キングコング:髑髏島の巨神

キングコング:髑髏島の巨神

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最強吹き替えキャスト決定!!

News

Introduction

全編、クライマックス。

今度のキングコング、もはや次元が違う!

未知生命体の存在を確認しようと、学者やカメラマン、軍人からなる調査隊が太平洋の孤島“スカル・アイランド(髑髏島)”にやって来る。そこに突如現れた島の巨大なる“守護神”キングコング。島を破壊したことで、“彼”を怒らせてしまった人間たちは究極のサバイバルを強いられる。しかし脅威はこれだけではなかった。狂暴にしてデカすぎる怪獣たちが、そこに潜んでいた!

この島では、人類は虫けらに過ぎない・・・・・・そう悟った時は遅かった。なすすべもなく逃げ惑う人間たち。彼らがやがて知ることになる、島の驚くべき秘密とは!? 果たして調査隊は、島から脱出することができるのか!?

この島、怪獣だらけ!

“キングコング”

映画史上もっとも世界中に愛され、なおかつ恐れられてきた怪物。

『パシフィック・リム』や『GODZILLA ゴジラ』を世界的大ヒットに導いたレジェンダリー・ピクチャーズ製作の下、このモンスターが想像をはるかに凌駕するヤバいキャラクターに生まれ変わり、スクリーンで暴れまくる!

今回のキングコングは、とにかくデカい。31.6メートルの体長は過去に映画に登場したコングのなかでも最大級! 冒頭から武装ヘリを 腕のひと振りで弾き飛ばし、巨大怪獣とのバトルでは殴り、つかみかかり、引きちぎる! スピードとパワーを備えた超リアルなアクション映像がアドレナリンを放出させる、暴走! アクションアドベンチャー超大作。

“サムライ・ギタリスト”MIYAVIが俳優として、日本人パイロット役、グンペイ・イカリ役でカメオ出演を果たし、怪獣映画だけでなく、「新世紀エヴァンゲリオン」、「AKIRA」、ジブリ作品などのアニメ、「メタルギアソリッド」などのゲーム、ジャパン・カルチャーへのオマージュが詰まっている新たなるコング=“シン・コング”に大注目!

怪獣王VS巨神。2020年には「Godzilla VS. Kong」も決定。人類と怪獣たちとの戦いを描くシリーズ(モンスターバース)の“始まり” となる本作。2017年、空前絶後の!戦いが始まる。

Cast

Tom Hiddleston

Tom Hiddleston James Conrad

トム・ヒドルストン(ジェームズ・コンラッド)

ジョン・ル・カレの小説「ナイト・マネジャー」(早川書房刊)に基づいたBBC放送の高い評価を得たTVドラマ「ナイト・マネジャー」(16)で主役のジョナサン・パインを演じ、2017年度ゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞を受賞。また、同役で放送映画批評家協会賞とエミー賞の最優秀主演男優賞にノミネートされ、さらに英ナショナル・テレビジョン・アワードの最優秀演技賞にノミネートされた。

待機作に、17年11月公開予定の『Thor: Ragnarök』がある。同作では、11年より「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」両シリーズで演じている悪役ロキを再演する。

初めてロキを演じたケネス・ブラナー監督の『マイティ・ソー』(11)では、エンパイア賞最優秀新人男優賞を受賞した。次に、12年の大ヒット作『アベンジャーズ』で同役を再演し、MTVムービー・アワードの最優秀悪役賞を受賞し、最優秀格闘シーン賞をロバート・ダウニー・Jr.、クリス・エバンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナーらと分かち合った。

さらに、ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、イドリス・エルバらオールスターキャストが集う『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(13)にロキ役で再登場し、14年度エンパイア賞最優秀助演男優賞にノミネートされ、MTVムービー・アワードのお気に入りのキャラクター賞にノミネートされた。

15年、ギレルモ・デル・トロ監督の『クリムゾン・ピーク』(共演:ジェシカ・チャスティン、ミア・ワシコウスカ、チャーリー・ハナム)に出演。また同年、ベン・ウィートリー監督のサスペンス『ハイ・ライズ』では主役を務め、ジェレミー・アイアンズ、ルーク・エバンス、シエナ・ミラー、エリザベス・モスらオールスターキャストに参加した。同作で、英インディペンデント映画賞最優秀主演男優賞にノミネートされた。

さらに、94年に刊行された評伝「Hank Williams: The Biography」に基づき、カントリー・ミュージックの伝説的人物ハンク・ウィリアムズを描いたインディペンデント映画『アイ・ソー・ザ・ライト』(15/監督:マーク・エイブラハム)で主演。同作は、15年度トロント国際映画祭でプレミア上映された。

11年、スティーブン・スピルバーグ監督の米アカデミー賞とゴールデングローブ賞ノミネート作品『戦火の馬』(共演:ジェレミー・アーバイン、エミリー・ワトソン、デイビッド・シューリス、ベネディクト・カンバーバッチ、エディ・マーサン)でニコルズ大尉役を演じ、躍進を遂げた。同年、ウディ・アレン監督の『ミッドナイト・イン・パリ』でF・スコット・フィッツジェラルド役を好演し、称賛を浴びている。12年には、英アカデミー(BAFTA)賞ライジング・スター賞にノミネートされた。

このほか、出演したインディペンデント作品に、自身がイブニング・スタンダード英国映画賞最優秀主演男優賞にノミネートされたジョアンナ・ホッグ監督の『家族の波紋』(10・未)、ジム・ジャームッシュ監督の『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(13/共演:ティルダ・スウィントン、ジョン・ハート、ミア・ワシコウスカ)がある。

待機作に、ロード卿の声を担当するアニメ映画『Early Man』(共演:エディ・レッドメイン)がある。

TVでは、大きな期待が寄せられた文化プログラム「カルチュラル・オリンピアード」の一部として、BBCが放送したシリーズ「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」(12)の「ヘンリー四世(パート1)」と「ヘンリー四世(パート2)」でハル王子を演じ、続いて「ヘンリー五世」ではヘンリー五世を演じた。この役で、13年度サウス・バンク・スカイ・アーツ賞のタイムズ・ブレークスルー賞を受賞した。

舞台では、「コリオレイナス」に出演し、イブニング・スタンダード・シアター賞の最優秀男優賞を受賞し、オリビエ賞最優秀男優賞にノミネートされた。ドンマー・ウエアハウスの芸術監督ジョシー・ルーク演出の同作で、ハドリー・フレイザー、マーク・ゲイティスと共演した。08年、「シンベリン」と「オセロ」でオリビエ賞新人賞にダブルノミネートされ、「シンベリン」で受賞を果たした。

05年、王立演劇学校を卒業。

Brie Larson

Brie Larson Mason Weaver

ブリー・ラーソン(メイソン・ウィーバー)

2016年、レニー・アブラハムソン監督の『ルーム』(15)でママ役を好演し、大ブレイクを果たした。この役で、米アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合(SAG)賞、英アカデミー(BAFTA)賞、放送映画批評会議賞、全米映画批評会議賞、インディペンデント・スピリット賞の最優秀主演女優賞を受賞した。同作は、原作のベストセラー小説に基づき、長年狭い部屋に監禁されたのち、自由を勝ち取る若い母親と5歳の息子を描いている。

待機作に、16年度トロント国際映画祭とロンドン映画祭でプレミア上映され、17年4月に劇場公開予定のマーティン・スコセッシが製作総指揮を務める70年代の犯罪サスペンス『フリー・ファイヤー』(16/監督:ベン・ウィートリー)、デスティン・ダニエル・クレットン監督と再びタッグを組む、ジャネット・ウォールズのベストセラー回顧録に基づいた『The Glass Castle』、自身の初監督長編映画で、出演もする『Unicorn Store』、マーベル初の女性が主役のスーパーヒーロー映画『Captain Marvel』がある。

13年、『ショート・ターム』に出演し、クレットン監督と初コラボレート。青少年向けの保護施設のケアマネジャー、グレース役で、ロカルノ国際映画祭とゴッサム賞の最優秀主演女優賞を受賞し、全米放送映画批評家協会賞最優秀主演女優賞にノミネートされた。「ロサンゼルス・タイムズ」紙は、ラーソンを同作がプレミア上映されたサウス・バイ・サウスウエスト映画祭のイット・ガールと呼んだ。

これまでに、優れた監督や俳優たちと数多くの映画でタッグを組んでいる。その作品には、エドガー・ライト監督の『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』(10)、ベン・スティラーを誘惑する若い女性を演じたノア・バームバック監督の『ベン・スティラー

人生は最悪だ!』(10・未)、ウディ・ハレルソン演じる警官の反抗的な娘役を演じたオーレン・ムーバーマン監督の『ランパート 汚れた刑事』(11・未)、ジョナ・ヒル演じる主人公の恋の相手を演じたフィル・ロード&クリストファー・ミラー監督の『21ジャンプストリート』(12・未)、ジェイムズ・ポンソルト監督、シェイリーン・ウッドリー、マイルズ・テラー共演の『The Spectacular Now』(13)、ジョセフ・ゴードン=レビットの初監督作品『ドン・ジョン』(13)、ルパート・ワイアット監督、マーク・ウォールバーグ共演の『ザ・ギャンブラー/熱い賭け』(14・未)、エイミー・シューマーが脚本/主演を務めたジャド・アパトー監督の『エイミー、エイミー、エイミー!こじらせシングルライフの抜け出し方』(15)などがある。

また、スティーブン・スピルバーグの原案を基に、米アカデミー賞受賞歴をもつディアブロ・コディが脚本を書いたショータイム放送の人気ドラマ「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」(09~11)で、母親役のトニ・コレットの皮肉屋で扱いにくい娘役を演じ、現在もなお広く知られている。また、FX放送のカルト的人気を博したシリーズ「The League」の2話(11)にゲスト出演した。

舞台では、有名なウィリアムズタウン・シアター・フェスティバルで上演された「わが町」にエミリー役で出演した。

女優/監督のほかに、脚本家としても活躍している。脚本を手がけた短編映画『The Arm』(12)で、12年度サンダンス映画祭で最優秀コメディ・ストーリーテリング部門の審査員特別賞を受賞した。

サクラメント出身。サンフランシスコのアメリカン・コンサバトリー・シアターで最年少の生徒として6歳から演技の勉強を始めた。

Samuel L. Jackson

Samuel L. Jackson Preston Packard

サミュエル・L・ジャクソン(プレストン・パッカード)

100本以上の映画に出演し、ハリウッドで最も尊敬される俳優のひとり。クエンティン・タランティーノ監督作『パルプ・フィクション』(94)で哲学的な殺し屋ジュールスを演じ、アメリカ映画界に消えることのない足跡を残した。批評家の絶賛とともに、米アカデミー賞/ゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞にノミネートされ、英アカデミー(BAFTA)賞の同部門賞を受賞。さらに、インディペンデント・スピリット賞最優秀主演男優賞を受賞した。以来、タランティーノ監督とは数多くの作品で組み、そのなかには、自身が再びゴールデングローブ賞にノミネートされた『ジャッキー・ブラウン』(97)、『キル・ビルVol.2』(04)、『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)、『ヘイトフル・エイト』(15)などがある。

また、マーベル・スタジオと9本のシリーズ出演契約を結び、3つの大ヒットシリーズ作品にアクションヒーロー、ニック・フューリー役で出演している。これまでに、『アイアンマン』(08)、『アイアンマン2』(10)、『キャプテン・アメリカ

ザ・ファースト・アベンジャー』(11)、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14)、そして公開第1週の興収が2億ドル超という記録破りの成績をあげた『アベンジャーズ』(12)、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15)で同役を演じた。そして「アベンジャーズ」シリーズの待機作『Avengers: Infinity War』にも出演する。さらに待機作に、ジンボ役で声の出演をするアクション・コメディ・アニメ『Blazing Samurai』、同じく声の出演をする『The Incredibles 2』がある。

ほかの待機作には、アクションコメディ『The Hitman's Bodyguard』、ブリー・ラーソンの初監督作品『Unicorn Store』、ピーター・シーガル監督のSF映画『Inversion』がある。

出演した近作には、2003年の韓国のカルトクラシック作品をスパイク・リー監督がリメイクした『オールド・ボーイ』(13)、マシュー・ボーン監督のヒット作『キングスマン』(14)、傑作SFアクション作品をジョゼ・パヂーリャ監督がリメイクした『ロボコップ』(14)、スパイク・リー監督の『Chi-Raq』(15)、ティム・バートン監督のファンタジーアドベンチャー『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(16)、デイビッド・イェーツ監督の『ターザン:REBORN』(16)、エージェントのオーガスタス・ギボンズ役を再演したアクション『トリプルX:再起動』(17)などがある。

これまでの映画出演作品には、『ラグタイム』(81)、『スクール・デイズ』(88・未)、『星の王子ニューヨークへ行く』(88)、『ドゥ・ザ・ライト・シング』『シー・オブ・ラブ』(共に89)、『グッドフェローズ』『モ'・ベター・ブルース』(共に90)、『ジャングル・フィーバー』(91)、『パトリオット・ゲーム』(92)、『トゥルー・ロマンス』『ジュラシック・パーク』(共に93)、『ダイ・ハード3』(95)、『ロング・キス・グッドナイト』(96)、自身がゴールデングローブ賞にノミネートされた『評決のとき』(96)、『187(ワンエイトセブン)』(97)、『プレイヤー/死の祈り』(97・未)、『スフィア』『レッド・バイオリン』『交渉人』(いずれも98)、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』『ディープ・ブルー』(共に99)、『シャフト』『英雄の条件』『アンブレイカブル』(いずれも00)、『ケイブマン』『ケミカル51』(共に01)、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』『チェンジング・レーン』(共に02)、『S.W.A.T.』(03)、アニメ『Mr.インクレディブル』(04)、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』『コーチ・カーター』(共に05)、『フリーダムランド』『スネーク・フライト』『ブラック・スネーク・モーン』(いずれも06)、『1408号室』(07)、『サミュエル・L・ジャクソンinザ・チャンプ 伝説のファイター』(07・未)、『ジャンパー』『ザ・スピリット』(共に08)、『ソウルメン』『レイクビュー・テラス 危険な隣人』(共に08・未)、自身がインディペンデント・スピリット賞に再びノミネートされた『愛する人』(09)などがある。

11年に、バーナード・B・ジェイコブス・シアターで上演された「The Mountaintop」に出演し、ブロードウェイデビューを飾った。ケニー・レオンが演出し、アンジェラ・バセットと共演したこの作品で、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアを演じている。

アトランタにあるモアハウス大学で演劇芸術の学位を取得して卒業後、舞台でキャリアをスタートさせ、「Home」「A Soldier's Play」「Sally/Prince」「The District Line」などの舞台劇に出演。また、イェール・レパートリー・シアターで上演されたオーガスト・ウィルソンの戯曲2本のオリジナルキャストも務めた。ニューヨーク・シェイクスピア・フェスティバルでは、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」「Spell #7」「The Mighty Gents」に出演。

TVでは、ジョン・フランケンハイマーがエミー賞監督賞を受賞したHBO放送のTV映画「ウォール・オブ・アッティカ/史上最大の刑務所暴動」(94)に出演。この演技で、ケーブルエース賞の映画/ミニシリーズ部門最優秀助演男優賞とゴールデングローブ賞ミニシリーズ/TV映画部門最優秀男優賞にノミネートされた。同じくHBO放送では、TV映画「The Sunset Limited」(11)にも出演している。さらに、07年より3シーズンにわたり放送されたスパイクTVのアニメシリーズ「Afro zamurai」の5話(07)で製作総指揮を務めた。『アフロサムライ:レザレクション』(09)は、アカデミー・オブ・エミー賞最優秀アニメ番組賞にノミネートされた。「Afro Samurai」のビデオゲーム第1版は09年1月27日に発売された。

John Goodman

John Goodman Bill Randa

ジョン・グッドマン(ビル・ランダ)

近年、ロンドンのウィンダムズ・シアターで上演された1975年のデイビッド・マメットの戯曲「アメリカン・バッファロー」のリバイバル作品で、ダミアン・ルイス、トム・スターリッジと共演し、ウエストエンドデビューを飾った。

2016年冬には、チャールズ・マッカーサーとベン・ヘクトの戯曲「フロント・ページ」(共演:ネイサン・レーン、ジョン・スラッテリー)のリバイバル作品で、再びブロードウェイの舞台に立った。

待機映画には、デイビッド・リーチ監督のサスペンス『Atomic Blonde』、主要な役の声を演じるリュック・ベッソン監督のSFアドベンチャー『Valerian and the City of a Thousand Planets』などがある。

近作に、ジェイ・ローチ監督の伝記ドラマ『トランボ

ハリウッドに最も嫌われた男』(15)、『パトリオット・デイ』(16)、自身が数々の賞にノミネートされたヒットSFサスペンス『10クローバーフィールド・レーン』(16)などがある。

12年、ベン・アフレック監督の米アカデミー賞作品賞受賞ドラマ『アルゴ』、ロバート・ゼメキス監督の『フライト』に出演。同年、『アルゴ』『フライト』『人生の特等席』で全米映画批評会議賞スポットライト賞を受賞した。また、12年度米アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したモノクロ映像のサイレント映画『アーティスト』(11)にも出演している。

TVでは、ディレクTVの「ダメージ」(07~12)の10話(11)、NBC放送の「コミ・カレ!!」の6話(11~12)、アマゾンTVのオリジナルシリーズ「アルファ・ハウス」(13~14)、スターツ放送のミニシリーズ「Dancing on the Edge」(13)などに出演。

また、「Roseanne」(88~97)に出演し、ゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞を受賞し、エミー賞ノミネートを7回獲得。同作の役で、ほかにも数多くの賞を受賞した。さらに、TNT放送のTV映画「キングフィッシュ/大統領への挑戦」(95)、CBSエンターテインメント製作、テネシー・ウィリアムズ原作のTV映画「欲望という名の電車」(95)でもエミー賞にノミネートされている。07年、「Studio 60 on the Sunset Strip」にゲスト出演し、2度目のエミー賞を最優秀ゲスト男優賞部門で受賞した。

また、HBO放送のジャック・ケヴォーキアンを描く伝記TV映画「死を処方する男

ジャック・ケヴォーキアンの真実」(10)でアル・パチーノ、スーザン・サランドンと再共演した。この作品で、エミー賞ミニシリーズ/映画部門最優秀助演男優賞と全米映画俳優組合(SAG)賞TV映画/ミニシリーズ部門最優秀男優賞にノミネートされた。

数多くの出演映画には、『愛に向って走れ』(83)、『マリアの恋人』(84)、『チャド』『ナーズの復讐/集結!恐怖のオチコボレ軍団』(共に84・未)、『ジェシカ・ラングの スウィート・ドリーム』(85・未)、『デヴィッド・バーンのトゥルー・ストーリー』(86)、『ビッグ・イージー』(86・未)、『赤ちゃん泥棒』(87)、『バーグラー/危機一髪』(87・未)、『熱き愛に時は流れて』『The Wrong Guys』(共に88)、『パンチライン』(88・未)、『シー・オブ・ラブ』『オールウェイズ』(共に89)、『アラクノフォビア』『ステラ』(共に90)、『ラルフ一世はアメリカン』(91)、コーエン兄弟監督の『バートン・フィンク』(91)、『夢を生きた男/ザ・ベーブ』(92)、『ボーン・イエスタデイ』『マチネー/土曜の午後はキッスで始まる』(共に93)、『フリントストーン/モダン石器時代』(94)、『マザーナイト』『あなたに逢いたい』(共に96・未)、『ボロワーズ/床下の小さな住人たち』(97・未)、『悪魔を憐れむ歌』『ブルース・ブラザース2000』『ビッグ・リボウスキ』(いずれも98)、『救命士』(99)、『デスリミッツ』(99・未)、『オー・ブラザー!』『コヨーテ・アグリー』(共に00)、『2999年異性への旅』(00・未)、『ストーリーテリング』『ジュエルに気をつけろ!』(共に01)、『ボブ・ディランの頭のなか』(03)、『ビヨンドtheシー ~夢見るように歌えば~』(04)、『ビューティフルメモリー』(05・未)、『スピード・レーサー』『Gigantic』(共に08)、『エレクトリック・ミスト 霧の捜査線』(09・未)、『Alabama Moon』『Pope Joan』『お買いもの中毒な私!』(いずれも09)、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(11)、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(13)、『トランスフォーマー/ロストエイジ』『ミケランジェロ・プロジェクト』(共に14)、1974年の『熱い賭け』のリメイク版『ザ・ギャンブラー/熱い賭け』(14・未)などがある。

