ステファニー・サヴェージ ステファニー・サヴェージ
共同製作総指揮/脚本

ドリュー・バリモアの製作会社で働いた後、製作者で監督のマックGと組み、ステファニー・サヴェージは「The OC」の立ち上げに尽力した。彼女は精力的に、番組のすべての要素に注意を払い、ファースト・シーズンのヒットに貢献した。

エンターテイメント業界に入ったきっかけは?
ステファニー・サヴェージ(以降、SS):アイオワ大学に在学中、博士号を取るための論文のリサーチをするために1995年にロサンゼルスに来た。それでドリュー・バリモアのフラワー・フィルムズの設立にかかわることになったの。そして「チャーリーズ・エンジェル」の1作目にも携わった。

聞いたところによると、あの映画の製作は困難を極めたとか・・・
SS:「チャーリーズ・エンジェル」の製作は最悪だったわ。初めからトラブル続きで。結局、脚本は最後まで完成しなかった。だから私もあの映画には苦労させられた。いつもなら、映画を作る時、私は上の人と脚本家と物語を練って、それでおしまいって感じなの。撮影現場には、週に一度ほど顔を出すぐらい。でも「チャーリーズ・エンジェル」は初めからトラブってたから、撮影現場に寝泊まりしてたわ。そこで監督のマックGと知り合ったの。

後にマックGとはワンダーランドという製作会社を立ち上げますよね。どういう経緯でパートナーになったんですか?
SS:「チャーリーズ・エンジェル」の製作中、密接に関わっていて、クランクアップ後も一緒に働いてたの。それでワンダーランドを立ち上げた。今は社員が12人いて、ソニー・ピクチャーズと映画の契約を結んでいたり、ワーナー・ブラザースとテレビの契約も結んでるわ。

「The O.C.」のコンセプトはどのように生まれたのですか?
SS:オレンジ・カウンティを舞台にした作品を作ろうとマックGと話していたの。マックGの故郷なのよ。とても興味深い地域だと思ったわ。保守的な共和党寄りの価値観、富とゲートで仕切られた住宅地がどこかレーガンっぽくて妙な緊張感を生み出している。その一方でカリフォルニアのスケートボードとサーフィン文化の中心地でもある。ノー・ダウト、ソーシャル・ディストーション、サブライムといった、めちゃくちゃクールなバンドが誕生した地でもあり、マックGはそんな環境で育った。すごく面白い場所だと思ったわ。あそこにはカントリークラブとロック・クラブが混在していて、父親たちがゴルフをしている時、子供たちがストリートでパーティーしてる。掘り下げるには絶対に面白い地域だと思った。

ジョシュ・シュワルツとの出会いは?
SS:オレンジ・カウンティを舞台にどんなストーリーを思いつくか大勢の脚本家たちに当たってみたの。それでジョシュはすぐにすばらしいドラマシリーズのアイデアを持ってきた。その後、彼と組んで構想を練り上げ、ワーナー・ブラザースとフォックスに売り込みに行ったのよ。

あなたとマックGが考え出してから、製作にこぎつけるまでにどのくらいかかりました?
SS:そのころの記憶はあいまいなの(笑)。でも数週間ってとこでしょうね。ジョシュに会ったのが6月か7月で、8月の終わりには売り込みに行ってた。

テレビ業界の視点から見ると、ジョシュはかなり若手ですよね。そのことが売り込みの弊害になったりはしませんでしたか?
SS:番組製作作やパイロット版を作ることに弊害はなかったわ。ジョシュは既に2作のパイロット版を手がけていたし、私たちの会社も1作をフォックス向けに作っていたから。その辺はまったく順調だった。でもいざシリーズの製作に入るとなった時、もっと経験豊富なベテランを呼んできたほうがいいんじゃないかという意見が出た。
何人もの人がその候補に挙がったけれど、ジョシュと私は拒み続けた。そのままパイロット版を作って、第二話に取り掛かろうとしていた時、陽気なボブ・デラウレンティスと出会い、彼に加わってもらった。ジョシュはシリーズ全体を手がけたことがなかったから、脱線しないように管理してくれる人が必要だったの。

「The OC」でのあなたの肩書きは共同製作総指揮ですよね。具体的にどういう役割を担っているんですか?
SS:テレビ界では、肩書きからその人がどんな仕事をしているか分からないものなのよ(笑)。肩書きは契約上のもので、それまでに何本手がけてきたかによって変わる。例えば初めて手がけた番組で私は“製作”とされた。二つ目は“製作監修”。そして初めての番組のセカンド・シーズンでは“共同製作総指揮”とされ、今はすべての番組で“製作総指揮”と明記されている。仕事の内容とは関係ないの。
私の仕事は脚本書きよ。ファースト・シーズンでは“クリスマカー”と“テレノベラ”の回を書いた。セカンド・シーズンでは3話書くわ。

「The OC」は登場人物が多く、いろいろなストーリーが混在しています。そして、さまざまな脚本家たちがそれぞれエピソードを手がけていますよね。混乱はないですか?
SS:脚本家は最小限だし、すべては放送前に必ずジョシュの目を通すから、内容の管理は万全よ。“シュワルツ・フィルター”にかけてるからね(笑)。

