一見、平和で静かな田舎町を恐怖が覆い尽くす。子供の失踪事件が多発していたのだ。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。悲しみに暮れ、行方不明の弟を案じるビルの前に、“それ”は突然現れる。“それ”を目撃して以来、恐怖にとり憑かれるビル。
しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。不良少年たちにイジメの標的にされている子供たちも“それ”に遭遇していた。自宅の地下室、バスルーム、図書館、そして町の中……。何かに恐怖を感じるたびに“それ”は、どこにでも現れる。神出鬼没、変幻自在の“それ”からは、決して逃れられない……。
ビルとその秘密を共有することになった仲間たちは“それ”に立ち向かうことを決意。“それ”の正体とは何か? その目的は? 消えた子供たちはどこに行ったのか? 真相に迫るビルたちを、さらに大きな恐怖が飲み込もうとしていた……。