また、『ラマになった王様』(00)、『モンスターズ・インク』(01)、『ジャングル・ブック2』(03・未)、『ラット・フィンク ~ボクのビッグ・ダディ~』(06)、『ビー・ムービー』(07)、『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)など数多くのアニメ映画に声優として出演している。さらにNBC放送のアニメシリーズ「Father of the Pride」(04~05)でもメインキャラクターの声を担当している。

セントルイス出身。フットボールの選手になるためにサウスウェスト・ミズーリ州立大学に入学したが、怪我のために専攻を演劇に変えた。その後はフットボールをすることはなく、演劇の学士号を取って卒業。

舞台では、プロードウェイ公演「ゴドーを待ちながら」でポッツォ役を演じ、好評を博した。そのほか、数多くのディナー・シアター作品や児童劇、オフブロードウェイ作品にも出演している。また、リージョナル・シアター公演では、「ヘンリー四世 第一部/第二部」「アントニーとクレオパトラ」「お気に召すまま」「クリスマス・キャロル」などに出演し、ツアー公演「強盗のお婿さん」にも出演。さらに、79年の「Loose Ends こんな愛の終わり方」、85年の「ビッグ・リバー」でブロードウェイの舞台に登場した。

01年、ニューヨークのセントラル・パークで開催されるシェイクスピア・イン・ザ・パークでマイク・ニコルズ演出の「かもめ」に出演。02年には「アルトロ・ウィの抑え得た興隆」でパブリック・シアターに出演した。

Jing Tian

Jing Tian San

ジン・ティエン(サン)

現代中国映画界で最も輝いている若手女優のひとり。米国で活躍するための態勢もととのっている。2017年2月に米国公開された『グレートウォール』(16)で米国映画デビューを飾った。同作で、中国人将官リン・メイ役で、マット・デイモンと共演。18年2月に米国公開予定の『Pacific Rim: Uprising』でジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッドと共演する。

15年から16年にかけて、映画/TVの両方において中国の一流女優の仲間入りを果たした。中国映画界のレジェンドたちに引けを取らず、業界で最も活動的な女性として知られる。これまでに多面的な身体/ダンストレーニングを受け、それを長所として活用し、ほとんどのスタントを厳しいトレーニングを受けながら自分でこなしてきた。  13年から14年にかけて、3つの大ヒット映画に出演。ドニー・イェンと共演した『スペシャルID 特殊身分』(13)、映画界のレジェンド、ジャッキー・チェンと共演した『ポリス・ストーリー/レジェンド』(13)、そしてもうひとりの中国映画界のレジェンド、チョウ・ユンファと共演した『ゴッド・ギャンブラー レジェンド』(14)である。これら3作品の興収は、13億元を超えた。これらの作品での力強い演技により、第18回ハリウッド映画祭に出席し、新設のハリウッド国際賞を受賞した。

映画での成功に加え、中国のTVでもさまざまな人気キャラクターを演じている。ユー・チェン製作の漢王朝時代を舞台にした歴史ドラマ「ハンシュク~皇帝の女傅」(15)に出演。この作品で、宮中にある女学校の若く美しい熱血教師で、先輩教師と恋に落ちる主人公のハンシュクを演じた。近作のTVドラマに、17年の中国の旧正月に初放映され、5月まで放送予定の「The Glory of Tang Dynasty」がある。同作は、中国最大のオンライン・プラットフォーム、テンセントで13億回を超える視聴回数を記録し、大成功を収めた。

映画デビューを飾った10年の『My Belle Beauty』で幅広い層から注目を集めた。同作品でまったく違う2役を演じた当時は、22歳であった。その後2年間にわたり、壮大な歴史ドラマ『The Warring States』(11)や、現代劇『Tears in Heaven』(12)、『Better and Better』(13)などでさまざまな難しい役柄に挑戦した。

7000年の歴史を誇り、秦の始皇帝時代の兵馬俑が発見された陝西省西安で育った。13歳のときに家を離れ、北京舞踏学院中等舞踏学校で厳しいトレーニングを受け始めた。やがてダンスを愛する気持ちが転じて演じることへの情熱が芽生え、同校を卒業後、北京電影学院へ進学した。

映画/TVでの活躍に加え、その成功に伴い、ロレアルのアジア地域の広告塔のひとりに選ばれた。また、人道活動に多くの時間を捧げ、地震の被災地や、恵まれない子どもたちを支援している。

John C. Reilly

John C. Reilly Hank Marlow

ジョン・C・ライリー(ハンク・マーロウ)

映画/TV/舞台において、幅広い作品に出演している多才な俳優である。さまざまな映画で、数多くの監督たちとタッグを組んでいる。そのなかには、ブライアン・デ・パルマ監督の『カジュアリティーズ』(89)、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ハードエイト』(96・未)と『ブギーナイツ』(97)そして『マグノリア』(99)、テレンス・マリック監督の『シン・レッド・ライン』(98)、ヴォルフガング・ペーターゼン監督の『パーフェクト ストーム』(00)、マーティン・スコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』(02)と『アビエイター』(04)、ロバート・アルトマン監督の『今宵、フィッツジェラルド劇場で』(06)、ロマン・ポランスキー監督の『おとなのけんか』(11)、リン・ラムジー監督の『少年は残酷な弓を射る』(11)などがある。

また、ウィル・フェレルと共演したアダム・マッケイ監督のヒットコメディ『タラデガ・ナイト オーバルの狼』(06・未)と『俺たちステップ・ブラザース ‐義兄弟‐』(08・未)、ジェイ・デュプラス監督のインディペンデント作品『僕の大切な人と、そのクソガキ』(10・未)にも出演。このほか、インディペンデント作品には『アニバーサリーの夜に』(01)、『グッド・ガール』(02)、『クリミナル』(04・未)、『ラブ・ザ・ドッグ 犬依存症の女』(07・未)、『The Promotion』(08)、『バッドトリップ! 消えたセールスマンと史上最悪の代理出張』(11・未)、『Terri』(11)、『ライフ・アフター・ベス』(14)、2017年度サンダンス映画祭でプレミア上映された『The Little Hours』などがある。さらに、いずれも15年度カンヌ国際映画祭に出品されたヨルゴス・ランティモス監督の『ロブスター』、トマ・ビデガン監督の『Les Cowboys』、マッテオ・ガローネ監督の『五日物語―3つの王国と3人の女』にも出演している。

ミュージカル映画『シカゴ』(02)で、米アカデミー賞とゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞にノミネートされた。さらに、『ウォーク・ハード ロックへの階段』(07・未)で、ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門最優秀主演男優賞にノミネートされた。ほかにも、インディペンデント・スピリット賞、全米映画俳優組合(SAG)賞、放送映画批評家協会賞に何度もノミネートされている。

ほかの出演作に、声優として主役のラルフを担当した米アカデミー賞ノミネートアニメ『シュガー・ラッシュ』(12)とエディ役を担当したアニメ『SING/シング』(16)、ジェイムズ・ガン監督の大ヒットSFアドベンチャー『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)など。現在、イータン・コーエン監督の『Holmes and Watson』を撮影中である。同作では、ワトソンを演じ、ホームズ役のウィル・フェレルと共演する。

TVでは、たびたびゲスト出演した「Tim and Eric's Awesome Show, Great Job!」(07~13)や、「Check It Out! with Dr. Steve Brule」(10~16)でコメディアンのティム・ハイデッカーとエリック・ウェアハイムとコラボレートした。

さらに舞台では、自身がトニー賞にノミネートされた「True West」や「欲望という名の電車」などのブロードウェイ作品、シカゴのステッペンウルフ・シアター・カンパニー作品「怒りの葡萄」「欲望という名の電車」など、数多くの作品に出演している。

Toby Kebbell

Toby Kebbell Jack Chapman / Kong Mo Cap Services

トビー・ケベル(ジャック・チャップマン/キングコング・モーションキャプチャー担当)

英国出身。数々のアクション満載のファンタジーアドベンチャー作品に出演している。その主な作品に、パフォーマンス・キャプチャーで、戦争を煽るチンパンジーのコバ役を印象的に演じた『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(14/監督:マット・リーブス)、同じくパフォーマンス・キャプチャーで勇敢なデュロタンを演じた『ウォークラフト』(16/監督:ダンカン・ジョーンズ)などがある。また、2016年夏に公開されたティムール・ベクマンベトフ監督の『ベン・ハー』(16・未)では悪人のメッサラ役を演じた。同年、スティーブン・ギャガン監督のサスペンス『Gold』でジェニングス役を演じ、ファンタジー『A Monster Calls』では父親役を演じた。

04年、シェーン・メドウス監督に『Dead Man's Shoes』のアンソニー役に起用され、映画デビューを果たし、初めて英国の観客の注目を集めた。同作で学習障害のある若者を演じ、英インディペンデント映画(BIFA)賞最優秀新人賞にノミネートされた。次いで、オリバー・ストーン監督の『アレキサンダー』(04)、ウディ・アレン監督の『マッチポイント』(05)に出演。

07年、アントン・コービン監督の賞受賞作品『コントロール』で、“ジョイ・ディビジョン”のマネジャー、ロブ・グレットンを演じ、再び絶賛を浴びた。同作で、BIFA賞最優秀助演男優賞を受賞し、ロンドン映画批評家協会賞にノミネートされた。

また、ガイ・リッチー監督の『ロックンローラ』(08)での見事な演技で、「サン」紙の最優秀男優賞とエンパイア賞にノミネートされた。さらに、09年度英アカデミー(BAFTA)賞ライジング・スター賞にノミネートされた。ほかの出演作品に、マイク・ニューウェル監督の『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(10)、ジョン・タートルトーブ監督の『魔法使いの弟子』(10)、ロバート・レッドフォード監督の『声をかくす人』(10)、スティーブン・スピルバーグ監督の『戦火の馬』(11)、ジョナサン・リーベスマン監督の『タイタンの逆襲』(12)、リドリー・スコット監督の『悪の法則』(13)などがある。

TVでは、ジミー・マクガバーン企画のBBC放送のシリーズ「The Street」の3話(07)に出演。同作は、のちにBAFTA賞最優秀ドラマ賞を受賞した。このほか、BBC放送の出演作品に、シェイクスピア作品を現代風にアレンジした「ShakespeaRe-Told」の1話「Macbeth」(05/共演:ジェイムズ・マカボイ)などがある。また、チャンネル4の「ブラック・ミラー」の1話(11)に出演。

舞台では、アルメイダ・シアターにて上演されたデイビッド・ヘアによるリメイク版「Enemies」(マクシム・ゴーリキー作)、プレイハウス・シアターにて上演されたR・C・シェリフの古典戯曲「旅路の果て」に出演している。

John Ortiz

John Ortiz Victor Nieves

ジョン・オーティス(ビクター・ニーブス)

ニューヨークの舞台で演技に磨きをかけた賞受賞歴を誇る俳優。オフブロードウェイ作品「References to Salvador Dali Make Me Hot」でオビー賞最優秀男優賞を受賞。また、故フィリップ・シーモア・ホフマンとともに出演と製作総指揮を兼ねたインディペンデント映画『ジャック、舟に乗る』(10・未)でインディペンデント・スピリット賞にノミネートされた。舞台/映画/TVで等しく活躍している。

待機作に、2017年4月全米公開予定のザック・ブラフ監督のコメディ『Going in Style』(共演:モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキン)がある。また、J・J・エイブラムス製作の『God Particle』(共演:クリス・オダウド、エリザベス・デビッキ)、『Nostalgia』(共演:ジョン・ハム、ニック・オファーマン)、『Replicas』(共演:キアヌ・リーブス、アリス・イブ)の撮影を終えたばかりである。

これまでの出演映画に、『クライム・ヒート』(14・未/共演:トム・ハーディ、ジェイムズ・ガンドルフィーニ)、『セザール・チャベス』(14)、『スティーブ・ジョブズ』(15/共演:マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット)、『ブラックハット』(15/共演:クリス・ヘムズワース)、『A Woman, A Part』(16/共演:マギー・シフ、カーラ・セイモア共演)、『A Dog's Purpose』(17)などがある。このほか、『カリートの道』(93)、『身代金』(96)、『スティーブ・マーティンのSgt.ビルコ/史上最狂のギャンブル大作戦』(96・未)、『アミスタッド』(97)、『Side Streets』(98)、『The Last Marshall』(00)、『夜になるまえに』(00)、『デッド・レイン』(00・未)、『NARC ナーク』(02)、『マイアミ・バイス』『エル・カンタンテ』(共に06)、『アメリカン・ギャングスター』『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(共に07)、『プライド&グローリー』(08・未)、『パブリック・エネミーズ』(09)、米アカデミー賞ノミネート作品『世界にひとつのプレイブック』(12)、『ワイルド・スピード EURO MISSION』(13)などに出演。

TVでは、TV映画「レイジ/連鎖暴動」(97)、FOX放送の「Rake」(14/共演:グレッグ・キニア)、HBO放送のシリーズ「Togetherness」(15~16/共演:アマンダ・ピート、メラニー・リンスキー)などに出演。待機作に、TBS放送のコメディ「The Guest Book」(共演:ケリー・マーティン)がある。また、ケーブルTVシリーズ「Luck」(11~12)ではダスティン・ホフマンと共演。さらに「Lush Life」(96)、「The Job」(01~02)、「Clubhouse」(04~05)にレギュラー出演した。

また、フィリップ・シーモア・ホフマンとともに、ラビリンス・シアター・カンパニーを共同設立し、数多くの作品を製作し、出演している。その作品に、ホフマン演出の「The Last Days of Judas Iscariot」、自身がドラマデスク賞にノミネートされた「Jesus Hopped The ‘A’ Train」「Guinea Pig Solo」「ジャック、舟に乗る」がある。これらすべての作品が、ニューヨークのパブリック・シアターで上演された。また、「オセロ」で主役を演じ、ホフマンと共演。ピーター・セラーズ演出の同作は、ウィーンでのプレミア公演ののち、世界ツアー公演がおこなわれた。

このほか、ニューヨークでは、ブロードウェイ作品「Anna in the  Tropics」、ジョン・グッドマンと共演し、パブリック・シアターで上演された「危機一髪」、プレイライツ・ホライゾンで上演された「Cloud Tectonics」などに出演。さらに、ピーター・セラーズが演出し、パリ、ロンドン、ベルリン、エディンバラほかで上演された「ペルシア人」と「ベニスの商人」にも出演した。また、マーク・テーパー・フォーラム、ザ・グッドマン・シアター、ハートフォード・ステージ、アリーナ・ステージ、イェール・レパートリー・シアター、サウス・コースト・レパートリー、シンシナティ・プレイハウスなどのリージョナル・シアターの舞台にも立っている。

ブルックリン出身。ニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・ニックスの熱烈なファンである。

Corey Hawkins

Corey Hawkins Houston Brooks

コリー・ホーキンズ(ヒューストン・ブルックス)

F・ゲイリー・グレイ監督の“N.W.A.”の伝記『ストレイト・アウタ・コンプトン』(15)で、有名音楽プロデューサー兼ヒップホップのレジェンド、ドクター・ドレーを見事に演じ、認知度を高めた。同作は3週間連続で興収1位を記録し、その世界興収は、音楽の伝記作品としては史上最高額の2億100万ドルに達した。

現在、FOX放送の「24 TWENTY FOUR」(01~10)の新シリーズ「24:レガシー」(17/共演:ミランダ・オットー、ジミー・スミス)に主役のエリック・カーター役で出演している。オリジナルの「24」でキーファー・サザーランドが演じたジャック・バウアーと交代して新しい主人公を演じている。同シリーズは、2017年度スーパーボウル直後のミッドシーズンに放送開始となり、月曜日夜にレギュラー放送されている。

15年、AMC放送のヒットシリーズ「ウォーキング・デッド」の第6~第7シーズンの6話(15~16)に、原作のコミックの主要キャラクター、ヒース役で出演した。

ほかの出演作に、『アイアンマン3』(13)、『フライト・ゲーム』(14)などがある。

舞台では、ブロードウェイで上演されたデイビッド・レボー演出による13年のリバイバル作品「ロミオとジュリエット」(作:シェイクスピア、共演:オーランド・ブルーム、コンドーラ・ラシャド)でティボルト役を演じた。17年4月、ジョン・グェアの有名な戯曲「六次の隔たり」の待望のリバイバル公演で再びブロードウェイの舞台に登場する。2カ月にわたる公演期間で、アリソン・ジャネイ、ジョン・ベンジャミン・ヒッキーと共演する。

ジュリアード音楽院演劇科卒業。在学中、古典演劇において優れた才能を発揮した学生に与えられる、誉れ高いジョン・ハウスマン賞を受賞している。

Jason Mitchell

Jason Mitchell Mills

ジェイソン・ミッチェル(ミルズ)

俳優として着実に知名度を高めている。2015年の“N.W.A.”の伝記『ストレイト・アウタ・コンプトン』(監督:F・ゲイリー・グレイ、共演:ポール・ジアマッティ)で、伝説のイージー・Eを好演し、高い評価を得た。米国内での激しい競争のすえ、誰もが望むこの役を摑み取った。この役で、アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞最優秀助演男優賞を受賞し、仲間のキャストとともに、全米映画俳優組合(SAG)賞と放送映画批評家協会賞の映画部門最優秀アンサンブル演技賞にノミネートされた。さらに、「バラエティ」誌とサンディエゴ国際映画祭で16年度ライジング・スター賞を受賞した。

近作に、オバマ元大統領がニューヨークで過ごした大学時代を描くNetflixの『バリー』(16・未/監督:ビクラム・ガンディ)、ニューオーリンズで撮影され、17年度サンダンス映画祭で称賛を浴びた『Mudbound』など。

待機作に、キャスリン・ビグロー監督がデトロイト暴動を描くタイトル未定のプロジェクト、ショータイム放送の新番組で、シカゴ南部を舞台に、相互に絡み合う6人の登場人物の姿を追う「The Chi」などがある。

Shea Whigham

Shea Whigham Cole

シェー・ウィガム(コール)

フロリダ出身。ニューヨーク州立大学パーチェス校で学んだ。ニューヨークの舞台で築いた経歴を武器に、2000年にジョエル・シューマカー監督に『タイガーランド』のキャストに抜擢され、コリン・ファレルと共演し、大きなチャンスを摑んだ。

以来、マーティン・スコセッシ、ロバート・レッドフォード、テレンス・マリック、ベルナー・ヘルツォーク、オリバー・ストーン、デイビッド・O・ラッセル、ロバート・ロドリゲスら伝説の監督たちや、デイビッド・ゴードン・グリーン、ジェフ・ニコルズ、ジェイムズ・ポンソルト、アダム・ウィンガードら次世代の監督たちとタッグを組み、数々の優れた作品に出演している。また、ロバート・デ・ニーロ、アンソニー・ホプキンス、レオナルド・ディカプリオ、クリスチャン・ベイル、ショーン・ペン、ビオラ・デイビスをはじめ、尊敬すべき世界的に認められた数多くの俳優たちと共演している。

