映画とTV、さらには音楽ではマルチプラチナム・レコード達成という幅広い活躍により、大きな成功を収めてきたエンターテイナー。米アカデミー賞に2度ノミネートされており、2006年にはミュージアム・オブ・ザ・ムービング・イメージ(ニューヨークの映像博物館)で功績を称えられた。
モハメド・アリを熱演したマイケル・マン監督の『ALI アリ』(01)でオスカー主演男優賞に初めてノミネートされ、ガブリエル・ムッチーノ監督の実話ドラマ『幸せのちから』(06)で2度目のノミネートを果たした。そのムッチーノ監督の『7つの贈り物』(08)では、全米有色人種地位向上協会(NAACP)主催のイメージ・アワードで主演男優賞を受賞。また、リドリー・スコット製作、ピーター・ランデズマン監督による『コンカッション』(15)では、プロのアメリカン・フットボール選手が脳に受けるダメージを初めて突き止め、その危険性を社会に訴えた法医神経病理学者ドクター・ベネット・オマルを演じ、ゴールデングローブ賞(ドラマ)男優賞にノミネートされた。
近作としては、グレン・フィカーラ&ジョン・レクア監督、デニース・ディ・ノービ製作の『フォーカス』(15)に主演したほか、デヴィッド・エアー監督・脚本のアクション・アドベンチャー『スーサイド・スクワッド』(16)でDCコミックスのスーパーヴィラン、デッドショットを演じた。エアー監督とは、17年に全米公開予定のNetflix製作のオリジナル映画『Bright』で再び組んでいる。また、マーティン・ローレンスとのコンビで人気のアクション・コメディ・シリーズ最新作『Bad Boys for Life』など、今後のプロジェクトも多数。
また、幅広い世代で人気を博し、キッズ・チョイス賞では『インデペンデンス・デイ』(96)で“お気に入りの映画男優賞”にノミネートされ、1997年にホール・オブ・フェイムに選ばれた。ほかには、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(99)、『シャーク・テイル』(04)、『最後の恋のはじめ方』(05)、『ハンコック』(08)などで同賞を受賞している。そのほかの主な映画出演作には、「メン・イン・ブラック」シリーズ(97,02,12)、『アイ,ロボット』(04)、『アイ・アム・レジェンド』(07)などがある。
音楽界では、DJジャジー・ジェフ&フレッシュ・プリンスでラッパーとしてデビューし、シングル「ティーンエイジャーの主張(Parents Just Don’t Understand)」(88)で、グラミー賞に新設された最優秀ラップ・アーティスト賞を受賞。その後、同じデュオでのシングル「Summertime」(91)、映画『メン・イン・ブラック』(97)の主題歌「メン・イン・ブラック」、ソロ・シングル「Gettin’ Jiggy Wit It」(98)でもグラミー賞を受賞した。また、99年にモンテカルロで開かれた第11回ワールド・ミュージック・アワードでは4部門で受賞している。
俳優、ミュージシャンとしての個人の活動だけでなく、映画プロデューサーとしても活躍。自身の製作会社オーバーブルック・エンターテイメントのパートナー、ジェイムズ・ラシターとともに多くの映画を製作してきた。その中には、前述の『最後の恋のはじめ方』『幸せのちから』『7つの贈り物』といった自身の主演作に加え、『リリィ、はちみつ色の秘密』(08)、『愛人契約』(08・未/妻のジェイダ・ピンケット=スミスが監督デビュー)、『レイクビュー・テラス、危険な隣人』(08・未)などがある。オーバーブルック社の大ヒット作には、全世界で3億4300万ドル以上の興収をあげた『ベスト・キッド』(10)、ミュージカル大作『ANNIE/アニー』(14/出演:クワヴェンジャネ・ウォレス、ジェイミー・フォックス、キャメロン・ディアス)などがある。また、13年にはM・ナイト・シャマラン監督の『アフター・アース』で製作を務め、息子のジェイデン・スミスと共演した。