『ピッチブラック』(00)などがある。
 オーストラリア映画協会賞に4回ノミネートされ、そのうち、『マッドマックス2』で美術賞を受賞。また、長編アニメ『グリーンガリー 永遠の熱帯雨林』(92)では美術顧問を務めた。
 最近では『僕はラジオ』(03)を製作し、『Little Black Book』(04)で製作総指揮を務めた。そのほかの作品には、『陽だまりのグラウンド』(01)、『ブラック・ダイヤモンド』(03)がある。また、『ドラゴンハート』(96)、『デイライト』(96)、『バーシティ・ブルース』(99)などのヒット作品では共同製作を務めた。
 製作を担当するようになる前には、『殺しのファンレター』(81・ビデオのみ)、『ダーティ・ダンシング』(87)、『パシフィック・ハイツ』(90)、『ハートブルー』(91)、『ドラゴン ブルース・リー物語』(93)、『天と地』(93)、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)など、さまざまな作品で助監督を務め、『マウス・ハント』(97)、『交渉人』(98)などの作品でプロダクション・マネージャーを務めた。
 2006年には、彼が製作するアカデミー賞女優ヒラリー・スワンク主演のダーク・キャッスル作品『The Reaping』が公開される予定。

 シルバーはこれまで40本以上の映画を製作してき、そのなかには、『プレデター』(87)や『ダイ・ハード』(88)、大ヒットした4本の『リーサル・ウェポン』シリーズ(87、89、92、98)、『マトリックス』3部作(99、03、03)などがある。今日まで、彼の映画が全世界で稼ぎ出した興収は合計50億ドル以上、1作品平均では1億ドルを超える。
 また、現在は『V For Vendetta』をナタリー・ポートマン、ジェームズ・ピュアフォイ主演で製作中。グラフィック・ノベルから『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟が脚本を書き、2005年11月4日に全米公開予定である。
 1985年、自身の制作会社シルバー・ピクチャーズによる第1作目の『コマンドー』を公開、続いて『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』(86)、『プレデター』を次々とヒットさせた。『リーサル・ウェポン』シリーズ、『ダイ・ハード』『ダイ・ハード2』(90)に加え、シルバーは『ラスト・ボーイスカウト』(91)、『デモリションマン』(93)、『リッチー・リッチ』(94)、『陰謀のセオリー』(97)を製作。最近の製作作品には、『ロミオ・マスト・ダイ』(00)、『DENGEKI/電撃』(01)、『ソードフィッシュ』(01)、『ブラック・ダイヤモンド』(03)など。

 

 彼の指揮下でワーナー・ブラザース映画は、『ドライビング・ミス・デイジー』(89)、『推定無罪』(90)、『グッドフェローズ』(90)、『ロビン・フッド』(91)、『JFK』(91)、『沈黙の戦艦』(92)、『マルコムX』(92)、『ボディガード』(92)、『デーヴ』(93)、『逃亡者』(93)、『ペリカン文書』(93)、『依頼人』(94)、『ディスクロージャー』(94)、『アウトブレイク』(95)、『バットマン フォーエバー』(95)、『ツイスター』(96)、『評決のとき』(96)などを製作、配給した。
 1996年5月、映画制作会社プラン・B・エンターテインメントを設立。その後、1998年にビレッジ・ロードショー・ピクチャーズの会長兼CEOに任命された。その第1期作品には、『プラクティカル・マジック』(98)、『アナライズ・ミー』(99)、『マトリックス』(99)、『ディープ・ブルー』(99)、『スリー・キングス』(99)、『スペース・カウボーイ』(00)、『デンジャラス ビューティー』(00)、『キャッツ&ドッグス』(01)などがあった。続いて第2期作品には、アカデミー主演男優賞を獲得したデンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク主演の『トレーニング・デイ』(01)、『オーシャンズ11』(01)、『アナライズ・ユー』(02)、『トゥー・ウィークス・ノーティス』(02)、『マトリックス リローデッド』(03)、『マトリックス レボリューションズ』(03)、『ミスティック・リバー』(03)、『オーシャンズ12』(04)、『コンスタンティン』(05)などがある。さらに、2005年にはジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督の『チャーリーとチョコレート工場』が公開される予定である。

 傑作『ユージュアル・サスペクツ』(95)では編集で英国アカデミー賞を、音楽でサターン賞を受賞。『X?MEN2』(03)でも編集と音楽の両方を担当し、テレビ・シリーズ「Fantasy Island」のパイロット版の音楽ではエミー賞にノミネートされた。『ルール2』(00)では監督・編集・音楽の三役をこなした。そのほか、『ケーブルガイ』(96)、『ハロウィンH20』(98)、『ゴールデンボーイ』(98)、『バブル・ボーイ』(01・ビデオのみ)、『スパイダーパニック!』(02)、『コール』(02)、『ゴシカ』(03)、『セルラー』(04)、『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ』(05)など数多くの作品に音楽を提供している。
 彼が音楽を担当する今後の公開作には『Kiss Kiss Bang Bang』『Fantastic Four』『Superman Returns』(編集も)などがある。

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