近作の『スター・トレックBEYOND』(16)に出演し、「スター・トレック」の世界へ仲間入りを果たした。

また、HBO放送のスマッシュヒット作「ボードウォーク・エンパイア」シリーズ(10~14/共演:スティーブ・ブシェミ、ケリー・マクドナルド)でイーライ・トンプソン役を演じ、何度も全米映画俳優組合(SAG)賞アンサンブル演技賞を受賞した。ほかのTV作品に、HBO放送の「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」(14~15/監督:キャリー・ジョージ・フクナガ)の2話(14)、ABC放送の「エージェント・カーター」(15~16)の7話(15)、FX放送の「JUSTIFIED 俺の正義」(10~15)の1話(15/企画:グレアム・ヨスト)などがある。近作に、HBO放送のコメディシリーズ「Vice Principals」(16~/共演:ダニー・マクブライド)の9話(16)など。

近作の映画には、15年度サンダンス映画祭でプレミア上映されたインディペンデント作品『COP CAR/コップ・カー』(15/共演:ケビン・ベーコン)と『Lila & Eve』(15/共演ジェニファー・ロペス、ビオラ・デイビス)、テレンス・マリック監督の『聖杯たちの騎士』(15)、『A Country Called Home』(15/共演:マッケンジー・デイビス、イモージェン・プーツ)がある。待機作は、『High Wire Act』(共演:ジョン・ハム)、日本の漫画シリーズをリメイクしたNetflixの『Death Note』、Netflix配給の『Wheelman』(共演:フランク・グリロ)、ヒットTVシリーズ「ナルコス」(15~)、「ローリング・ストーン」誌の記事に基づいたAmazonTV放送のシリーズ「Legend of Master Legend」など、多数控えている。

Thomas Mann

Thomas Mann Slivko

トーマス・マン(スリフコ)

現在、ニコール・ホロフセナー監督のニューヨークを舞台にしたドラマ『The Land of Steady Habits』(共演:ベン・メンデルソーン、イーディ・ファルコ)の撮影に入っている。

2016年は、クラシック・ステージ・カンパニーのオフブロードウェイ作品「いまを生きる」(共演:ジェイソン・サダイキス)に出演し、さらに17年公開予定のブルームハウス・プロダクションズ製作のホラー映画『Amityville: The Awakening』の撮影を終わらせるなど、多忙を極めた。 

15年、アルフォンソ・ゴメス=レホン監督の高い評価を受けた作品『ぼくとアールと彼女のさよなら』(未/共演:オリビア・クック、ニック・オファーマン、ジョン・バーンサル、コニー・ブリットン)に出演。ジェシー・アンドリューズのデビュー小説を映画化した同作は、15年度サンダンス映画祭で観客賞と審査員大賞を受賞したのち、米国で劇場公開された。また同年、インディペンデント映画『The Stanford Prison Experiment』『The Preppie Connection』にも出演した。

コメディ『プロジェクトX』(12・未)で演じた役が予想外の人気を集め、その後『そんなガキなら捨てちゃえば?』(12・未/共演:ビクトリア・ジャスティス)、『ヘンゼル&グレーテル』(13・未/共演:ジェレミー・レナー、ジェマ・アータートン)、『ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者』(13/共演:オールデン・エアエンライク、ジェレミー・アイアンズ、ビオラ・デイビス、エマ・トンプソン)などの大手スタジオ映画に立て続けに出演した。このほかの出演作に、『なんだかおかしな物語』(10・未)、『あしたの家族のつくり方』(13・未)、『Welcome to Me』(14)、『Brain on Fire』(16)などがある。

Eugene Cordero

Eugene Cordero Reles

ユージン・コルデロ(レルス)

近作に、『ゴーストバスターズ』(16)、『ウェディング・フィーバー ゲスな男女のハワイ旅行』(16・未)がある。これ以前には、2013年度サンダンス映画祭でプレミア上映後、数々の映画祭で上映されたのち、劇場公開されたジョーダン・ボート=ロバーツの長編映画初監督作品『The Kings of Summer』(13/共演:アリソン・ブリー、ニック・オファーマン)に出演した。

近作のTV番組には、「Key and Peele」(12~15)の3話(12~14)、「Drunk History」(13~)の1話(14)、「House of Lies」(14~16)の4話(14)、「クレイジー・エックス・ガールフレンド」(15~)の4話(15~17)、「Parks and Recreation」(09~15)の2話(15)、「The Good Place」(16~)の2話(16~17)などがある。また、NBC放送のクイズショーとコメディを合わせたパイロット番組「Crunch Time」(16/共演:クレイグ・ファーガソン)へのレギュラー出演が決定した。

また、ポール・フェイグ企画のYahooスクリーン配信のシリーズ「Other Space」(15)にレギュラー出演した。

さらに、即興コメディ集団、アップライト・シチズンズ・ブリゲイド(UCB)の熟達したパフォーマーである。

Terry Notary Kong Mo Cap Services

テリー・ノタリー(キングコング・モーションキャプチャー担当)

俳優/監督/クリーチャー・パフォーマー/アニマル・ムーブメント・スペシャリスト/振付師/スタント・コーディネーター。これまでに、スティーブン・スピルバーグ、ジェイムズ・キャメロン、ピーター・ジャクソン、ロン・ハワードら業界一流の監督たちと組み、仕事をしている。最新のパフォーマンス・キャプチャーを使用した数多くの映画で動作振付や演技を担当している。

待機作の『War for the Planet of the Apes』で、再びチンパンジーのロケットを演じる。これまでに、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(11)と『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(14)でロケット役を演じた。また、これら2作品と2001年の『PLANET OF THE APES 猿の惑星』で動作振付師とスタント・コーディネーターを務めた。さらに待機作に、アンディ・サーキス監督の『Jungle Book』がある。同作では振付と第二班監督を務めた。

これまでに、動作振付師、モーション・キャプチャー・パフォーマーとして携わった作品に、『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(07)、『インクレディブル・ハルク』(08)、『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』(11)、『ウォークラフト』(16)などがある。このほか、動作振付を担当した作品に、『グリンチ』(00)、『スーパーマン リターンズ』(06)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)、「ホビット」三部作(12,13,14)、『ファンタスティック・フォー』(15)、『スーサイド・スクワッド』『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(共に16)などがある。

大学時代には、NCAA全米代表選手に4度選ばれ、UCLA体操チームのキャプテンを務めた。演劇の学位を取得して卒業後、シルク・ド・ソレイユに入り、世界各国から集まった15名のパフォーマーとともに一流のサーカス団を結成し、アクロバティックショー「ミスティア」を創作した。5年間にわたり、この高い評価を受けているショーでメイン曲芸師とキャラクター・パフォーマーを務めた。また、シーソー、チャイニーズ・ポール、トランポリンでのメイン曲芸師、太鼓の奏者も務めた。映画の仕事に携わっていないときは、世界各地の上級クラスのムーブメント・ワークショップで指導している。現在、長編映画の初監督計画を進めている。

MIYAVI Gunpei Ikari

MIYAVI(グンペイ・イカリ)

1981年生まれ、大阪府出身。ソロアーティスト、ギタリスト。エレキギターを、ピックを使わずにすべて指で弾くという独自の“スラップ奏法”で世界中から注目を集め、これまでに約30カ国でライブを成功させた。2013年に世界デビューアルバム「MIYAVI」をリリースし、ワールドツアーでも人気を博す。また数多くのCMに音楽を提供するなど活動を広げ、アンジェリーナ・ジョリー監督の『不屈の男 アンブロークン』(14)で俳優としてハリウッドデビューを果たす。今年4月に公開になる木村拓哉主演の『無限の住人』では主題歌を書きおろすなど、常に世界に向けて挑戦を続ける“サムライ・ギタリスト”であり、ワールドワイドに活躍する今後最も期待のおける日本人アーティストの一人である。

monster

King Kong

King Kong

キングコング

・体長:31.6メートル ・体重:158トン ・頭長:5.7メートル ・手の平:4.8メートル
・足の裏:6.7メートル ・太ももの円周:10.9メートル ・歯の数:32 ・犬歯の長さ:1.3メートル
・行動:守護神

髑髏島の特異な生態系を守る守護神。ある者にとっては悪魔であり、ある者にとっては、神となる。髑髏島の王として、自分の両親を殺した巨大生物との人生を賭けた戦い、その真っただ中にいる成長期の若者でもある。

キングコングは、米アカデミー賞受賞歴をもつ上級視覚効果スーパーバイザーのスティーブン・ローゼンバウム(『アバター』『フォレスト・ガンプ/一期一会』)と同賞ノミネート経験をもつ視覚効果スーパーバイザーのジェフ・ホワイト(『アベンジャーズ』)が率いる、有名な効果会社ILM(インダストリアル・ライト&マジック)のチームによって、まったく新しいスケールの命を与えられている。

Skull Island

Skull Island

髑髏島(ドクロトウ)

髑髏島は永久暴風圏に閉ざされ、ナビに感知されず、1000年以上知られることのなかった神秘の島。神話と科学が衝突し、まったく新しい進化を遂げた場所。その特異な生態系は、夢のような美しさと悪夢のような怪獣たちを作り出した。

撮影は、ハワイ・オアフ島、オーストラリア・ゴールドコースト、そしてベトナムという、3大陸にまたがる6カ月以上に及んだ。ベトナムでは、これまで撮影されたことのない地域も含め、映画としては初めての大規模で広範囲な撮影が敢行された。

Skull Crawler

Skull Crawler

スカル・クローラー

・体長:3.65~28.95メートル ・体重:40~100トン

2本の力強い腕と恐ろしい頭蓋骨のような顔をもつ、巨大ヘビに似た巨大生物。巨大生物の第一号で、島の大地の下に隠れて待ち伏せている。獲物を丸呑みする獰猛なハンターで、コングの祖先を殺した宿敵でもある。

Bamboo Spider

Bamboo Spider

バンブー・スパイダー

・体長:5~7メートル

髑髏島のミステリアスなバンブー・フォレスト(竹林)に生息する巨大グモ。密集した竹林の中に完璧に溶け込み、木々の梢と同じ高さでそびえ立ち、鉄のように強く粘り気のあるクモの巣に獲物を誘い込み仕留める。

Sker Buffalo

Sker Buffalo

スケル・バッファロー

体長:13メートル・角の長さ:19メートル
・体重:22トン

髑髏島に住む巨大生物の中では、比較的おとなしく、優しい存在。一度に数日間、水面下で生きることができる。完璧に周囲ととけ込むため、背中の表面がサンゴ状になっている。

River Devil

リバー・デビル

・体長:27メートル

穏やかに見える入り江の底に隠れている恐ろしい海のモンスター。イカとタコを合わせた容姿は、北欧伝説の生物クラーケンを思わせる。複数の長い足には吸盤があり、水面下で狩りをしながら、顎を遠心分離機のように回転させて渦巻きを作り、大きな口で獲物を飲み込む。

Spore Mantis

スポア・マンティス

・体長:15メートル

成長したレッドウッドの高さに合わせて、15メートルまで成長する進化系ナナフシ。樹皮のような身体の肢の筋肉は強く、大地を驚くほどのスピードで走ることができる。鋭い歯と骨をも砕く顎をもつ巨大な寄生虫を宿している。

Psycho Vulture

サイコ・バルチャー

・翼長:2~3メートル

コウモリに似た捕食生物で、地球上で初めて精神病質の兆候を現した。精神を高揚させる髑髏島の水辺に自生する有毒なフグを食べることで、攻撃性をさらに増幅させる。遭遇したあらゆる生命体を破壊し混乱させる攻撃性は、時に自分の種を殺すこともある。

Staff

Jordan Vogt-Roberts

Jordan Vogt-Roberts Director

ジョーダン・ボート=ロバーツ(監督)

デトロイト出身の映画/TV監督。

監督作『The Kings of Summer』(13)で長編映画デビューを飾った。この作品は、2013年度サンダンス映画祭のコンペティション部門でプレミア上映されて高評価を受けた。

翌14年、Netflixのニック・オファーマンのコンサート映画『Nick Offerman: American Ham』のプロデューサー/監督としてサンダンス映画祭に再び参加し、同作のワールドプレミア上映を迎えた。

『The Kings of Summer』の成功以前には、短編映画『Successful Alcoholics』(10/出演:リジー・キャプラン、ニック・クロール、トニー・ヘイル)の監督を務めた。この作品は10年にサンダンス映画祭を皮切りに、サウス・バイ・サウスウエストやアメリカ映画協会(AFI)など世界中の30を超える映画祭で上映された。

TVとウェブでは、コメディセントラルのビジュアル志向のTVシリーズ「Mash Up」(12)でクリエイターと監督を担当。また、スティーブン・フォークがクリエイターを務め、現在FXネットワークのオリジナルヒットシリーズとして4シーズン目に入る「You're the Worst」(14~)のパイロットエピソードを含める4話(14)を監督した。

また、リドリー・スコットの製作会社RSAフィルムズ向けにウェブコンテンツやコマーシャルコンテンツを創作している。RSA社では賞受賞作品の監督も務め、数百万の視聴回数を獲得している。そのなかには、クレア・デインズが出演したアウディのキャンペーンや、自分のM47パットン戦車で車をつぶすアーノルド・シュワルツェネッガー出演の公共広告などがある。シュワルツェネッガーのビデオは1日の再生回数が1000万回を超え、100万ドル以上のチャリティ金額をあげた。コメディアンのトーマス・ミドルディッチ、クメイル・ナンジアニ、ハンニバル・バレス、ピート・ホルムズらと組んだ初期のウェブコンテンツは、現在のオンラインコンテンツの創作や配信モデルの基礎を築く助けとなった。

現在、TVゲーム版「Metal Gear Solid」の監督に取り組んでいる。また、空いた時間には、デトロイトの公立学校で即興演技の仕方を無料で教える非営利団体デトロイト・クリエイティビティ・プロジェクトの活動を手伝っている。

Dan Gilroy Screenplay

ダン・ギルロイ(脚本)

2014年、ジェイク・ギレンホール、自身の妻レネ・ルッソ出演の『ナイトクローラー』で、長編映画監督デビューを飾った。同作の脚本も担当し、米アカデミー賞最優秀脚本賞にノミネートされた。

現在、脚本/監督を務める『Inner City』のプリプロダクションに入っている。デンゼル・ワシントン主演の同作は、クロス・クリーク・ピクチャーズとエスケイプ・アーティスツが製作を担当する。

これ以前に、ターセム・シン監督の『落下の王国』(06)、『リアル・スティール』(11)の脚本を担当。さらに、監督も務めた双子の兄弟のトニー・ギルロイとともに、『ボーン・レガシー』(12)の脚本を手がけた。

Max Borenstein Screenplay

マックス・ボレンスタイン(脚本)

2014年のアクション・アドベンチャー大作『GODZILLA ゴジラ』の脚本を担当。ギャレス・エドワーズがメガホンを取り、ブライアン・クランストン、アーロン・テイラー=ジョンソンが出演したこの作品は、大成功を収めた。

TVでは、スティーブン・スピルバーグのアンブリン・テレビジョンが製作を担当し、02年の映画を基にTVシリーズ化した「マイノリティ・リポート」(15)の脚本と製作総指揮を担当した。映画の続編として物語が展開する同シリーズは、15年にFOXで放送された。

イェール大学4年生のとき、自身初の長編映画『Swordswallowers and Thin Men』(03)の脚本/編集/監督を担当した。ゾーイ・カザン出演のこのコメディドラマは、ニューヨーク・インディペンデント映画祭で最優秀作品賞と最優秀脚本賞を受賞し、「ロサンゼルス・タイム」紙の03年の最優秀初監督作品に選ばれた。

また、ケネス・ファインバーグの同名の回顧録に基づく脚本「What is Life Worth?」、ギタリストのジミ・ヘンドリックスの生涯を描いた脚本「Jimi」は、優秀脚本としてザ・ブラックリストに選ばれた。

現在、企画開発中の多くのプロジェクトを抱えている。

Derek Connolly Screenplay

デレク・コノリー(脚本)

2015年のアクション・アドベンチャー『ジュラシック・ワールド』(監督:コリン・トレボロウ、出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード)の脚本を担当した。これ以前に、トレボロウ監督とはインディペンデント系コメディ『彼女はパートタイムトラベラー』(12・未)でコラボレートした。デュプラス兄弟が製作総指揮を務めるこの作品で、トレボロウが監督、自身は脚本を担当し、さらにふたりで製作も務めた。同作は12年度サンダンス映画祭でプレミア上映されたのち、劇場公開された。また、同映画祭ではウォルド・ソルト最優秀脚本賞を受賞。さらにインディペンデント・スピリット賞の最優秀新人脚本賞を受賞し、最優秀新人監督作品賞にノミネートされた。

現在、J・A・バヨナがメガホンを取り、プラットとハワードが再び出演する『ジュラシック・ワールド』のタイトル未定の続編に取りかかっている。

このほか、脚本を手がけた作品に、トレボロウ監督と初コラボレートしたTVパイロット番組「Gary: Under Crisis」(05)、アクション・アドベンチャー『Monster Trucks』(16)などがある。

さらに、大きな期待が寄せられている大ヒットシリーズの新たな章『Star Wars: Episode IX』で再びトレボロウ監督とタッグを組む。また、アンブリン・エンターテインメント製作のSFサスペンス『Intelligent Life』や、さまざまな映画スタジオや製作会社のプロジェクトを企画開発中である。

フロリダ州マイアミ出身。ニューヨーク大学映画学科で学んだ。

John Gatins Story

ジョン・ゲイティンズ(ストーリー)

2013年、ロバート・ゼメキス監督、デンゼル・ワシントン主演のヒットドラマ『フライト』(12)で、米アカデミー賞最優秀脚本賞にノミネートされた。また、この作品で放送映画批評家協会賞と全米脚本家組合賞の最優秀脚本賞にもノミネートされた。

17年3月全米公開予定の『Power Rangers』の脚本を担当。ほかに脚本を担当した近作には、キングピン役で出演もしたアクションドラマ『リアル・スティール』(11/監督:ショーン・レビ、出演:ヒュー・ジャックマン)、製作も担当したアクション『ニード・フォー・スピード』(14)がある。

05年、ファミリードラマ『夢駆ける馬ドリーマー』で監督デビューを飾った。脚本も担当したこの作品には、カート・ラッセル、ダコタ・ファニング、エリザベス・シュー、クリス・クリストファーソンが出演した。

生粋のニューヨーカー。ポキプシー近郊のハドソンバレーで育ち、バッサー大学で学んだ。卒業後、俳優の道を歩むためにロサンゼルスへ移った。程なくしてインディペンデント系ホラー作品の続編『悪魔のドアの向う側』(93・未)と『Leprechaun 3』(95)で主要な役を摑んだ。

94年、ニューヨーク・ステージ&フィルムの夏の演劇プログラムに参加するために、ニューヨークへ帰郷した。シーズン中の公演と講習を終えたのち、ロサンゼルスへ戻り、脚本「Smells Like Teen Suicide」を書きあげた。この脚本を大手スタジオに売却した結果、脚本の仕事が増え、さらに他のスタジオのスクリプトドクターの仕事も舞い込んだ。

01年、共同製作も担当した『サマーリーグ』(未)で、脚本家として初クレジットされた。このほか、脚本を担当したキャリア初期の作品に、スラム街の少年野球チームを描く『陽だまりのグラウンド』(01/出演:キアヌ・リーブス、ダイアン・レイン)、サミュエル・L・ジャクソン主演の実話ドラマ『コーチ・カーター』(05)などがある。

Thomas Tull Producer

トーマス・タル(製作)

映画/TV/デジタル/出版部門をもつ大手メディア企業レジェンダリー・ピクチャーズの会長兼CEO。また、ライフサイエンス、メディア、テクノロジー領域にわたる事業への投資/戦略に力を注ぐタル・インベストメント・グループ(TIG)の創設者であり、現在は統括をおこなっている。その指揮のもと、レジェンダリー社が関連した作品の世界収益は、130億ドルを超えている。2016年1月、同社は大連万達グループに買収され、世界最高額の収益を上げる企業が結成された。

