“男” man

生まれた時から、眼差しひとつで他人を操ることができる。信じられないその力は“男”の体を蝕み、過度の力が細胞を壊死させていく。10歳で母と決別、以来20年間、誰とも関わらず生きてきた。

藤原竜也

1982年5月15日生まれ。埼玉県出身。

1997年、蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」のロンドン公演で主演デビュー。以来、舞台を中心に国内外で活躍する。映画初主演作となった、深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』(2000)で数多くの新人賞を受賞、高く評価される。三池崇史監督の『藁の楯 わらのたて』(2013)は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品される。他の主な映画出演作は、『DEATH NOTE デスノート』シリーズ(2006)、『カイジ』シリーズ(2009、2011)、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(2010)、『I’M FLASH!』(2012)など。最新作は、『神様のカルテ2』『サンブンノイチ』『るろうに剣心』の『京都大火編』と『伝説の最期編』(いずれも2014)など。

田中終一

ただ一人、操られない男。幼い頃、家族と交通事故に遭って、自分だけ奇跡的に生還する。地図マニアで、一見友だちを大事にする心優しい平凡な青年。しかし、ケガも病気もあり得ない速さで治す、驚異の回復力と強靭な肉体を持つ。

山田孝之

1983年10月20日生まれ。鹿児島県出身。

TVドラマ「ウォーターボーイズ」(2003)などで注目を集め、『電車男』(2005)で主演を務める。『クローズZERO』(2007)、『十三人の刺客』(2010)、『悪の教典』(2012)、『土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官REIJI』(2014)など、三池崇史監督作品で知られると共に、数多くの作品で個性的な役を演じる。他の主な映画出演作は、『ドラゴンヘッド』(2003)、『手紙』(2006)、『鴨川ホルモー』(2009)、『GANTZ』(2011)、『太平洋の奇跡─フォックスと呼ばれた男─』(2011)、『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』『闇金ウシジマくん』『その夜の侍』『ミロクローゼ』(いずれも2012)、『凶悪』(2013)など。待機作に『闇金ウシジマくんPart2』がある。

雲井叶絵

二人の決着の鍵を握るヒロイン。大好きな地図に関する本を退職金で自費出版しようと会社を辞め、父親の店を手伝う。父の死にショックを受けるが、終一の誠実さに惹かれていく。

石原さとみ

1986年12月24日生まれ。東京都出身。

第27回ホリプロスカウトキャラバンでグランプリを受賞。2003年、東陽一監督の『わたしのグランパ』でデビューし、数々の新人賞に輝く。TVドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活躍し、2014年には、TVドラマ「失恋ショコラティエ」に出演している。他の主な映画出演作は、『北の零年』(2005)、『包帯クラブ』(2007)、『フライング☆ラビッツ』(2008)、『座頭市 THE LAST』『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(共に2010)、『漫才ギャング』(2011)、『月光ノ仮面』『貞子3D』『BUNGO〜ささやかな欲望 注文の多い料理店』『カラスの親指』(いずれも2012)など。最新作は、李闘士男監督の『幕末高校生』(2014年7月26日公開)。

雲井繁

中古と修理専門のギター店の経営者。道路で仕事中だった終一を車で轢いてしまう。慰謝料の代わりに終一を雇い、家族のように接するが、終一を追ってきた“男”の操る力の犠牲となってしまう。

田口トモロヲ

1957年11月30日生まれ。東京都出身。ミュージシャンとしても活躍、『アイデン&ティティ』(2004)、『色即ぜねれいしょん』(2009)の監督、ドキュメンタリー番組「プロジェクトX〜挑戦者たち」(2000〜2005)のナレーターとしても知られている。近年の主な映画出演作は、『少年メリケンサック』(2009)、『GANTZ』『あぜ道のダンディ』(共に2011)、『探偵はBARにいる』シリーズ(2011、2013)、『苦役列車』『黄金を抱いて翔べ』(共に2012)、『中学生円山』『ルームメイト』(共に2013)など。

ジュン

終一の運送会社の同僚で、友だちになる。ゲイであることを堂々とカミングアウトし、明るく裏表のない性格。

落合モトキ

1990年7月11日生まれ。東京都出身。2001年、『ランニングフリー』で主演を務め、その後、映画、TVドラマ、舞台、CMなどで幅広く活躍している。他の主な映画出演作は、『包帯クラブ』(2007)、『ごくせん THE MOVIE』(2008)、『ヒーローショー』(2010)、『極道めし』『GANTZ』『忍たま乱太郎』『ハードロマンチッカー』(いずれも2011)、『るろうに剣心』『東京無印物語』『桐島、部活やめるってよ』(いずれも2012)、『図書館戦争』『JINX!!!』(共に2013)など。