TIGは、生活の変化や向上に尽力する創業段階/中期段階の企業に資金提供をおこなう。これまでに、マジック・リープ、ピンタレスト、ヒール、ブレンド・システムズ、サイファー・ブリーフ、ズークス、オキュラス・リフトへ初期段階の資金提供をおこなっている。特にオキュラス・リフトは、Facebookに事業を売却し、多額の利益をもたらした。またTIGは、初期段階のアイデアを引き出し、そのアイデアを大規模なパートナーシップに導いたり、莫大な価値の取引ができるビジネスに成長させるために、創設者の実績に対して資金を融資し、リーダーシップを取っている。

これまでのキャリアにおいて、製作や製作総指揮を務めた映画は30作品を超え、その世界興収は合計で130億ドルを上回っている。製作総指揮を務めた近作に、『ストレイト・アウタ・コンプトン』(15)、世界中で記録を塗り替えた『ジュラシック・ワールド』(15)などがある。このほか携わった作品に、「ダークナイト」三部作(05,08,12)、『300<スリーハンドレッド>』(06)と続編『300<スリーハンドレッド>~帝国の進撃~』(14)、「ハングオーバー」シリーズ3作(09,11,13)、高評を受け、興行的にも成功を収めた『ザ・タウン』(10)、賞受賞アクションドラマ『インセプション』(10)、『タイタンの戦い』(10)と続編『タイタンの逆襲』(12)、『パシフィック・リム』『42 ~世界を変えた男~』(共に13)、『GODZILLA ゴジラ』(14)、『クランプス 魔物の儀式』(15・未)、『クリムゾン・ピーク』(15)などがある。また、レジェンダリー公開の近作に、中国でオールロケがおこなわれた世界配給映画としては史上最大級の作品『グレートウォール』(16)がある。

母校であるハミルトン大学とカーネギー・メロン大学の理事を務めている。また、アメリカ野球殿堂博物館、サンディエゴ動物園、スミソニアン協会の役員も務めている。さらに、スーパーボウルで6度の優勝を果たした“ピッツバーグ・スティーラーズ”のオーナーグループの一員で、役員でもある。

Mary Parent Producer

メアリー・ペアレント(製作)

レジェンダリー・エンターテインメントの国際製作部門の副会長。映画、TV、デジタルメディア、モバイルメディア、そして新たなメディアのあらゆる面を統括している。

以前は、『レヴェナント:蘇えりし者』(15)を製作したディスラプション・エンターテインメントの創設者兼CEOであった。この作品で、自身は米アカデミー賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞と英アカデミー(BAFTA)賞を受賞した。高い評価を得た同作は、米アカデミー賞に12部門でノミネートされ、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、最優秀撮影賞を受賞した。さらに、『パシフィック・リム』(13)、『GODZILLA ゴジラ』『ノア 約束の舟』(共に14)、『スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!』(15)の製作を担当。これらすべての作品は、高い評価を受け、興行的にも成功を収め、世界興収は合計で20億ドルを上回った。

これより前には、ユニバーサル・ピクチャーズの国際製作部門副会長や、MGMの会長を務めていた。

Jon Jashni Producer

ジョン・ジャシュニ(製作)

自身の投資ファンド、レインツリー・ベンチャーズを通して活動するメディア投資家/コンテンツ・プロデューサー。また、モルガン・スタンレー、エボリューション・メディア・パートナー(TPGキャピタルとクリエイティブ・アーティスツ・エージェンシーの合弁会社)、ボンファイア・ゲーム・スタジオズ、マス・アピール、ジョーントVRに対して戦略アドバイザーを務めている。

以前は、レジェンダリー・エンターテインメントの社長兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーであった。在籍時、ジャッキー・ロビンソンの伝記『42 ~世界を変えた男~』(13)、『パシフィック・リム』(13)、『GODZILLA ゴジラ』(14)、『クランプス 魔物の儀式』(15・未)、『クリムゾン・ピーク』(15)、『ウォークラフト』(16)などの映画の企画開発と製作の統括をおこなった。2006年1月に入社して以来、10年間にわたり、レジェンダリー社を映画の資金調達組織からマルチプラットフォーム・メディア企業へと展開させるための業務に一貫して携わっていた。

レジェンダリー社に籍を置く以前は、20世紀FOX、ディズニー、MGMと全面的に取引をおこなう映画製作/資金調達会社ハイド・パーク・エンターテインメントの社長であった。在籍時は、『ワイルドタウン/英雄伝説』(04)、『Shopgirl/恋の商品価値』(05・未)、『夢駆ける馬ドリーマー』(05)、『シャッフル』(07)などの開発、製作を統括していた。

ハイド・パーク社に入社する以前は、ロマンチックコメディのヒット作『メラニーは行く!』(02/主演:リース・ウィザースプーン)の製作を担当した。また、20世紀FOXの上級製作エグゼクティブとして、シンデレラのおとぎ話を基にした大ヒット作『エバー・アフター』(98/出演:ドリュー・バリモア、アンジェリカ・ヒューストン)の製作を統括した。

また、共同製作として携わった2作品が、米アカデミー賞で合計3つのノミネーションを受けている。ひとつは、批評家から絶賛されたドラマ『ザ・ハリケーン』(99)でデンゼル・ワシントンが最優秀主演男優賞にノミネートされた。もうひとつは、ミュージカル形式ではない再解釈版『アンナと王様』(99/ジョディ・フォスター主演)で、同作は2つのノミネートを獲得した。

初期には、ワーナー・ブラザースに拠点を置くジャイアント・ピクチャーズで、業界に大きな影響力をもつアービング・エイゾフとパートナーシップを組んでいた。ふたりで『ファンキー・サマー・ビーチ』(94・未)、『ジャック・フロスト』(98・未)、前述『ザ・ハリケーン』を製作した。これ以前には、コロンビア・ピクチャーズで製作部門エグゼクティブとして『ドラキュラ』(92)、『恋はデジャ・ブ』(93)などの作品の企画開発/製作に携わった。ダニエル・メルニックのインディプロッド・カンパニーでキャリアをスタートさせ、『愛しのロクサーヌ』(87)、『パンチライン』(88・未)、『エア★アメリカ』『愛と野望のナイル』(共に90)などの製作に携わった。

全米映画協会の理事を務める。また、映画芸術科学アカデミーと全米製作者組合のメンバーである。南カリフォルニア大学で理学士号、およびUCLAアンダーソン経営大学院でMBAを取得。

Alex Garcia Producer

アレックス・ガルシア(製作)

レジェンダリー・ピクチャーズのクリエイティブ業務部上級副部長。レジェンダリー社の2014年ンの夏の大ヒット作『GODZILLA ゴジラ』(監督:ギャレス・エドワーズ)をプロジェクト開始時から統括し、製作総指揮を務めた。

09年にレジェンダリー社に入社して以来、『300<スリーハンドレッド>~帝国の進撃~』(14)など作品の企画開発や、クリスマスのホラー・コメディ・ヒット作『クランプス 魔物の儀式』(15・未)などの製作に携わってきた。現在、『GODZILLA ゴジラ』の続編で、19年公開予定の『Godzilla: King of the Monsters』(監督:マイケル・ドハティ)の準備に取りかかっている。

レジェンダリー社に籍を置く前は、ブライアン・シンガー監督の製作会社、バッド・ハット・ハリー・プロダクションズを運営し、高い評価を得た第二次世界大戦を舞台にしたサスペンス『ワルキューレ』(08/出演:トム・クルーズ)などでシンガー監督とタッグを組んだ。

また、エグゼクティブとして、NBCユニバーサルが製作し、FOX放送で放映された大ヒットTVシリーズ「Dr. HOUSE ―ドクター・ハウス―」(04~12)の最初の3シーズン(04~07)の製作を担当した。さらに共同製作総指揮として、05年の米Syfyチャンネルのヒット・ミニシリーズ「バミューダ・トライアングル」の南アフリカでのロケの製作を統括。07年のカルトホラー『ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート』(未)でも製作総指揮を担当した。

南カリフォルニア大学映画芸術学部卒業。

Eric McLeod Executive Producer

エリック・マクレオド(製作総指揮)

30年を超えるキャリアをもつプロデューサー。数多くの作品の企画開発や製作に携わり、経験を積んできた。海外ロケがおこなわれ、複雑な仕事になった作品も多々ある。

「オースティン・パワーズ」シリーズでは、『オースティン・パワーズ』(97)で製作総指揮を務め、『オースティン・パワーズ:デラックス』(99)と『オースティン・パワーズ

ゴールドメンバー』(02)では製作を担当した。さらに成功を収めたシリーズ作品では、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(03)の続編で、ゴア・バービンスキー監督の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(06)と『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(07)の製作総指揮を担当した。

2005年、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー主演の『Mr.& Mrs.スミス』を製作。08年、ベン・スティラー監督/主演の『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(出演:ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr.)を製作。この作品は、大ヒットを記録し、多くの賞も受賞した。10年、高い評価を受けたトニー・スコット監督の『アンストッパブル』(出演:デンゼル・ワシントン、クリス・パイン)の製作を担当した。さらに、ジョニー・デップ、アーミー・ハマー出演の『ローン・レンジャー』(13)では、製作総指揮を務めた。

このほか、携わった作品に、『ドラッグストア・カウボーイ』(89)、『クライ・ベイビー』(90)、『カウガール・ブルース』(93)、『コリーナ、コリーナ』(94)、『Dearフレンズ』(95)、『フィーリング・ミネソタ』(96)、『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』(97)、『エネミー・オブ・アメリカ』(98)、『マンハッタンで抱きしめて』(98・未)、『ザ・セル』(00)、『ショウタイム』(02)、『ハットしてキャット』(03・未)、『デュークス・オブ・ハザード』(05・未)、『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(10)、『47 RONIN』(13)、『ブラックハット』(15)などがある。

現在、製作総指揮として『Pacific Rim: Uprising』(出演:ジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド)に取り組んでいる。

Tom Peitzman Co-Producer/Visual Effects Producer

トム・ピッツマン(共同製作/視覚効果プロデューサー)

これまでに、数々の優れた作品に携わってきた。共同製作と視覚効果プロデューサーを務めた作品に、『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(01/出演:マーク・ウォールバーグ)、『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』(04/出演:ジム・キャリー、メリル・ストリープ)、『M:i:Ⅲ』(06/監督:J・J・エイブラムス、出演:トム・クルーズ)、『スパイダーウィックの謎』(08)、『ウォッチメン』(09)、『アリス・イン・ワンダーランド』(10/監督:ティム・バートン)、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11/監督:ブラッド・バード、出演:トム・クルーズ)、『トゥモローランド』(15/監督:ブラッド・バード、出演:ジョージ・クルーニー)などがある。また、『ハルク』(03/出演:エリック・バナ、ジェニファー・コネリー)では、米アカデミー賞受賞歴をもつアン・リー監督と緊密にタッグを組み、視覚効果プロデューサーとして実写とCGアニメを少しの違和感もなく融合させるという重要でクリエイティブな作業を担った。

映画学校を卒業した直後の1987年に、キャリアをスタートさせた。製作助手として働き始め、『大混乱』(88)、『3人の逃亡者』『ハーレム・ナイト』『いまを生きる』(いずれも89)、『ファイロファックス/トラブル手帳で大逆転』(90・未)などに携わりながら、瞬く間に昇進した。製作コーディネーターとして携わった『ジャイアント・ベビー』(92)で、初めて視覚効果の世界に導かれた。

その後、『フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白』(92)、『メジャーリーグ2』『ターミナル・ベロシティ』(共に94)で監督助手を務めるなかで、映画製作に関する貴重な知識を得ながら、幅広い経験を積んだ。これに続き、『コンゴ』(95)、『スポーン』『レリック』(共に97)、『GO!GO!ガジェット』(99・未)、『悪いことしましョ!』(00)などで視覚効果を手がけた。

Larry Fong Director of Photography

ラリー・フォン(撮影)

ザック・スナイダー監督の大ヒット作『300<スリーハンドレッド>』(06)、高い評価を受けたコミック本の映画版『ウォッチメン』(09)、アクション・ファンタジー『エンジェル ウォーズ』(11)、そして世界的大ヒット作『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(16)の4作品で撮影を担当。ふたりはパサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインの映画学校で知り合って以来、さまざまな音楽ビデオやTVコマーシャルをともに手がけてきた。

ヒットTVドラマ「LOST」(04~10)のクリエイターであるJ・J・エイブラムスがメガホンを取ったパイロットエピソードで撮影を担当し、2005年の全米撮影監督協会賞にノミネートされた。また、エイブラムス監督の『SUPER 8/スーパーエイト』(11)でも撮影を手がけている。現在は、シェーン・ブラック監督の『The Predator』の撮影に入っている。

そのカメラワークで、ゴールデンライオン賞、クリオ賞、ベルディング賞など、数多くの広告賞を受賞している。さらに、撮影を手がけた3つの音楽ビデオが、MTVアワード年間最優秀ビデオ賞を受賞。

経験豊かなマジシャンでもあり、アカデミー・オブ・マジカル・アーツのメンバーでもある。

Stefan Dechant Production Designer

ステファン・デシャント(美術)

スティーブン・スピルバーグ、ジェイムズ・キャメロン、ロバート・ゼメキス、ティム・バートン、ザック・スナイダー、サム・メンデス、コーエン兄弟、サム・ライミ、M・ナイト・シャマラン、スパイク・ジョーンズといった優れた監督たちのクリエイティブなビジョンを実現してきた。美術を担当する待機作は、『Pacific Rim: Uprising』。

キャメロン監督の『アバター』(09)、バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』(10)、スナイダー監督の『エンジェル ウォーズ』(11)、サム・ライミ監督の『オズ はじまりの戦い』(13)ではアート・ディレクター監修を務めた。

ゼメキス監督作品では、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)でプロダクション・イラストレーターを務め、『コンタクト』(97)では4次元デザインの顧問として参加し、『キャスト・アウェイ』『ホワット・ライズ・ビニース』(共に00)ではアート・ディレクターを務めた。

また、メンデス監督の『ジャーヘッド』(05)、シャマラン監督の『レディ・イン・ザ・ウォーター』(06)、イーサン&ジョエル・コーエン監督の『トゥルー・グリット』(10)ではアート・ディレクターを、さらに、スティーブン・スピルバーグ監督の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(97)と『リンカーン』(12)にはイラストレーターとして参加し、同じくスピルバーグ監督の『マイノリティ・リポート』(02)ではコンセプト・アーティストを務めた。スパイク・ジョーンズ監督の『かいじゅうたちのいるところ』(09)にはイラストレーターとして参加した。

多数の賞を受賞してきた。前述の『アバター』では美術班とともに米美術監督組合賞の美術部門最優秀賞を分かち合った。前述の『ジャーヘッド』『かいじゅうたちのいるところ』『トゥルー・グリット』『アリス・イン・ワンダーランド』『リンカーン』でも同賞にノミネートされている。

Richard Pearson Editor

リチャード・ピアソン(編集)

ポール・グリーングラスが脚本/監督を担当した歴史的事件をリアルに描く『ユナイテッド93』(06)の編集で、米アカデミー賞にノミネートされ、英アカデミー(BATFA)賞をクレア・ダグラス、クリストファー・ラウスとともに受賞した。また、米映画編集者組合エディ賞にもノミネートされた。

近作は、『デンジャラス・ラン』(12)、『マレフィセント』『ドラキュラZERO』(共に14)、『ザ・コンサルタント』(16/主演:ベン・アフレック)など。

これまでに、フランク・オズ監督の『ビッグムービー』(99・未)と『スコア』(01)、バリー・ソネンフェルド監督の『メン・イン・ブラック2』(02)、ピーター・バーグ監督の『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』(03)、グリーングラス監督のアクション・ヒット作『ボーン・スプレマシー』(04)、画期的なブロードウェイ・ミュージカルをクリス・コロンバス監督が映画化した『RENT/レント』(05)、ウィル・フェレル主演のコメディ『俺たちフィギュアスケーター』(07)、アクションコメディ『ゲット スマート』(08)、マーク・フォースター監督の大ヒット作『007/慰めの報酬』(08)、ジョン・ファブロウ監督の大ヒット作『アイアンマン2』(10)など、幅広いジャンルの作品で編集を手がけている。

また、HBOのミニシリーズ「フロム・ジ・アース [人類、月に立つ]」(98)での編集に対して、エミー賞とエディ賞にノミネートされた。数々の賞に輝いた同シリーズではタイトルデザインも手がけている。

Mary Vogt Costume Designer

メアリー・ボート(衣装)

シリーズ初作『メン・イン・ブラック』(97/監督:バリー・ソネンフェルド、出演:ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーンズ)でデザインした黒いスーツが、同シリーズ全3作品(97,02,12)を象徴する有名な衣装となった。近作は、『リベンジ・マッチ』(13/出演:シルベスター・スタローン、ロバート・デ・ニーロ、キム・ベイシンガー)、『約束の馬』(15・未/監督:ヴィドゥ・ヴィノード・チョプラ)など。

それ以前には、『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(07)、ジェイ・ローチ監督のTV映画「リカウント」(08)と『Dinner with Schmucks』(10)、『ジャックはしゃべれま1,000(せん)』(12・未/主演:エディ・マーフィ)といった作品を担当している。ほかに、『GO!GO!ガジェット』(99・未)、『夢見る頃を過ぎても』(02・未)、『マスク2』(05)、『RV』(06・未)などがある。

ティム・バートン監督の『バットマン リターンズ』(92)で共同衣装デザイナーを務めてサイエンス・フィクション・アカデミーのサターン賞にノミネートされ、『ホーカス ポーカス』(93)の衣装デザインで、同賞を受賞した。

多くのTV作品の衣装も担当している。近作には、FX放送シリーズ「ウエイワード・パインズ 出口のない街」(15~16)の10話(15)、HBO放送の「THE BRINK/史上最低の作戦」(15)、NBC放送のイベント番組「Hairspray Live!」(16)などがある。ほかに、「ナイト・ストーカー」(05~06)のパイロットエピソード(05)、自身がエミー賞にノミネートされたABC放送シリーズ「プッシング・デイジー ~恋するパイメーカー~」(07~09)の1話(07)など。

また、舞台でも活躍している。2005年、パサデナ・プレイハウスで上演され、ロサンゼルス演劇批評家賞にノミネートされた「私生活」の衣装を担当した。

ニューヨーク州ロングビーチ出身。ニューヨーク州立ファッション工科大学卒業。マンハッタンにある有名なデパートのひとつ、ロード・アンド・テイラーでファッション・イラストレーターを務め、プロとしての第一歩を踏み出した。その後、パサデナ・アートセンター・カレッジ・オブ・デザインで学ぶため、カリフォルニア州に移り、ハリウッドでスケッチ・アーティストとしてスタートを切った。映画の衣装デザイナーになるというゴールを目指し、多くの衣装制作現場で仕事をしたのち、数名の一流デザイナーの助手に昇格した。

Stephen Rosenbaum Senior Visual Effects Supervisor

スティーブン・ローゼンバウム(視覚効果シニアスーパーバイザー)

25年以上にわたり、数多くの映画に携わってきた。そのうち6作品が米アカデミー賞を受賞している。自身も米アカデミー賞と英アカデミー(BAFTA)賞を『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)と『アバター』(09)で2度受賞。また、『アビス』(89)、『ターミネーター2』(91)、『永遠(とわ)に美しく…』(92)、『ジュラシック・パーク』(93)、『コンタクト』(97)、『パーフェクト ストーム』(00)、『X-MEN2』(03)といった先駆的な作品で重要な役割を担ってきた。

1989年、ルーカスフィルムのインダストリアル・ライト&マジック(ILM)の視覚効果部門でキャリアをスタートさせた。前述『アビス』で、ジェイムズ・キャメロン監督から仮足水生生物の制作を依頼され、仲間たちとCGキャラクターを作成する初めてのチャンスを得た。キャメロン監督は続いて前述『ターミネーター2』でも『アビス』のグループに依頼し、グループはアーティストを増員し人間キャラクターをデジタル操作するという初めての試みを達成した。さらに、ILMのアーティストたちは、前述『ジュラシック・パーク』に登場する恐竜に命を吹き込むチャンスを得て大きく成長し続けた。

次に、前述『フォレスト・ガンプ/一期一会』において、実際の大統領たちの演説や会話を別の言葉に置き換えたり、空想の羽をアニメーションで描いたり、ダン・テイラー中尉の脚を取り除いたりする作業の監修をおこなった。これらの映画は、伝統的なフィルム加工を施す視覚効果に急速な変化をもたらし、視覚効果と映画製作の方法論における考え方を刷新する手助けをした。

数年間、ウェタ・デジタルでさまざまな作品に携わったのち、07年にキャメロン監督の前述『アバター』の仕事に取り掛かった。2年間、パフォーマンス・キャプチャーの間はロサンゼルスでキャメロン監督と仕事をし、実写撮影の間はニュージーランドで仕事をした。『アバター』製作の3年目に入ってからは、ニュージーランドに戻り、CGを完成させるために尽力した。

10年、キャラクター・アニメーション開発グループを立ち上げるため、デジタル・ドメインに雇われた。業界最高のCGアーティストと技術者数名を引きつれ、近代的なアプローチを構築し、肉体的にも行動的にもリアルなデジタル人間とクリーチャーを制作した。

14年、マイケル・ジャクソンの死後に、ビルボード・ミュージック・アワードで過去にリリースされていない曲をパフォーマンスするバーチャル・マイケル・ジャクソンの制作を監修した。

Jeff White Visual Effects Supervisor

ジェフ・ホワイト(視覚効果スーパーバイザー)

2002年、クリーチャー・テクニカル・ディレクターとして、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)に参加した。イサカ・カレッジの映画/写真学科を卒業し、サバンナ芸術工科大学で美術修士号を取得した。大学院に入る以前、オレゴン州ポートランドにあるストップモーションの会社ライカ・スタジオでテクニカル・ディレクターとして仕事をした。

ILMが担当した『ブロック・パーティー』(05)のクリーチャーの仕掛け装置を共同で制作。これは、キャラクターの複雑な仕掛けで時間のかかる作業を自動化する装置である。

「トランスフォーマー」シリーズを担当するチームの礎を作り、1作目の『トランスフォーマー』(07)でデジタル・プロダクションを監修し、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)では視覚効果アソシエイト・スーパーバイザー、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(11)では視覚効果共同スーパーバイザーを務め、このシリーズでの仕事を続けた。

12年、大ヒット作『アベンジャーズ』でILMの視覚効果スーパーバイザーを務め、米アカデミー賞と英アカデミー(BAFTA)賞にノミネートされた。また、16年6月に全米公開された『ウォークラフト』でも、ILMの視覚効果スーパーバイザーを務めている。

Henry Jackman Composer

ヘンリー・ジャックマン(音楽)

クラシック音楽の素養と、成功を収めるレコードプロデューサーとしての実績、そしてエレクトロ・ミュージックのクリエイターとしての経験を融合させ、トップクラスの作曲家のひとりとして着実に地位を築いてきた。多彩な音楽の才能により、ポール・グリーングラス監督の『キャプテン・フィリップス』(13)では緊張感みなぎる楽曲を制作して自身が英アカデミー(BAFTA)賞にノミネートされ、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)と『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14)のようなコミック本を基にしたヒット作ではスーパーヒーローたちのパワーを表現し、『キック・アス』(10)や『キングスマン』(14)でもパワフルな音楽を創作し、『くまのプーさん』『長ぐつをはいたネコ』(共に11)や『シュガー・ラッシュ』(12)や米アカデミー賞受賞作『ベイマックス』(14)では伝説のアニメキャラクターたちに音楽で命を吹き込んだ。

近作には、SFコメディ『ピクセル』(15)、世紀末後の世界を描くドラマ『フィフス・ウェイブ』(16)、大ヒット作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)、2016年度サンダンス映画祭で上映された『バース・オブ・ネイション』、そして『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(16)などがある。そのほか多種多様な作品には、アニメ『モンスターVSエイリアン』(09)や『ターボ』(13・未)、歴史ドラマ『Henri 4』(10)、ファミリー・アドベンチャー『ガリバー旅行記』(10)、クライムサスペンス『崖っぷちの男』(12)、ファンタジーホラー『リンカーン/秘密の書』(12)、そしてセス・ローゲン/ジェイムズ・フランコ共演の2作品でコメディ『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』(13・未)とセンセーションを巻き起こした『The Interview』(14)などがある。

イングランド南東部で育った。6歳で初めて交響曲を作曲し、オックスフォードでクラシック音楽を学び、セント・ポール大聖堂合唱団で歌い、同時にアンダーグラウンドの大規模な音楽イベントにもかかわり、人気のエレクトロ・ミュージックやダンス音楽のリミックス版をプロデュースし始め、シールや“アート・オブ・ノイズ”といったアーティストたちと仕事をするようになる。2006年、映画音楽の作曲家ハンス・ジマーとジョン・パウエルの目に留まり、『ダ・ヴィンチ・コード』(06)や『ダークナイト』(08)の音楽部門の一員として参加。『カンフー・パンダ』(08)ではジマーとパウエルのために、『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(06)と『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(07)でもジマーのために、それぞれ音楽部門に参加し、音楽制作を手伝った。それがきっかけとなり、すぐに一本立ちして、大ヒット作の音楽を担当するようになった。

Production Notes

モンスターバース 新たなキング、誕生

並外れた存在。種族最後の生き残り。髑髏島(どくろとう)の王。

キングコングが初めて登場したのは、80年以上も前である。キングコングは大スクリーンの中から雄叫びを上げ、私たちの世界に怒涛のように踏み込み、その途方もない怪力は私たちの意識の中に今も響き渡っている。そして今、偉大なるモンスター神話の王が復活する。

「コングは今も世界中に存在する神話や驚異のすべてを象徴しています」とジョーダン・ボート=ロバーツ監督は言う。「だからこそ、彼がいなくなるなんてありえない!」

映画史上最強の類人猿を再び描きたい。その願望から、2014年の大ヒット作『GODZILLA ゴジラ』の製作チームが再び結集した。

メアリー・ペアレント、ジョン・ジャシュニ、アレックス・ガルシアとともに『GODZILLA ゴジラ』を製作したトーマス・タルにとって、それはワクワクしながらも、怖気づくほど途方もない願望だった。「私たちは観客のために、新鮮で新しい体験を作り出したいと思いました」と製作のタルは言う。「私たち自身が大ファンなのです。アクション満載のモンスター映画の純粋な面白さと見応えを兼ね備えた、スケールが大きくて、面白くて、壮大なアドベンチャーの中で、世界中の多くの人々の心に響くこのキャラクターの本質的な要素を称える。それが私たちにとってとても重要な課題でした」

伝説であり、象徴でもあるコングは、何世代にもわたるファンたちのさまざまな思いを受け止めながら、心の琴線に訴え続けてきた。「コングの特徴はたくさんあります。体の大きさ、パワー、野獣性。でも彼にはハートがある。大きくて深い魂があるのです」と製作のメアリー・ペアレントは語る。「彼はほかの霊長類と私たち人間との懸け橋となる存在です。彼の身振りや表現は自然界の霊長類よりも人間に似ている。でもそれがほかのモンスターたちとコングを隔てている理由でもあります。彼が恐ろしい捕食動物であっても、彼を応援せずにはいられない。ある意味、彼は悪役というよりも古典劇に登場するロマンチックなヒーローなのです」

コングは大スクリーンの悪役として大きな影響力を保ちながら、自然の怒りを体現し、人間の原始の姿を映し出す権化として、共感を呼び続けている。俳優トム・ヒドルストンは言う。「僕たちは文明人である一方で、自分たちより何か大きいものがどこかにいるといまだに意識している部分もあります。コングは、そんな人間の内面の衝突を体現する存在なのです。どうやってこの巨大な生物と調和するのか? 彼は恐ろしい自然の力そのものであり、知性と感覚を兼ね備えた生物でもある。その知性は僕たちのものとは違うかもしれないけれど、それでもなお高度な知性なのです」

キングコングは、メリアン・C・クーパーとアーネスト・B・シュードサックが監督した、もう古典といっていい1933年の画期的な映画『キング・コング』に登場する謎めいたキャラクターとして、特殊効果の達人ウィリス・H・オブライエンと彫刻家マーセル・デルガドによって制作された。美女と野獣、すばらしい冒険、そして巨大なモンスターを見事に融合させたこの作品は、世界中の何百万もの映画ファンに衝撃と畏怖の念をもたらした。公開時は大恐慌の真っただ中にあったにもかかわらず満員御礼の盛況を呈し、その後何十年にもわたって繰り返し上映され、TVでも何度も放送されて、記録破りのヒット作となった。独創的な特殊効果が原動力となる大ヒットモンスター映画の金字塔として、あらゆるサイズのスクリーンで上映されるために何度も作り直され、パロディ化され、多くのスピンオフ作品が誕生した。コングはまた、ポップカルチャーに組み込まれ、ビデオゲームからヒップホップの歌詞や大学の論文に至るまであらゆる分野に活気を与え、たくさんのアクションフィギュア/模型/トイズ/ゲームが生み出されてきた。

コングがエンパイア・ステート・ビルディングの頂上から落ちていく姿は、いつの時代でももっとも有名なシーンのひとつである。だが、ファンにとって、そしてファンのひとりを自称する製作のトーマス・タルにとっては、その挑発的な始まりがその後の困難をもたらす原因となったのである。事実、タルが長年抱いてきた、21世紀の“モンスターバース”(ゴジラとキングコングが登場する怪獣映画を中心とするシェアード・ユニバース)は、コングがいなければ始まらない。そこで、製作陣は、ジョン・ゲイティンズの原案から脚本を作成するため、ダン・ギルロイ、マックス・ボレンスタイン、デレク・コノリーの3人を脚本家として招いた。製作のタルはこう言う。「コング伝説のもっとも魅力的な要素のひとつが、髑髏島です。想像しうる限りでもっともエキゾチックな、死を招く食物連鎖がある場所。コングはほかの者たちを寄せ付けず、その頂点に立つ捕食者です。その神話を、この映画で描きたかった。この映画の登場人物たちはコングを島から連れ出したりはしません。反対に、彼らのほうがコングの領地で生き延びなくてはならないのです」

本作のキャラクターたちの中でいちばん支配的なプレストン・パッカード大佐を演じるサミュエル・L・ジャクソンも、そのアイデアを称賛する。「僕たちは、コングにふさわしい壮大な環境の中で彼を見たいと思いました」とこの伝説の俳優は語る。「彼がジャングルで生きていることは知っている。でもそのジャングルにはほかに何があるのか? 何が彼を存在させているのか? ほかにもいるのか、それとも彼だけが特異なのか? そして我々は、コングがその島の何かほかのものによって全滅させられた種族の生き残りだったことを知ります。そして今、彼は守護者となり、この島の生態系に目を光らせているのです」

『キングコング:髑髏島の巨神』では、『GODZILLA ゴジラ』に続き、製作チームは、巨大なモンスターたちが共生する世界を描いている。それは、我々人間が住む世界と同じ場所、つまり地球上にあるが、未確認巨大陸生生命体(MUTO)が存在できる世界でもあるのだ。だが、それを映画という媒体で表現するには、ずっと昔から映画界に存在してきた神話を壊すことなく、過去と現在を融合させることが必要だった。

そのカギは、ジョーダン・ボート=ロバーツ監督のアイデアだった。彼は、高評価を受けたインディペンデント映画のヒット作『The Kings of Summer』というたった1本の映画を監督しただけの新人だ。その彼のアイデアが今までの流れを変えたのである。製作のアレックス・ガルシアはこう打ち明ける。「ゴジラの物語の要は、1954年の核実験が、じつは実験ではなかったという発想です。政府は実際に何かを殺そうとしていたのです。ジョーダンは映画の舞台を1970年代にするというアイデアをもっていました。それがすぐに私たちの想像力に火をつけたのです。70年代はモンスターバースと合致するばかりでなく、映画のテーマになる題材がたくさんある時代でもあります。同じ映画の中で、非常にリアルな戦争と巨大なモンスターたちを一緒に描くことを可能にしてくれたのです」

ボート=ロバーツ監督にとって、1933年の『キング・コング』は映画へのやむことのない情熱を目覚めさせてくれた作品だった。「『キング・コング』は映画史に名を刻む作品です。1933年のその映画を初めて観たとき、終わりのない映画の可能性に、私の脳は粉々に砕かれてしまいました」と彼は言う。「誰も知らない、文明の洗礼を受けていない世界に観客を連れていく、初めての映画だったのです。私たちが住む星が舞台なのに、この星に存在する可能性はないと思われていたものをこの目で目撃したのです」

“オタク”と自称するこのデトロイト生まれの映画監督は、モンスター映画、夏の大作映画、そしてビデオゲームとともに成長し、着実に映像の世界にのめり込んでいった。70年代の傑作映画の発見によって、キラキラと輝くネオンサインに導かれるように、自分で映画を作る道へ進んでいったのだ。ボート=ロバーツ監督が生まれるずっと前から製作されていた、大胆で、向こう見ずで、社会的な意識をもつ映画が、彼の経験と感性に直接訴えかけてきた。「70年代は私たちの近代社会を奇妙に映し出すブラックミラーのようです」と監督は言う。「政治スキャンダル、市民の不安、分裂を引き起こすような戦争、政府への不信感など、その時代に起こっていたあらゆることが、現在起こっていることを正確に映し出しています。同時に、70年代は科学と神話が共存できた最後の時代でした。それ以降、私たち人間は未知のものを破壊する旅へとゆっくりと向かっていったのです」

メリアン・C・クーパーとアーネスト・B・シュードサックが作り出したモンスターの“失われた世界”を、ヘリコプターやナパーム弾やロックンロールの無秩序な時代と衝突させ、戦いの中に観客を突き落とすことによって、ボート=ロバーツ監督はコングの強烈なパワーを今日の映画ファンに伝えたいと考えた。「この映画によって人々を安全地帯から引っ張り出し、理屈抜きに強烈で、これまでに観たことのないような、全速力で突っ走るアドベンチャーに投げ込みたい。攻撃ヘリにパンチを食らわせる巨大なサルのクリーチャーを、ほかの映画で観ることはないでしょう」と彼は微笑みながら語る。「でもそれが、私自身が観たかった映画なのです」

1930年代から、もっと近代へと物語を移しながら、本作の製作陣は、過去に探求されてきたテーマを近代のテーマと継ぎ目なく重ね合わせた。監督が決まる以前に、社会に幻滅を抱く英陸軍特殊部隊(SAS)の元隊員ジェームズ・コンラッド大尉を演じる契約を交わしたトム・ヒドルストンは、「これは、人工衛星がどんどん打ち上げられ、徹底した調査や情報が過剰におこなわれる以前の世界です。当時の人たちは、現代人のようにインターネットや携帯電話やGPSがあるために、自分が住んでいる世界について何でも知っているという錯覚を抱いていなかった。そういう時代を舞台にすることで、戦いの中でコングが象徴するもの、そして自分が理解しないものを破壊しようとする人間を掘り下げるための、すばらしいセンサーが与えられたのです」と語る。

戦争カメラマン、メイソン・ウィーバーを演じるブリー・ラーソンは、その時代背景がモンスターを探す調査隊の旅に豊かなテーマ性を与えたと言う。「私にとって、この物語は、私たち全員の中にある野性について描く寓話のように感じられました」と彼女は語る。「現代の人間は、そういう野性の部分から自分を切り離して生きています。いろいろな意味で、野性を克服する必要があると感じているように思えます。それに、私たちは周りの世界と折り合いをつける方法を模索している。自然をどう扱い、尊重し、ほかの人間をどう扱い、尊重するのか?ということを考え続けているのです」

1973年はベトナム戦争が終わった年というばかりではなく、地球観測衛星ランドサット計画の幕開けの年だった。米国航空宇宙局(NASA)が宇宙から見た地球の地図を作り始めたのだ。この歴史的事実が、コングの禁断の故郷が発見される物語への信ぴょう性を与えた。「でも、髑髏島は、その中に飛び込む前にじっくり考えなければ、人間の傲慢が人類の破滅を招く場所なのです」と製作のジョン・ジャシュニはコメントする。

コングはその島の主だが、彼は、いちばん凶暴でもいちばん恐ろしい存在でもない。もっと危険なものがいる。「髑髏島は外界から完全に遮断された島でした。そして島だけのユニークで風変わりな進化の道を遂げたのです」と製作のアレックス・ガルシアは言う。「この上なく美しい島ですが、人類が遭遇したものとは違う生物が棲む、地球上でもっとも危険な場所でもあります。そこには人間のための場所はなく、人間の存在こそが、この繊細な生態系に計り知れない影響を及ぼすのです」

ボート=ロバーツ監督は、島が大きく変わっていく感覚や様子、そして島に入ったキャラクターたちの行動の選択に影響を及ぼす驚異や恐怖に、大胆に切り込んでいった。「人類がおこなったもっとも驚異的な偉業のひとつが、生物の食物連鎖から抜け出したことです」と監督は言う。「登場人物たちは、自分たちの住む場所を基準にした憶測だけで髑髏島にやってきます。そして突然、そんなことはどうでもよくなる。彼らが食物連鎖に引き戻されてしまうからです。私は、それが人間に及ぼすものを掘り下げたかった。誰が壊れるのか? 誰が強くなるのか? 誰が手を組むのか?」

これらの問いかけが、本作を回転させる支柱になったと監督は言い添える。「私は、ベトナム戦争を終えたばかりで、何も信じられず、自分たちの居場所もよくわかっていない少数のキャラクターたちを、この神秘の場所に連れて行くというアイデアが気に入りました。この映画のコングはただの巨大な動物ではなく、人間対自然の物語でもない。この映画のコングはハリウッド史上もっとも巨大なコングなのです。私は観客に、理性をもち、なおかつ獰猛な30メートルの巨大な生き物を見上げる感覚がどんなものかを実感してほしいと思いました」

本作は、映画ファンに、生ける山の王であり力の象徴を目撃させる。だが、彼の巨大な姿だけが本作の製作陣が変更した部分ではない。製作のメアリー・ペアレントが説明する。「この映画で出会うコングはまだ成長期の若者です。王となるために成長し続けている段階なのです。そこは、コングの先祖を殺して彼を種族最後の生き残りにしたスカル・クローラーをはじめ、もっと獰猛な生物たちがあふれかえる島なのです。その神話を探究することはとてもエキサイティングでした。コングは人の心をとらえてやまない存在です。でもこの映画のコングは人生を決定づける戦いに直面している。それは髑髏島の王として、正当な立場を主張する戦いなのです」

現代の観客を髑髏島にどっぷり浸すために、世界中から集まったキャストとスタッフは、陶酔するほど美しくエキゾチックな場所に投げ込まれた。ボート=ロバーツ監督はこう語る。「シンボルとしてだけでなく、真実味のある神話をスクリーン上に描き出すとき、その神秘の存在が手で触れるほどリアルで、まさに息づいている環境に置かれていることが重要です。ですから、この映画を、グリーンスクリーンのステージではなく、俳優たちが実際の環境と交流できるように撮影することがとても大切でした。観客にスクリーンを見上げて『本当に存在しているんだ!』と言ってもらいたかったのです」

本作の撮影は、オーストラリア、ハワイ、ベトナムでのロケ撮影を含め、3大陸にまたがっておこなわれた。そして撮影された映像は編集段階で継ぎ目なく融合され、これまで誰も観たことのない世界観を作り出したのである。『キングコング:髑髏島の巨神』はベトナムで初めて大規模で広範囲な撮影が敢行されたハリウッド映画となった。主要な撮影の間もその後も、生態系を守り、北ベトナムの手つかずの環境を撮影に利用できるように、複雑な物流計画が必要となった。