終一の運送会社の同僚で、友だちになる。トレーディングカードゲームにハマっているオタク系男子。

太賀

1993年2月7日生まれ。東京都出身。2007年、滝田洋二郎監督の『バッテリー』に出演。2008年、『那須少年期』で初主演を果たす。「夜のせんせい」(2014)などのTVドラマ、舞台、CMなど多方面で活躍中。他の主な映画出演作は、『ひゃくはち』(2008)、『感染列島』(2009)、『アントキノイノチ』(2011)、『桐島、部活やめるってよ』(2012)、『男子高校生の日常』『人狼ゲーム』(共に2013)など。最新作は、『ほとりの朔子』『私の男』『sala』(いずれも2014)など。

“男”の父

信じられない力を持つ息子を恐れ、怪物と忌み嫌っていた。日常的に暴力をふるっていた妻に逃げられるが、居場所を突き止め、息子を捨ててやり直そうと迫る。

三浦誠己

1975年11月16日生まれ。和歌山県出身。1996年『岸和田少年愚連隊』でスクリーンデビュー。豊田利晃監督『青い春』や、行定勲監督『きょうのできごと』出演で注目を集め、個性派俳優として高く評価されている。他の主な映画出演作は、『血と骨』(2004)、『ゆれる』(2006)、『闇の子供たち』(2008)、『アウトレイジ』(2010)、『冷たい熱帯魚』(2011)、『彼女について知ることのすべて』(2012)、『さよなら渓谷』『人類資金』(共に2013)、『私の男』『木屋町DARUMA』『円卓』『無花果の森』(いずれも2014)など。

押切奈々

警視庁の特別捜査官。文化人類学と遺伝子工学に精通し、FBIでの特殊科学捜査研修を経て本事件に投入される。雲井の死に関して終一を事情聴取する中で、疑心暗鬼ながらも事件に巻き込まれていく。

藤井美菜

1988年7月15日生まれ。2006年、『シムソンズ』で映画デビュー。その後TVドラマ「ブラッディ・マンデイ」(TBS)、映画『武士の家計簿』(2010)など各方面で活躍。2012年より語学力を生かし、韓国でも活動を開始。2013年は、韓国ドラマ出演、富川ファンタスティック映画祭では広報大使を務めるなど、活動の幅を広げた。他の主な映画出演作に『雨の翼』『犬と私の10の約束』(共に2008)、『すべては海になる』(2010)、『人狼ゲーム』(2013)など。最新作に『女子ーズ』(2014)がある。

柴本孝雄

刑事。田中一家の交通事故を担当し、弟を守れなかったと泣く終一に同情し、以来彼の成長を見守ってきた。終一の能力を知っており、押切刑事を捜査に加える。

松重豊

1963年1月19日生まれ。福岡県出身。蜷川幸雄主宰の蜷川スタジオを経て、映画、舞台、TVと様々な作品で活躍。映画『しゃべれどもしゃべれども』(2007)にて毎日映画コンクール男優助演賞を、『ディア・ドクター』(2009)にて第31回ヨコハマ映画祭 助演男優賞を受賞。他の主な映画出演作として、『血と骨』(2004)、『孤高のメス』(2010)、『アウトレイジ ビヨンド』(2012)など。TVドラマでは、連続テレビ小説「ちりとてちん」「孤独のグルメ」、大河ドラマ「八重の桜」などがある。 ドラマでは、連続テレビ小説「ちりとてちん」、「孤独のグルメ」、大河ドラマ「八重の桜」などがある。

“男”の母

愛する息子をかばい続けてきたが、夫を死に追いやった息子に絶望する。自分の手で殺そうとするが果たせず、20年間一人孤独に生きている。

木村多江

1971年3月16日生まれ。東京都出身。舞台でキャリアをスタートし、1996年にTVドラマデビュー。2008年の初主演映画『ぐるりのこと。』で、数多くの賞に輝き、演技派女優としての地位を確立する。他の主な映画出演作は、『ワンダフルライフ』(1999)、『花とアリス』『笑の大学』(共に2004)、『電車男』(2005)、『日本沈没』『大奥』(共に2006)、『怪談』(2007)、『沈まぬ太陽』『ゼロの焦点』(共に2009)、『東京島』(2010)、『MY HOUSE』『夢売るふたり』(共に2012)など。