監督は、各分野の一流アーティストで構成されるクリエイティブ・チームを集結した。彼らが、デザインや特殊効果の限界に挑み、デジタルキャラクターを制作する水準を引き上げ、この大きな影響力をもつ象徴的存在をスクリーンに連れ戻してくれたのだ。

『キングコング:髑髏島の巨神』はボート=ロバーツ監督が手がけた2作目にして、前作とはケタ違いな大作映画となる。だが、彼はひるまなかった。監督はこう言う。「この壮大な旅を通して私を導いてくれたものは、観客が実感できて、人生の中に神話やミステリーを感じるスペースを切り開く、すばらしい体験を作り出すことへの情熱でした。私たちが作っている映画は、異なる語り口のまったく新しい映画ですが、これはまさにキングコングの映画なのです」

人類立入禁止!! キャスト

本作の製作陣は、多種多様なキャラクターを体現し、髑髏島の広大なカンバスにそれぞれの旅を描き込んでいく一流の俳優たちを集めた。キャストを率いるのは、トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ジョン・C・ライリー。そして、ジン・ティエン、トビー・ケベル、ジョン・オーティス、コリー・ホーキンズ、ジェイソン・ミッチェル、シェー・ウィガム、トーマス・マン、マーク・エバン・ジャクソンたちが脇を固めた。

「私は壮大なスペクタクルの中で人間の物語を語りたかったのです。その試みを一緒に歩むパートナーとして、これほど才能豊かで献身的なキャストが揃うとは、本当に幸運でした」とボート=ロバーツ監督は言う。「俳優たちはこの映画に全身全霊を捧げ、恐れることなく、自然な瞬間を見いだしてくれました。それが映画製作のあらゆる瞬間を楽しく、また恐ろしく、そしてもっと生々しくリアルにし、この映画の質を高めてくれたのです」

「監督はこの映画を勇敢に、大胆に、独創的に思い描いていました。そしてこの映画にかかわるすべての俳優たちを包み込んでくれたのです」とトム・ヒドルストンは言う。

不時着したハンク・マーロウを演じるジョン・C・ライリーが言葉を添える。「監督は全く動じない。これほど大変な撮影が彼の肩に重くのしかかっているのに、まるでインディペンデント映画を作っているかのように気楽にカメラを回す。彼は、僕たちに発見させ、新鮮なアイデアを探求させてくれました。これほどの大作では、そういうことがとても大きな意味をもつのです」

本作は、戦争に負けて時代が変化し、銃撃やナパーム弾やロックンロールの炸裂に昔ながらの信念が後退を余儀なくされた1973年に幕を開ける。人類は世界の隅々まで知り尽くしたと主張する。そんなとき、米国航空宇宙局(NASA)が、“偉大なる未知の世界”に取り残しがないかどうか追跡するために、宇宙に人工衛星を一基打ち上げる。人類史上初めて、宇宙から地球を見た瞬間だった。

地球観測衛星ランドサット1号は、南太平洋上に激しい地熱の乱れを観測し、そのレンズとセンサーの両方が未開の地を探知する。NASAにとってその髑髏型の島は、多くの船や飛行機がその近辺で行方不明になるだけの悪名高い陸の塊にすぎなかった。

ジョン・グッドマン演じる政府特務機関モナークの幹部ビル・ランダだけが、島を覆う嵐が数千年間も隠してきたものに疑いを抱いている。ビキニ環礁でおこなわれた“核実験”、いやもっと正確に言うと、そういった実験のターゲットに対する政府の対応機関として、50年代半ばに創設されたモナークは、その後の数十年間で信用が失墜していた。製作のトーマス・タルが “モンスターバースのCIA”と呼ぶモナークは、70年代初頭には、未確認巨大陸生生命体(MUTO)が先に人間を見つけないように、彼らをすべて見つけ出さねばならないというランダの執念の細い糸にぶら下がっているだけの存在になっている。そしてランドサット衛星は、ランダが探索を続ける必要性を証明する絶好の理由を与えてくれたのだ。

「ランダは30年もの間、髑髏島を探していました」とジョン・グッドマンは説明する。「そこで、ニクソン政権の助けを借りて、ランダは島の基層で見つかる希土類元素や資源を探しに行く名目で、このランドサット計画と抱き合わせる調査隊を集めます。とにかく、ほかの人間にはそう説明していました」とグッドマンは含み笑いをしながら語る。

陰謀説という者もいる地球空洞説について、イェール大学のある地質学研究者が物議はかもすものの、科学的に健全な論文を書いたところ、ランダの注目を浴び、モナークに採用された。そのヒューストン・ブルックスというアイビーリーグのうら若き学生を演じるコリー・ホーキンズは「地球空洞説をどんなに知的に書いても、それはヒューストンにとって理論にすぎないのです。彼自身は懐疑的です。正直言って、ヒューストンはランダのことを正気じゃないと思っている。でも彼は70年代の黒人の若者で、このチャンスを次の段階への踏み台と考えています」と語る。 

すでにモナークのスタッフだった優秀な生物学者サンは、ブラジルのジャングルで奇形を追跡調査した研究でランダの注意を引き付けた。サンを演じるジン・ティエンは「サンは仕事を通してそういった生物たちの存在を研究し、髑髏島で見つかるものについてもうすうす気づいていました。ブルックスとサンが異なる角度から研究していたとしても、ふたりはすばらしいチームで、この旅を通じてお互いに注目し合うようになります。コリーと一緒にふたりのそういう関係を自然に表現できました。彼は本当に才能豊かな俳優です」と言う。

この若手俳優ふたりは、ベテラン俳優ジョン・グッドマンと共演できることを楽しみにしていた。「彼は何でもやる気満々です」とホーキンズは言う。「撮影中、僕たちは丘の上にハイキングに行きました。僕が『ジョン、どうしてこの仕事を引き受けたのですか』と聞くと、彼は『やったことがない役だからさ』と答えたのです」

ランドサットのスタッフが衛星の正確さを測定するためのよくある調査だと信じて準備を整えている間、ランダは全員殺されるかもしれないアドベンチャーに向かう準備を整えていた。地図にも載っていない未開の地形を読み取り、ナビゲートし、ランダが髑髏島に存在すると固く信じているものを発見するために、調査隊にはトラッカーと呼ばれる追跡者が必要だった。ランダはトラッカーがどこに行けば見つかるかを知っている。それは、サイゴンの賭博場だった。

トム・ヒドルストンが、英陸軍特殊部隊(SAS)で秘密軍事作戦に携わった元隊員のジェームズ・コンラッド大尉を演じる。「ランダがコンラッドを見つけたとき、彼は故郷に進んで帰ることもできず、アジアで喪失感に襲われていました」とヒドルストンは言う。

それでもなお、コンラッドは並外れた兵士なのだ。ベトナム戦争の間、彼はジャングルでの戦闘を米軍と南ベトナム軍の兵士に教えるため、また行方不明になった兵士を見つけ出すために戦火でボロボロの荒れ果てた土地に送り込まれた。「僕はいつも大自然の難局を耐え抜く人間に魅力を感じてきました。それがコンラッドなのです」とヒドルストンは語る。

本作のカメラが回る1年半前に出演が決まったヒドルストンは、すぐにリサーチに取りかかり、この幻滅を感じているアドレナリン中毒の男の背景となるベトナム戦争の、あまり知られていない側面を紐解いていった。「イギリスは公式にはその戦争に参加していませんでした。でも掘り下げていき、英特殊部隊が秘密裏にカンボジアやインドネシアに派遣されていたことがわかったのです。ジャングルでの戦闘についての専門知識を生かし、米軍や南ベトナム軍の兵士たちを訓練するためです」とヒドルストンは説明する。「このキャラクターがどんな人間だったのか、そして、大きな挑戦が待ち受ける冒険に乗り出したとき、彼は信念に基づいて行動するのか、しないのか。監督やプロデューサーたちと協力して、そういう彼の立ち位置を作り上げていくチャンスをもてたことにワクワクしました」

コンラッド同様、メイソン・ウィーバーもまた、調査隊に参加した部外者だった。だが決定的な違いがある。この役を演じるブリー・ラーソンはこう説明する。「ウィーバーはこの仕事を依頼されたわけではありません。自分の本心を隠し、人の目をごまかしてこの仕事に参加したのです。彼女は本能的に、説明された以上の何かがこの調査にあることを感じ取っていました」

ウィーバーはコングとユニークなつながりをもつことになるが、彼女は囚われの姫君でもなく、野獣コングと美女という伝統的なシナリオのヒロインでもない。生き抜く知恵に長けた、果敢な調査も厭わない報道カメラマンなのだ。ウィーバーは戦時下のもっとも危険な戦闘地帯や紛争地帯を潜り抜けたあと、この任務に参加した。「ウィーバーは真実を暴くために、恐れずどんなことでもやって名声を勝ち取ってきました」とラーソンは打ち明ける。「その情熱が、彼女をトラブルに巻き込みます。多くの出版物も、彼女がレンズに捉えた男たちも、ベトナム戦争の暗黒面に光を当てることにそれほど熱心ではないからです。そしてもうひとつ、70年代の戦場は男の世界だということがあります。これは、これまで仕事をし、今でもやり続ける世界中の女性たちに敬意を払うチャンスでした」

自分のことを“反戦”カメラマンと称するウィーバーは、銃を持っていない。信頼するライカのカメラで撮影するだけである。ラーソンは写真撮影の経験があり、基本的なことはわかっていたが、今回このビンテージもののカメラを完全に使いこなせるようになった。「私はセットでたくさん写真を撮り、彼女の目を通して世界を見始めました」と彼女は言う。「瞬間瞬間の狭間にある一瞬をカメラで捉える。すると人々が違って見えてくるのです」

ワシントンでランダが暗躍したおかげで、ランドサットチームは突然、十分な資金と充実した装備の軍事支援を与えられ、南太平洋の陸の塊を優先的に調査する任務に就くことになる。「ランドサットはこれまでそういうものを利用したことはありませんでした」とランドサット現地責任者のビクター・ニエベスを演じるジョン・オーティスは言う。「だから彼はモナークが仲間に加わる本当の理由に疑いを抱きますが、それが何なのか、真実を知る心の準備はできていませんでした」

髑髏島の航空調査をおこなう部隊を率いるのが、プレストン・パッカード大佐である。誇りをもってベトナム戦争に従軍し、勝つために全身全霊を捧げたが、米政府には別の計画があった。ランドサット調査隊に随行する任務を依頼されたとき、パッカードは彼のスカイデビルズと呼ばれる経験豊かなチームが簡単に金を稼げる楽な仕事だと考えていた。部下を連れて行き、連れて戻り、故郷に帰還させる。楽勝だ。

この百戦錬磨の兵士を演じるサミュエル・L・ジャクソンはこう語る。「パッカードは自分の部下たち全員が無事に故郷に戻れると喜んでいたが、戻る前に一緒に最後のフライトをするチャンスをつかみます。戦争に負けたと人は言うけれど、自分たちは放棄しただけだと彼は反論する。彼は自分の部下たちに勝利を感じてほしい。そしてこの任務が彼らをヒーローにし、勝利を携えて故郷に戻るチャンスだと考えるのです」

パッカードの忠実で、この上なくタフなスカイデビルズの兵士たちを演じるのは、トビー・ケベル、ジェイソン・ミッチェル、シェー・ウィガム、トーマス・マン、ユージン・コルデロである。ボート=ロバーツ監督は、戦うために派遣され、ベトナムから決して帰還することのない男たちの現実を映し出すために、このグループを厳選した。「彼らの出身はさまざまで、若者も年配者もいます。彼らが戦争の人間的な側面の真実を伝えてくれるのです」と監督は語る。

肉体と軍事的な準備に加えて、俳優たちはベトナム戦争も含め、さまざまな戦争を経験した退役軍人たちと一緒に時間を過ごすことができた。「僕の顔は童顔なので、最初に監督と話したとき、『ベトナム戦争のパイロットを演じるなんて無理だ』と言いました」と、スカイデビルズの冗談好きな若者グレン・ミルズ下級准尉を演じるミッチェルはそのときのことを振り返りながら語る。「でも事実は、パイロットの多くが19歳や20歳の若者だったのです。彼らがそれほど若かったことがわかって、その恐怖と勇気が一層深いものに感じられました。ミルズを演じることで彼らを称えたいと思いました」

パッカードの右腕であり、もっとも信頼する戦友ジャック・チャップマン少佐を演じるケベルが言い添える。「彼ら退役軍人たちは『ヘリコプターのパイロットの顔を見たくない人はいない。軍全体で、敵は別として、パイロットは誰もがその顔を見たときに嬉しい唯一の人間だ。パイロットはヘリを守っているからね』と話してくれました。その言葉は僕たちに意欲と、スカイデビルズがどういう部隊だったのかという点について深い理解をもたらしてくれました。彼らと話すことができて本当に幸運でした」

部隊で団結するため、撮影中でも、リハーサルでも、キャラクターの即興練習でも、くつろいでいるときでも、俳優たちはできるだけ多くの時間をともに過ごした。「兄弟の絆を見つけることができたと思います」と米陸軍兵士ジョー・レルスを演じるコルデロは言う。「『お前にはイライラすることもある』『永遠に愛しているぜ』とか、すごく大事なときには『もう最高だな!』とか言い合える。誰もが自分の弟みたいで、彼らの中に入っていくのはとても楽でした」

ランドサット調査隊のクルー、モナークの科学者たち、スカイデビルズ、そして自発的に参加したウィーバー、さらにはコンラッドたちを乗せた空母アテナが、目的地に安全に近づける距離まで進んでいく。これ以上近づくことはリスクを伴う地点にくる。下に広がる不安定な岩礁や、雷雲と埃と磁力が作り出す黒煙の壁に飲み込まれてしまいそうだ。だが、恐れ知らずのパッカードは一か八かやってみる決定を下す。そして調査隊の一行は空母からUH-1ヘリコプター(愛称:ヒューイ)を離陸させ、編隊を組みながら前進する。

雲の反対側に現れたものは、驚くほど美しく、手つかずの、原始の園だった。その上空を飛行しながら、誰もが純粋な驚異の念に包まれた次の瞬間、爆弾が落とされ、その楽園が炎に包まれる。

髑髏島への人間の侵攻が始まったのである。

次の瞬間、ありえないほど巨大で、あっけにとられるほどパワフルな守護神が現れる。

ランダでさえうろたえてしまう。「コングのようなものを見たことがなかったのです」とジョン・グッドマンは断言する。「コングをテクノロジーで手なずけたり、科学で煙に巻くことはできない。当然、すぐに衝突が起きます」

パッカードが恐怖で見つめる中、「コングはヘリコプターを空から叩き落とし、彼の部下のほとんどを殺してしまいます」とジャクソンは言う。「ベトナムでは誰も死ななかったのに。彼は戦士です。戦いを簡単にあきらめるような人間じゃない。自分の責任でやってきて、自分の手が血にまみれ、部下たちを故郷に戻してやることができなくなったのです。その瞬間、コングは彼の宿敵になりました」

だが、コンラッドはパッカードがコングの敵ではないことに気づいていた。「彼は、コングの中に自然の力を見いだし、自分の自然の中での経験から、復讐が無益な抵抗であることを悟っていました」とヒドルストンは言う。「ハリケーンの中で叫んでいるようなものです。謙虚さをもつことが必要になる。コンラッドは即座に、兵器に頼るパッカードにはその謙虚さがないことを理解します。でもこの任務では、コンラッドの豊富な経験と知識でさえ、何か新しく、何か原始的で巨大なものによって打ち負かされるかもしれないのです」

黒焦げの瓦礫の野原の真ん中で、破壊され、動けなくなり、分断された、かつてのヘリが散らばっている。生存者たちは取り残され、さっき目にしたものに動揺を隠しきれない。「自分の領土では人間が神だった」とボート=ロバーツ監督は断定する。「でもこんなものを目の当たりにすると、人間は、自分たちより崇高な“力”があることを認めざるをえない。それを受け入れようと、戦おうと、ただ生き残ることを望もうと、人は自分で折り合いを付けなくてはならないのです」

ブリー・ラーソンも同調する。「登場人物たちは全員同じものに遭遇します。でも彼らが旅を続けていくと、彼らの反応は真っ二つに分かれるのです。支配するか、共感とつながりを抱くか。コングは自然の力以上の存在です。彼こそが自然なのです。私たち人間は支配できると考える。でもどんなに私たちが頑張っても、勝つのは常に自然です」

コング同様、パッカードにも戦士としての力があるが、それは自然ではない。

部隊と別れたウィーバーとコンラッドは、モナークの科学者とパッカードの部下レグ・スリフコ下級准尉を連れ、スカイデビルズの生存者を探すと同時に、自分たちが逃げ出す唯一のチャンスである、前もって決めておいた合流地点のある島の北側に向かって進んでいく。スリフコを演じるトーマス・マンは、「スリフコは自分の部隊と別れ、パッカードとは全然違う考え方をする人たちと旅をします。それによってスリフコは戦友たちとは別の道を歩み始めるのです。彼はある意味まだ子供で、自分の驚異や恐怖を隠すことができません」

彼らは髑髏島に侵入した唯一の人間だが、彼らだけがそこに存在する唯一の人間ではなかった。島で驚異と恐怖に遭遇し、身を引き締めながら進む一行は、彼らの周りに静かに姿を現す先住民イーウィス族の戦士たちを見て愕然とする。

そして、さらに衝撃が走る。友好的で明らかにアメリカ人とわかる顔が進み出てきたのだ。ジョン・C・ライリー演じるハンク・マーロウである。28年前に髑髏島に不時着した第二次世界大戦の戦闘機パイロットであるマーロウはそれ以来この島で生き残ってきた。だがその間ずっと、妻と息子のもとに戻りたいと願ってきたのである。「ハンク・マーロウはすばらしいキャラクターです」とライリーは語る。「彼は時代遅れになっているだけでなく、あまりにも長い間島に取り残されていたために頭もおかしくなっているところがあります。20代、30代、40代を通して自分が知っている世界から切り離されてきた。僕なら6か月でもおかしくなるのに、28年ならなおさらです。ハンクは長い年月で、狂ったり、正気になったり、狂ったりを何度も繰り返してきたのだと思います」

だが、彼はひとりだったわけではない。日本の戦闘機パイロットと激しい空中戦の末、墜落したマーロウは、MIYAVI演じる敵側パイロットのグンペイ・イカリと死闘を繰り広げる。だが、これまで誰も目にしたことのない偉大な力、コングを目の当たりにしたとき、ふたりの人生は永遠に変わってしまう。「ふたりは任務に忠実な戦士として出会い、そのときは互いを殺したいと思っていました。でも28年の間に、ふたりの間に美しい友情が芽生えたのです」とライリーは説明する。「ふたりは戦争の敵同士という状況を乗り越え、兄弟同然になります」

マーロウは最善を尽くしてイーウィス族の人たちと同化し、彼らを通してコングを理解するようになった。「イーウィス族は島と共生関係を保っています」とボート=ロバーツ監督は言う。「彼らはコングの重要性を理解しているのです。コングが倒されると、島の別の勢力が台頭し、島の平和と生態系のバランスが狂ってしまうのです」

マーロウ役のライリーが付け加える。「コングは地上に棲み、“悪魔たち”は地下に棲む。コングだけが彼らを寄せ付けず、多くの異なる勢力が調和を保てるように島という共存場所を守っているのです。つまり、イーウィス族の人たちにとって、コングは神なのです」

ハンク・マーロウが言うように、恐怖は感じるものの、コングは島において重要な役割を果たしている。だが、それが、ジョン・グッドマンが「島で群れを率いる雄」と呼ぶパッカード、コンラッド、そしてコングの間に切迫した緊張感を引き起こす。パッカードの部隊がコンラッドのグループとともに偵察に出たとき、パッカードの復讐心が熾烈で容赦ないものであることが明らかになる。もしパッカードがコングを首尾よく殺せたとして、そのあとに台頭するものについてマーロウがいくら警告しようと、パッカードは一切耳を貸さず、復讐に心を奪われ、固執し続ける。「そもそも人間側から爆弾を落として攻撃したのですから、コングが反撃してきたのは当然なのです」とライリーは言う。「ハンクは『他人が家に爆弾を落としたら、ケンカになるさ』と、パッカードがコングへの攻撃をあきらめるように説得しようとします」

パッカードとコングはそれぞれのやり方で守ろうとしているのだ。コングは自分の故郷を、そしてパッカードは自分の部下たちを。だが、パッカードは守っているものを見失ってしまう。「この時点で、彼は孤立した島のようになっています」とサミュエル・L・ジャクソンは言う。「失った仲間のために彼が復讐を必要としていることを、誰もが気づき始める。ほかの人たちが生還できなくなるリスクを背負ってでも復讐したいパッカードは、今や彼の部下たちが何年も頼ってきた冷静な指揮官ではなくなっています。理性的な社会では、そして彼が喪失感にそれほど苦しんでいなければ、彼にもこの島での生物学上の難しい問題が理解できたはずです。でも彼は血の代償を求めていました」

「パッカードは自分の部下たちの期待を裏切ったことがなかったし、部下たちもどこまでも彼についていきました」とアール・コール大尉を演じるシェー・ウィガムは言う。「コールは命令に従う人間ですが、パッカード大佐が理不尽な行動をとり始め、コールは彼のリーダーシップに疑問をもち、混乱し、もはや何が正しいのかわからなくなって悲しみます」

科学や支配が目的ではないカメラマンのウィーバーは、調査隊の中で初めてコングと面と向かって遭遇し、彼らが不注意に行動したことの結果を理解する初めての人間となる。「ウィーバーはコングと遭遇し、自分より偉大な存在に心を開きます」と演じるブリー・ラーソンは言う。「コングは島でいちばん大きいけれど、自分の力を、彼女を傷つけるために使おうとはしません。彼女は、称賛を浴びて賞を獲得するような写真を撮りたいと思ってこの旅を始めました。でも、コングの魂に触れ、彼女はすぐにこの島には貴重で守られねばならないものがあることに気づくのです」

一方、島の堂々とした王と遭遇したコンラッドは、自分が求めていながら、それが何かわかっていなかったものを見つける。それは贖罪だった。「コンラッドは高い崖から領域を調べているときに、触れるほど間近でコングの顔を見ます」とヒドルストンは言う。「彼はコングに見られていることを知っています。そして彼はその知覚生物の目を覗き込むのです。すると彼の心に、驚異と純真さと謙虚さが戻ってきます。コンラッドは斜に構え、楽に金を稼げるからこの旅に参加します。彼は人生を眠ったように歩んできました。でも今、彼は完全に目覚めたのです」

新たなるコング、“シン・コング”誕生

これほど複雑な撮影を統括する製作陣にとっても、この映画のタイトルキャラクターを作り出すこと以上に難しく、高揚感に満ちた作業はなかった。だが彼らは簡単な方法を選んだりはしなかった。「私はつねに固有の種としてコングを想像し、単純な特徴づけにも、現実の世界の生き物と比べることにも反対の立場をとってきました」と製作のトーマス・タルは言う。

そういうタルの考え方は、象徴的なモンスターは唯一無二であるとする監督の考え方と完璧に合致していた。ボート=ロバーツ監督はこう断言する。「この映画のコングは、ただの類人猿ではなく、古典映画のモンスターに回帰するものです。私たちのコングはこれまで以上にもっと孤独な神であってほしかった。そして彼に感情や情念があり、感情レベルでほかのものとつながりをもつことができることをゆっくりと明らかにしていきたかったのです。彼が神のような存在であるとしても、コングには人間的な部分や心があり、そこに人々は反応してくれると思います」

ディテールとリアリズムを可能な限り描き出し、スクリーン上でコングに生命と感情を吹き込む努力に携わったのは、視覚効果とアニメーションチーム、そして創造性豊かなコンセプトアート/サウンド/デザインのスペシャリストたちだった。ボート=ロバーツ監督のキャラクターへのビジョンと創意工夫を奨励する采配を通して、彼ら全員が団結した。

数多くの映画史上最大級のヒット作の視覚効果で陣頭指揮を執ってきた業界屈指の視覚効果会社ILM(インダストリアル・ライト&マジック)が、まったく新しいスケールでコングに生命を吹き込む手助けをした。そして視覚効果シニアスーパーバイザーのスティーブン・ローゼンバウムと視覚効果スーパーバイザーのジェフ・ホワイトが彼らを率いた。

ILMチームは、3つの異なる施設を拠点とするおよそ300人のアーティスト/アニメーター/技術者で構成されている。ILMはコングの作業に1年半以上をかけたが、そのうちの8か月はこの神話の王をデザインするために費やした。主な仕事は、毅然とした存在感を放つキャラクターを創作することだけでなく、パワフルなアンチヒーローを作り出すことでもあった。「難しかったのは、観客がコングに共感できるように、彼に人間的な要素を染み込ませることでした」とローゼンバウムは説明する。

ボート=ロバーツ監督は、まず手始めに、神秘的な雰囲気と古典モンスターの雰囲気を失わないように、ILMチームに1933年の古典映画『キング・コング』の本質を呼び起こしてもらうよう依頼した。それは厳しい任務だったが、製作陣全員がそれを心に留め、両方の世界の最高の部分を融合させるために一丸となって取り組んだ。

壮大さと緻密さが交差する場所が、このジャンルの歴史のなかでもっとも本能的で、独創的で、心ときめくシーンと同時に、予期せぬ感情に満ちあふれたすばらしい瞬間を生み出した。視覚効果のジェフ・ホワイトは、好きなシーンは、コングが調査隊の数人のメンバーと心をつなぐ物静かな瞬間や、髑髏島の永遠の美しさを熟考するシーンだと認める。「私は、コングがオーロラを見つめながら静かに座っているときや、傷ついた動物をウィーバーとともに助けるときや、崖でウィーバーやコンラッドと心をつなぐシーンをことのほか楽しみました。そういう瞬間に、コングは本当にこの映画の一キャラクターとして生き生きと活気づくのです」

1933年の映画もまた、新しいコング像を特定するアイデアに溢れていた。業界でもっとも卓越したクリーチャー・デザイナーのひとり、カルロス・フアンテは、それまでに作られた作品からポーズをとっているものを参照し、筋肉とボディの詳細な形を描き、新しい解剖学的な体型を作り上げた。

ILMはこのデザインを改良し続けた。「我々はそれをどんどん先に推し進め、コングをこれほど影響力の強いものにしてきたものが何か、もう一度しっかり捉えようとしました」と視覚効果のジェフ・ホワイトは言う。「我々はコングの鼻口部の割合を少し誇張し、頭頂部を小さくし、額を大きくし、豊かなオレンジブラウンの色味をさらに深め、そういった形に深みが出るように横から強い照明を当てました」

だが、この新しいバージョンのコングは、サイズが問題だった。しかもかなりの比率で。コングは30メートルの高さで、髑髏島にやってきた新しい訪問者たちの頭上にそびえ立つ。「コングのサイズは重要でした。その立体感がコングに重量と荘厳さを与えるからです。人間が巨大な影の中の小さな点に見える。そしてコングの世界では、我々がどれほど取るに足りない存在か、人間は本当にそこに属すべきではないことがわかるのです」とホワイトは詳しく説明する。

ボート=ロバーツ監督は、コングのパフォーマンスの多くを、特定の俳優によるパフォーマンス・キャプチャーに基づくのではなく、伝統的なフレーム・アニメーションによって制作することにした。その決断の重要な要因となったのは、コングの巨大な存在感だった。ILMのアニメーション・スーパーバイザー、スコット・ベンザが率いるアニメーターたちと緊密に作業することによって、監督が思い描くコングのパフォーマンスを作成するうえで、監督の仕事が楽になる。加えて、ジャック・チャップマン少佐役を兼ねたトビー・ケベルによるコングのフェイスキャプチャーと、『猿の惑星:新世紀(ライジング)』や「ホビット」三部作のような映画で動きのコーチを務めたテリー・ノタリーのモーションキャプチャーも併用された。

アニメーションが完成すると、ILMはコングの基礎となる骨格と筋肉構造を組み立て、次に、コングの皮膚の下の筋肉の動きや皮膚の動きに反応する体毛の流れをシミュレートしていった。もう一度言うが、1933年の映画は、いくつかのパフォーマンスにとって刺激的な手がかりを提供してくれた。たとえば、ILMのアニメーターたちは、コングに大きく目を見開いた状態でうならせた。スコット・ベンザは、それはモンスターに本来備わっている性質だと言う。「怒っているときの彼は目を細めると思うでしょうが、我々は1933年の目の形が気に入っていました」

ILMにとってもっとも難しい技術的挑戦は、自然界で毎日必ず目にする3つの事柄にかかわっていた。体毛、水、そして火である。それぞれがCGを通して表現するにはもっとも難しいビジュアルである。本作は3つすべての要素が互いに影響し合っていた。

コングのフサフサした体毛自体がとてつもない試みだった。ILMは丸1年かけて、この野獣の1900万本の体毛を手作業で描き、形を整え、彫り込んでいった。「簡単に生成する方法はありませんでした」と視覚効果のジェフ・ホワイトは強調する。「実際に、体毛がどう流れ、どう見えるべきかをコンピュータに伝える必要があったのです」

水のシミュレーションの難しさは急激にエスカレートしていった。ILMがそれを大規模に描く必要があったからである。「水はすべてデジタルで、実際の物理学に呼応しますが、コングはあまりにも大きく、動きも速い。彼の手は毎時65~80キロのスピードで水をたたくのです」とホワイトは続ける。「ですから、想像力を駆使し、水のシミュレーションをおこないました。最初は、水がコングの姿さえ見えなくなるほど宙高く上がりました。でも、水が物理の法則にしたがっているように見えながら、彼の顔がちゃんと見えるように、正しく“ごまかす”必要があったのです」

コングに命を吹き込むには、音響デザインも重要な要素でした。撮影が始まるずっと前から、製作陣は、コングの動きに本能的で劇場を揺るがすような感覚を与える音と、コングの身も凍るような悲痛なうなり声と、周辺世界全体の音を作り出すため、異なるテクニックを用いて実験を重ねた。

コングの雷鳴が轟くような声を監修したのは、コングの鼓動という重要な音を提供してボート=ロバーツ監督が大きな信頼を寄せる、音響編集/音響デザインのアル・ネルソンである。「監督のアイデアは、以前のバージョンより単にもっと大きくて派手なコングの音を作り出すということではなく、もっと複雑で深いものでした」とネルソンは言う。「監督はコングを神のような、髑髏島の絶対君主となるものにしたかったのです。怒ったり、うなったり、歯ぎしりしたり、叫んだりする代わりに、この不思議な世界を支配する威厳のある生き物であるべきだという監督の方針が本当に役に立ちました」

ネルソンがコングの声を見つけ出すうえで最初に立ち寄ったところが、ワシントンD.C.にある国立公園と、フロリダ州オーランドにあるディズニーのアニマル・キングダムだった。そこでネルソンは、私たちの世界のジャングルの王、ライオンの声を録音した。「ライオンを使って録音した理由は、コングが映画史上初めて声をデザインされたモンスターだったからです」とネルソンは説明する。「1933年の映画でそれを作ったのはマーレイ・スピバックでした。彼は、ライオンのうなり声と反転させたトラのうなり声を使いました。おそらく、ロサンゼルス動物園で録音されたものです。私はまず手始めに、ライオンの声を使いたいと思いました。それが音響の伝統だったからです」。さらにネルソンは、ゴリラとサルの声も使って、コングのために音波層を加え、それらをミックスし、合わせていった。

もちろん、コングの島を揺るがすほどのデシベルレベルと同等のものは自然界には存在しない。それを完全に捉えるため、音響チームは、拠点である北カリフォルニアのスカイウォーカー・サウンドに、特別なプレイバックシステムを取り付けた。「スピーカーシステムをいくつかセットし、私たちが“ワールダイジング(worldizing)”と呼ぶ仕上げの作業をおこないました。“ワールダイジング”では、自然な残響とエコーを達成するために、コングのうなり声と怒号を、5.1チャンネルシステムを通して再生します。ですから私たちは、環境に配慮した方法で、コングの声を作ることができたのです」とネルソンは語る。

コングが生きる原始世界の再現

髑髏島でコングが君臨する原始世界は、人間が手を触れていない聖域である。激しい怒りと美、そして幻想と現実が融合した世界である。「そこには、島の外では見つけられない生態系が栄えています」と製作のアレックス・ガルシアは言う。

さらに、製作のメアリー・ペアレントが言葉を添える。「製作プロセスの初期段階で、私たちは髑髏島の可能性に目を止めました。そこには独自の気候とこの世のものとは思えないような性質があります。私たちは観客がこれまでに見たことのないものを提供したいと思いました」

美術のステファン・デシャントは、美術班が制作している島について、ボート=ロバーツ監督がはっきりしたアイデアを伝えてくれたと言う。「これは監督の世界です。監督は実際に髑髏島に行ってきて、戻ってきてから、その旅行について私たちに面白く話して聞かせてくれている。私たちはそんな感じで作業に取り組んでいました」

『キングコング:髑髏島の巨神』は、ベトナムで広範囲に撮影された初めての大作映画となった。そのほか、ハワイ/オアフ島をはじめ、オーストラリアのゴールドコーストでも撮影された。

製作のアレックス・ガルシアは言う。「ベトナムでの撮影はこの作品の製作にとって大変貴重なものとなりました。ベトナムには本当に独特な景観があり、ほかのどことも似ていません。その映像とハワイやオーストラリアで撮影した映像を混ぜ合わせるのは、ワクワクする作業でした」

本作の物語は、タイトルにぴったりの神秘的な美しさがあり、髑髏島という架空の島の独創性に富んだ景観が、物語を作り出す重要なパズルのピースを提供している。「ベトナムに降り立った途端に、そこには特別なものがあるとわかりました」とボート=ロバーツ監督は振り返りながら語る。

ベトナムのさまざまなロケーションで3週間撮影がおこなわれたが、その中には、長編映画では一度も撮影されたことのない場所もいくつか含まれている。撮影は、イェンフー、トゥーラン、フォンニャで、またニンビン省ではタムコック川/チャンアン/ヴァンロン湿地、そしてひときわ優れた景色が広がるハロン湾でおこなわれた。

キャストとスタッフ、そして大規模な映画製作に必要なフル装備をもっとも辺ぴなところにある地域に運ぶため、存在していなかった道路を建設したり、膨大な量の計画と膨大な物流の配備が必要となった。それぞれの撮影地で撮影が終了したあと、撮影班はときに壊れやすい生態系を完全に復元しなくてはならなかった。統括ロケーションマネージャーのイラト・ジョーンズは、自らを「環境保護者」と呼び、すべての撮影地が発見したときよりもいい状態で残されていることを確認した。

ベトナムでの撮影が本作の映像の重要な柱になるというボート=ロバーツ監督の指示を心に留めながら、ILMのジェフ・ホワイトは準備を進めた。彼は、その国を飛び回りながら、数週間を過ごし、空中撮影をおこない、のちにそれをスキャンした。「私たちは、ベトナムで撮影したシーンを補強するだけでなく、ハワイで撮影したいくつかの環境を置き換えるために、その素材を活用しました。そうすることで、背景は一貫性のある雰囲気を保つことができたのです」と彼は説明する。「そういうやり方は、ほかの映画でもよく見かけるハワイの撮影地でとくに役立ちました。俳優やプレートの周りのエリアを撮影しても、全体の地平線をベトナムの山々と置き換えたのです。それは、映画の統一性に役立つだけでなく、ベトナムの雰囲気に近づける効果がありました」

ボート=ロバーツ監督はベトナムに永久に感謝の意を表した。「私は、観客がベトナムを好きになり、この映画がその美しさを理解するきっかけになってくれればと思います。そこでの経験は人生を変えるほどの経験でした。私はベトナムの文化と人々に恋をしました。この国のすばらしさと強烈さは、世界のどの国にも負けないほど私を幸せにしてくれたのです」

オアフ島の驚異も、慣れ親しんでいるとはいっても、魅惑的な舞台を提供してくれた。このアメリカの50番目の州では、歴史的なクアロア・ランチ、ワイカネ・バレーのオフルフレ森林保護区を含めた場所が撮影地となった。

オアフ島のクアロア・ランチは現代映画の撮影地として人気があるが、その緑茂る多種多様な景観は、キャラクターたちが髑髏島をトレッキングするシーンに、別世界のような背景を提供している。そびえ立つ尾根に囲まれた深い渓谷のふもとに、髑髏島の墓場が姿を現した。巨大な遺骸が幽霊のように散らばる、心揺さぶられる不毛の土地である。あとから視覚効果班によって地平線が広げられたその墓場は、死や絶滅を意味しながらも、じつは、今でも活動し続けている土地なのだ。

その墓場からは、コングの一族について興味深く、痛ましい過去が伝わってくる。美術のステファン・デシャントはこう説明する。「以前の物語では、コングの出身や、彼の種族や家族については何もわかりませんでした。その墓場は、コングに何が起こったのか、何が彼を作ってきたのかを知る手がかりになっています。そこには彼の祖先やほかの生物の遺骸があるからです」

マイク・マイナルドゥスに率いられた特殊効果チームもまた、まるで火山の噴火のような分厚く、黄色い煙が地下から漏れ出し、墓場の穴が噴火しているように見せて、このセットに重要な貢献を果たした。

本作には、復讐に突き動かされたパッカードがベトナムでの経験から罠を仕掛けるシーンがある。そこではナパーム弾を入れた湖が巨大な煉獄へと変化する。そのシーンのため、マイナルドゥスは人造湖建設の陣頭指揮を執ったが、のちに周辺はデジタルで拡大された。特殊効果チームは、その湖に消防管とへプタン噴射ノズルを装備した。そこから、18メートルの高さの炎が噴き上がる。「私たちは30メートルのプロパンホース3500本と約230メートルの消防管を全部連結管につなぎました」とマイナルドゥスは詳しく説明する。「私たちはジャングルの真ん中にいたので、安全と環境保護のため、すべてを万全の注意を払って実行しました」

デシャントは、ジャングル以外にも、コンラッドが最初に登場するサイゴンの怪しげな賭博場のために、オアフ島のチャイナタウンにベトナムの首都を再現した。デシャントはこう言う。「サイゴンは今とてもモダンです。私たちが必要とする時代の趣を捉えるためには、ハワイに70年代のサイゴンを再現して撮影するのは道理にかなっていました」

オアフ島とベトナムでの撮影に挟まれた期間には、オーストラリアでの撮影が敢行され、この国のさまざまな場所がフル活用された。「ゴールドコーストはすばらしかったです。砂漠、深いジャングル、ごつごつした岩礁など変化に富んだ環境や、ビレッジ・ロードショー・スタジオのステージ施設や一流のスタッフも利用できたのです」と製作のアレックス・ガルシアは語る。

本作で最大のセットが、はるか昔に髑髏島の海岸に打ち上げられて遺棄された輸送船の、錆びた骨組みである。今は、イーウィス族がコングを祭る神秘的な神殿になっている。

スタジオのサウンドステージに、美術のステファン・デシャントと撮影監督のラリー・フォンが協力して、ロウソクの明かりと、船の船体にあいた穴から漏れる日光を照明で人工的に作り、大聖堂のような空間を作り上げた。

神殿をさらに神秘的にしているのが、一連の柱である。その上にイメージが刻まれている。キャラクターたちがそこを蛇行しながら進むと、モンスターたちの巨大な世界とその過去、そして可能性が明らかになる。ILMのジェフ・ホワイトがディテールを説明する。「そのシークエンスは、コングの生い立ちを観客に説明するマーロウのためにデザインされました。私たちはかなりの時間をかけて、伝えられる物語がはっきりとわかるように、個々のグラフィックをデザインし、そののち、それぞれの彫刻を、イーウィス族のユニークな言語に分解していったのです。監督にとって重要だったのは、その絵が最初はごちゃまぜに見えながら、登場人物たちと観客の視点が変わると同時に、その意味が明らかになっていくことでした。個々のショットに1フレームを選び、そこにあるイメージが集まってくると、CGの柱の位置がずれ始めます。でも最初はそのグラフィックは明らかではありません。それをデザインするのは非常に難しかったですが、髑髏島に謎と複雑さを加えることができました」

本作の製作陣はオーストラリアの驚くべき景観をフル活用し、ゴールドコーストの奥地をトレッキングしながら、タンボーリン山、タルバジェラ・バレー、ペーパーバーク・フォレストといった場所で撮影をおこなった。

サウス・ストラドブローク島の砂丘が、本作のオープニングシークエンスのすばらしい背景となった。だが、そこに行き着くのも、それ自体がアドベンチャーだったと製作のアレックス・ガルシアは言う。「ボートで30分かけてジャンピンピンの入り江を抜け、それからデューンバギーで40分かけてビーチを進みます。まるで、月に漂着したような気分でした」と彼は笑いながら語る。

ウィーバーを演じたブリー・ラーソンは本作の数少ない完全なグリーンスクリーンでの撮影で、ゾウとの体験を思い出しながら演じた。それは、ウィーバーとコンラッドが初めてコングと接近遭遇するシーンで、ビレッジ・ロードショー・スタジオで撮影された。「大げさに聞こえるかもしれないけれど、私が今まで近づいた中で、あのゾウほど大きくて、力があるのに、優しく接してくれた生き物はいませんでした」と彼女は振り返りながら語る。「コングはこの島でいちばん大きいけれど、彼女を傷つけるようなことはしない。そういうところがとてもすばらしいと思いました」

それでもなお、感情溢れるシーンは俳優たちにとって難しい撮影となった。ふたりは、巨大でありながら目に見えない共演者に真実味のある反応をしなくてはならなかったのだ。トム・ヒドルストンは、映画『サンシャイン2057』の音楽からジョン・マーフィ作曲の「Adagio in D Minor」という心に染みる楽曲を流しながら、即興演技をおこなった。すると少しずつそのシーンがまとまってきたのだ。「『オーケー、完璧だ』と言える瞬間は数少ない」とボート=ロバーツ監督は言う。「あれはそういうシーンのひとつでした」

70年代のコング

本作の製作陣は、コング神話の解釈の中心的要素として、1973年を舞台にした。それは、世界中が制御不能になっているように思えた時代だった。その大きな要因のひとつがベトナム戦争だったが、この戦争もやっと終わりに近づいていた。また、経済も社会も政治も、アメリカの本格的な介入後の十年で大きく変動し揺れ動いた。

だが、それは「細部に無限の美しさを秘めた、審美的で荘厳な時代でもあったのです」とボート=ロバーツ監督は言う。

その美しさを捉える手助けをしたのが、この映画のためだけに特別にデザインされたアナモルフィック・レンズだった。ボート=ロバーツ監督と撮影のラリー・フォンが、パナビジョンと協力して開発したレンズである。「このレンズは、ビンテージ感覚が出せて、それが私たちの求める70年代の様相を捉えて推し進めるのにぴったりでした」とフォンは言う。「パナビジョンも、彼らが制作した中でもっとも優れたアナモルフィックだと言っていました」

ほかの映画とはかけ離れたビジュアルを追い求めるため、フォンとボート=ロバーツ監督は、早い時期に、ベトナム戦争の熱に浮かされた感覚を本作にもたらすため、生き生きとした意外性のある色彩を特徴とする映像を選択した。

また70年代には、ジョン・グッドマン演じるビル・ランダ率いるモナークの秘密情報員たちの世界も大きく変わり、空母アテナから、調査隊のヘリコプターは髑髏島へと旅立っていく。ヒューイもまた、実生活でも映像の中でも、70年代を象徴する輸送手段として重要な役割を担っている。「マニアの心をくすぐる音」と音響のアル・ネルソンが冗談を言うように、“フワップ、フワップ、フワップ”というヒューイの特徴的なプロペラ音が、暗にパッカードの戦争終結に対する内面的な葛藤を示唆し、同時に、コングが彼の島に侵攻してくるヘリコプターに直面して衝撃を受けるスローモーションの動きの間じゅうずっと、ひときわ大きく響き渡る。その“フワップ”音を捉えるため、音響デザイナーのピート・ホーナー、音響効果編集のベンジャミン・A・バート、パスカル・ガノー、ウィリアム・マクギガン、そして音響編集監修のスティーブ・スレーンクは、カリフォルニア州コンコードにあるベトナム・ヘリコプター博物館に行き、その時代の実際のヒューイの音を録音した。

「その博物館はヒューイを使わせてくれました。それに、あらゆる種類のマイクやほかの録音装置を装備して、私たちはプロペラが回転している間、機内のプロペラの真下に立ち、はっきりした“フワップ、フワップ、フワップ”という音を録音しました」とホーナーは言う。「ワクワクしましたよ。それから、私たちを乗せたヒューイは周辺を飛び、特別な操縦を披露してくれました。そのときの音は、髑髏島を囲んで守っている恐ろしい嵐の中をヒューイが飛行するシーンで聞こえてくるはずです」

衣装に関して、ボート=ロバーツ監督と衣装デザイナーのメアリー・ボートは、格子柄のシャツや非常に太いネクタイなど、その時代のファッショントレンドを避け、70年代のクラシックな外見を選んだ。「キャラクターたちは長い間同じ洋服を着ていますから、できるだけリアルに見せたいと思いました」と衣装のボートはコメントする。

元特殊空挺部隊(SAS)の隊員だったヒドルストンの衣装については、英国軍のエリート特殊部隊の元メンバーが書いた、SASでの生活についての小冊子を参照した。「その小冊子には、SASの任務や、何日間着替えないかといった事柄が、詳しく載っていました」とボートは説明する。「そこで、トムには、あの時代のスティーブ・マックィーンの映画を彷彿とさせるような、すらっとしたパンツ、ブーツ、そして体にぴったり合ったシャツなど、シンプルでヒーローにふさわしい洋服を用意しました」

サミュエル・L・ジャクソンのパッカードは、政府支給の網目のスカーフを自慢そうに巻いているが、それは、虫から守ってくれるだけでなく、堂々とした外見にも役立っている。「それが、彼の部隊のほかのメンバーとパッカードの違いです」とボートは言う。

さらに、小道具係のスティーブン・B・メルトンは、パッカードの部下たちそれぞれが真実味のあるヘルメットをもてるように手配した。「インターネットで21個のヘルメットを購入し、監督が気に入る7つのデザインが決まるまで300通りのデザインを試しました」とメルトンは言う。「それぞれのキャラクターのヘルメットに異なるステッカーとデザインがあって、そのいくつかは元ベトナム戦争のヘリパイロットから購入しました」

ブリー・ラーソン演じる戦争カメラマンのメイソン・ウィーバーは、ひも付きのブーツ、薄いグレーのシャツ、そしてオリーブ色のミリタリーパンツを着ている。「彼女はミリタリー調でまとめました」とボートは言う。

ジョン・C・ライリー演じるマーロウは明らかに70年代の男ではない。そこで衣装のボートは第二次世界大戦当時のパイロットの帽子をライリーに渡した。ライリーはそれを気に入り、すべての撮影でそれをかぶることにした。「パイロットの制服はロマンチックでヒーローの雰囲気があります」とボートは言う。メイク監修のビル・コルソは、30年も島に置き去りにされたマーロウは犠牲を強いられただろうと指摘する。「それが彼の顔になめし皮のような痕跡を残し、彼の髭はサムライの刀で剃っているように見えなくてはなりません。事実、彼はそうやって身づくろいしているのです」

70年代とともに40年代も動き出した。マーロウのとても航海できそうにないボロ船が、髑髏島から逃げ出す調査隊の最後の希望となる。マーロウと、一度は彼の敵だったが今は亡くなった友人グンペイ・イカリによって組み立てられた複合型あるいは寄せ集めの船は、マーロウのP-51戦闘機とグンペイのゼロ戦を分解したパーツで構成されている。特殊効果のマイク・マイナルドゥスとそのチームがこの船のモーターを最初から組み立て、それが振動し、煙を出し、揺れるように作り、また、船の煙突からは黒い煙が噴き出すようにした。

島の先住民イーウィス族は時代を超越している。彼らの運命はコングの運命と結びついているのだ。製作のアレックス・ガルシアはこう説明する。「イーウィス族はほかの世界から孤立しています。彼らは穏やかで、シンプルでもあり進んでもいる。このイーウィス族は髑髏島と共生関係にあり、もし種族最後のコングが排除されるようなことがあれば、この島の繊細な自然のバランスが破壊されてしまうことを知っています」

ボート=ロバーツ監督が「私はこのイーウィス族にコングを崇拝してほしいと思いました。ある意味、彼らは髑髏島にやってきた新しい訪問者たちよりもっと進化しているのです」と付け加える。

複雑にデザインされたパターンがイーウィス族の身体に描かれたが、それはただの装飾以上の意味がある。複雑なボディ/フェイシャル・アートワークはありそうもない情報源に発想を得ている。長年のゲーマーであるボート=ロバーツ監督はこう説明する。「多くのビデオゲームのキャラクターたちの、鋭い線と90度の角度で描かれる風変わりな形に興味を抱いていました。私は、現代的でありながら古さもある、そんな時代錯誤を感じさせるものを作るのが好きです。そこで私たちは複数の目的に貢献するペイントパターンをデザインしました。そのペイント自体の中に彼らの言語が書かれ、カムフラージュされている。それが、この島に溶け込みながら進化し、彼らを囲んでいる無数の脅威の中で生き続けることを可能にしているのです」

コングの宿敵:スカル・クローラー

旅のほとんどで、調査隊のメンバーたちは、パッカードの鍛え上げられた兵士たちでさえ想像もしなかった規模の戦闘に巻き込まれる。

本作の推進力となるアクションや壮大な仕掛けをデザインし実行するのが、スタント監修のジョージ・コットル率いる60名のスタントチームである。彼らは本作の主要な撮影が始まる8週間前から、あらゆる戦闘やワイヤーワークをリハーサルした。

スタントチームにとって最大の困難は、ベトナムの辺ぴな撮影地だった。そのいくつかでは、45分間も四輪駆動のトラックに揺られ、長距離を歩かねばならない。

装備が利用できるかどうかは撮影地に近づけるかどうかで決まる。例えば、コットルは、主要キャラクターが突然空中に飛ぶシーンのために大きなクレーンを要求した。「ベトナムにはクレーンが1つしかなくて、それを回収するのに12時間ドライブしなくてはなりません」と彼は当時の様子を振り返る。「やっとクレーンが到着すると、ものすごく時代遅れの型でした。でも私たちはそれを使って完璧なスタントを実現したのです」

入念に練られたスタントに、そのシーンで演じる俳優たちは驚いた。「私たちは見えないところでリハーサルしていたので、キャストは誰も何が起こるのか知らなかったのです」とコットルは微笑みながら語る。「ですから、俳優たちの最初の反応は最高でした」

コットルは俳優たちを激賞する。俳優全員が意気込んで厳しい訓練とスタントワークをこなしてくれたと、コットルは言う。だが、彼は、特殊部隊の高度なレベルの肉体的特徴を体現しなくてはならなかったトム・ヒドルストンを、とくに称賛する。「トムは最高です!」とコットルは熱意をもって語る。「彼は自分の仕事に献身と情熱を捧げています。身体を鍛え、スタントの力学と物理を完璧に理解するところまで到達していました」 

コンラッドが刀を巧みに動かし、飛行生物の群れと戦うところで、仕掛けに対応するヒドルストンの優れた肉体的な適応力がはっきりと表れた。この複雑で危険な武器を使いこなすため、ヒドルストンとジョン・C・ライリーは、グンペイから受け継ぎ、今はライリー演じるマーロウが所有する刀を使い、ファイトコーディネーターのイルラム・チョイとともに日々訓練にいそしんだ。安全のため、彼らはプラスチックチューブを準備したが、数週間以内に、俳優ふたりは完璧に剣術をマスターしたのである。「彼らは没頭していました」とコットルは思い出しながら語る。「俳優の中には撮影当日に練習して最高の出来映えを望む人もいます。でも、毎日、ジョンとトムは30分でも時間があれば、イルラムと一緒に練習したいと頼んできたのです」

ブリー・ラーソンもまた、自分の内面のアクションヒーローとつながりをもてるチャンスに感謝した。「この役は今まで演じたどの役より肉体を使う役でした。新しい方法で自分の肉体の可能性に挑戦できて楽しかったです」と彼女は言う。 

アドベンチャー満載の本作では、キャストは空にも連れていかれた。「ブリーと僕は撮影第2班と一緒にヒューイの編隊を経験しました」とトム・ヒドルストンは語る。「火山の渓谷や太平洋の上をスタントヘリコプターに乗って飛びました。ドアがないのに、ブリーと僕は身を乗り出さなくてはなりません。でも身体はしっかりひもで縛っていたので、安全でした。あんなことが仕事でできるなんて最高です」

おそらく、もっとも手ごわく、スリリングで強烈なスタントシーンが、髑髏島に到着した調査隊のシーンであろう。コングとヒューイが突然接近遭遇し、調査隊の何人かはそこで命を落とす。コットルは、スタントのほとんどを実際におこない、本物のヘリコプターを使ってステージで演技したと言う。

コットルはまた、元アメリカ海軍特殊部隊(ネイビー・シールズ)の隊員でベトナムに従軍した経験をもち、軍のテクニカルアドバイザーであるハリー・ハンフリーズに敬意を表し、「ハリーは実際に戦場を経験していました。伝説の人物ですから、彼が俳優たちに何かを伝えると、全員が耳を傾けるのです」と言う。

ハリー・ハンフリーズは、軍事行動を真実味のあるものにし、ヒューイのような、その時代の航空機についてアドバイスした。ヒューイはベトナムで空爆/配達/輸送に携わった。また、ハンフリーズは、M-16自動小銃やM-79擲弾(てきだん)銃を含めた、標準的な歩兵部隊に関してもアドバイスした。

大きな破壊力をもつパッカードと彼の部隊だが、コングや髑髏島のほかの生物たちと戦うときは、自分たちの命を賭けて戦わねばならない。コングがこの島全体の王ならば、そのほかの生物はそれぞれの領土の主なのだ。

ボート=ロバーツ監督は、それぞれのビーストを際立たせ、観客が一度も見たことのないものにしたいと思った。「子供のころ好きだったのは、映画で何か新しい経験をすることでした」と監督は言う。「モンスターがもつあらゆる特異性に目を見開いていました」

コングの宿敵が、貪欲なスカル・クローラーである。コングの祖先を殺し、コングをその種族最後の生き残りにした古代のビーストだ。「スカル・クローラーはいわばコングの王国の堕天使なのです」とボート=ロバーツ監督は断言する。「地下に住み、島のわびしさと神話の暗黒面を代表しています。完璧な構造をもつ生物ではありません」

それは控えめな表現かもしれない。スカル・クローラーはヘビに似た姿をしているが、2本の力強い腕と恐ろしい骸骨のような顔をしている。アニメーションチームにとって、このクリーチャーの人相は構成しにくく、特に、最後の戦いのシーンは難しかった。「スカル・クローラーには2本しか脚がなく、とても尻尾が長いので、地面についたときのバランスが難しかったですね」とアニメーション・スーパーバイザーのスコット・ベンザは言う。「自然界でこういうタイプはあまり見ませんが、彼の尻尾で体重を支えることにしました」

それは難しい挑戦だった。だが、スカル・クローラーの恐ろしい顔立ちと体形は音響デザイナーの想像力を刺激した。「監督は吐き気をもよおすような、自然界に属さないものにしたかったようです」と音響のアル・ネルソンは言う。「スカル・クローラーの声で常識のレベルを超えるのは難しかったのですが、私たちは見た目と同じように不気味な音を楽しみながら作りました」

最初は、死にかけたウサギの声を参考にした。「苦しそうな鳴き声です」とネルソンは言う。それからトドの声も再生してみた。「肺をたたき切ってつぶすときのような、自然界で聞こえるもっとも気持ちの悪い音です。それから、リスは互いに呼びかけるとき、ひどい金切り声を上げます。本当に気味が悪い。つまり、この途方もないビーストから、実際には小さなリスの声が聞こえてくるのです」と彼はニヤリと笑った。

壮大なるアドベンチャー

本作の音響デザインを完全なものにするのが、ヘンリー・ジャックマンによる瑞々しく豊かな交響曲である。「モンスター映画では、もっとも贅沢な方法で交響楽団を使える可能性がある。そこがすばらしい」とジャックマンは言う。「監督は、フルオーケストラを使って、音楽の重要性と歴史を称えました。でも、私たちは伝統的な要素を少し抑えた冒険もしています。それは作曲家にとってすばらしい試みでした」

ジャックマンは、「少し人間的で繊細」と呼ぶ特別な瞬間を音楽に挟み込むことで、数名のキャラクターたちとコングの感情の結びつきを際立たせた。さらに、彼は輸送船のシーンがお気に入りだと言う。「ジョン・C・ライリー演じるマーロウが神殿の中を案内します。そこで私は第二次世界大戦のパイロットだったマーロウの経歴をそのシーンに結び付けながら、私が“アメリカの要素”と呼ぶ愛国的なテーマで作曲してみました」

ジャックマンはまた、時代設定を考慮して、70年代のサイケデリックなギターの大胆ですばらしい音色を音楽全体に染み込ませた。それはまた、既存の曲を使う“ニードルドロップ”という手法を用いて70年代でもっとも記憶に残る楽曲へと音楽を継ぎ目なく移行する手助けをしたのである。「ベトナム戦争時代の楽曲や70年代のヒット曲を使いたいと思いました」とボート=ロバーツ監督は言う。「それが印象的にそのシーンのトーンを決めながら、観客には楽しくすばらしい瞬間を提供してくれるはずです」

「私たちは、キャラクターたちが川を上っていくボートにレコードプレイヤーを置き、そのシーンの中から生の音楽が聞こえてくるようにしました」と監督は続ける。「キャラクターと音楽が交流することで、思いがけない瞬間が生まれるのです」

サウンドトラックに含まれる楽曲には、サイケデリック時代を象徴する1曲でチェンバース・ブラザーズの「Time Has Come Today」、ジェファーソン・エアプレインのトップテン・ヒット「ホワイト・ラビット」、デビッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」、ホリーズの「Long Cool Woman (In A Black Dress)」、ブラック・サバスの「パラノイド」、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「Bad Moon Rising」と「Run Through the Jungle」、ザ・ストゥージズの「Down on the Street」、ベトナムのサイケロックのヒット曲「Mặt Trời Đen」、そして、ブラジルのポップスター、ジョルジ・ベンジョールの「Brother」などが収録されている。

映画の感情を高め、アクションを強調する効果がある音楽は、ポストプロダクションで最後に配置されるクリエイティブ要素のひとつである。また、それは3大陸に及んだ大規模な撮影の頂点に立つ作業でもある。ボート=ロバーツ監督、そして製作のトーマス・タル、メアリー・ペアレント、ジョン・ジャシュニ、アレックス・ガルシアに率いられた本作の製作陣は、めったにないほど複雑な撮影とそれに見合ったすばらしい見返りを経験した。

この神話の王の次世代の姿を描きながら、プロセスを通じて、本作にかかわった誰もが、コングの歴史に敬意を表した。

「『キングコング:髑髏島の巨神』を製作する旅路は、私たち全員にとって壮大な旅であり、とてつもない経験でした」とジョーダン・ボート=ロバーツ監督はまとめる。「私たちはこの映画で、コングがこれまで歩んできた道のりと、新しい道のりを切り開いていくコングの両方を称えたいと思いました」