マックGはニューポート・ビーチ育ちで、ジョシュも南カリフォルニア大学に通っていたころ、その地域の出身者と出会っていると聞いています。それ以上にオレンジ・カウンティとそこの住人について、どのようなリサーチをされたんですか?
SS:マックGの家族がいるから、ニューポートにはよく行ったわ。そして例えば番組のアイデアを考えるような時、マックGはニューポートにあるフォー・シーズンズ・ホテルにこもるのが好きなの。だから私も番組に登場するいろいろなところ、例えばシーフード・レストランやバルボアのバーなどに実際足を運んだ。
マックGのお姉さんも私的な情報源よ。彼女には大学生と高校生の子供が3人いて、舞踏会に出席し、チャリティ活動もしていて、とっても参考になるの。

「The OC」のストーリーやセリフは全国ネットのドラマとしてはギリギリをついているところがありますが、そういった意味で危ういと考え、却下したアイデアはありますか?
SS:脚本段階では特にそういうことはないけど、ちょっと危険すぎるかもということでカットしたシーンはあるわ。“テレノベラ”の回でサマーが初めてオーガズムを経験するシーンを書いたんだけど、脚本段階では放送倫理規定をパスして、試写でもオーケーが出た。でも最終版を見るころ、ちょうどスーパーボウルでのジャネット・ジャクソンの件があって、結局カットされることになった。そのうえサマーがセスに“されるがままになって”と言い、彼女の好きなようにするところも省かれた。
私は心底腹が立ったから、ニューヨーク・タイムズ・マガジン誌に“夏(サマー) がイかなかった年”ってコラムを書いてやろうかなんて冗談で言ってたわ。同じ週に放送された「エバーウッド 遥かなるコロラド」というドラマでは、少年が童貞を失うシーンが許されていた。こっちは時代の先を行く局なのにって不公平に思ったわ。
でもジョシュが何人かの記者にそれを話し、ロサンゼルス・タイムズ紙で取り上げられたから、救われたわ。ファースト・シーズンのDVDにはそのシーンが挿入されたの。うれしかった(笑)。テレビ局の人を責めるつもりはないわ。彼らは厳しい監視の下、番組を作っているんだもの。ただ、あの瞬間は猛烈に腹が立った。

ストーリーに関して、視聴者が期待しているということでプレッシャーを感じますか? それともファースト・シーズンが好評だったことで、それほど気にしてませんか?
SS:難しくなったとも、簡単になったとも思ってない。ファースト・シーズンの楽だったところは、まだすべてが白紙だったことね(笑)。出会いがあって、初めてのセックスがあって、親とのケンカがあって、すべての既婚カップルが危機にさらされた。
セカンド・シーズンの難しいところと言えば、例えばファースト・シーズンで誰かが妊娠したり、ジュリーがルークと寝たりしたけど、今度は他のキャラクターを妊娠させるとか、ジュリーをまた誰かの元彼と寝させるとかできないことね(笑)。 だから新しいひねりや展開を考えなければならない。でも逆に言えば、ファースト・シーズンで起こった出来事を踏まえると、新たなコンビや展開を考えるのが楽になる。

セカンド・シーズンでは、新たにどんなキャラクターが登場するんですか?
SS:4人の新キャラクターを加えることで、若者たちの関係に変化をつけるわ。まだ現段階ではレギュラーになるかどうかは分からない。どのくらい絡んでくるか見ものよ。ファースト・シーズンの2人の少年と2人の少女に加え、新たに2人の少年と2人の少女が登場するわ。

どのキャラクターを残して、どのキャラクターを去ることにするかの判断をするうえで、視聴者の意見に関心を向けますか?
SS:向けることもあるし、向けないこともある。例えばアンナを演じたサミーア・アームストロングはお気に入りだったし、アンナという役柄も気に入っていた。実際、ある週末に私のオフィスにジョシュといて、彼がアンナが去る回の脚本を私に手渡し、読んでいてと言い残してトイレに行って、戻ってくると私はデスクで泣きじゃくっていた(笑)。 私は泣きながら彼に“アンナがピッツバーグに帰っちゃった。彼女、戻ってくるわよね?”って(笑)。 彼は“君が悲劇のヒロインなのかい?”って。
サミーアは元々、一話だけ出演するはずだったんだけど、みんな彼女が気に入ったから、しばらく出続けたの。でも、セスとサマーとアンナの関係については書き尽くしてしまったから、仕方がなかった。みんなアンナに入れ込んでいたから、つらかったけどね。
質問に答えるわ。もし、ある登場人物に対して他の俳優や視聴者の反応がよかったら、そのキャラクターにまつわるいろんな展開が思いつくようになるから、それをムダにはしないわ。

脚本を書いてるとおっしゃいましたが、ファッションや音楽やキャスティングなどにも関わっているんですか? どの部分に一番充実感を覚えます?
SS:私はすべてに首を突っ込むわ。一つのことをずっとやり続けると飽きるタイプなの。脚本を考えるのも好きだし、編集に立ち合うのも好きよ。この番組は最高の編集者がそろってるの。衣装は重要視しているから、コスチューム・デザイナーとも綿密に打ち合わせてる。昨年はジュリー・クーパーのウェディング・ドレスのデザインをアレクサンドラ・ウェルカー(コスチューム・デザイナー)と考えていて、とっても楽しかった(笑)。 いろんな雑誌を見て、使えそうなものをバインダーにまとめたの。ジョシュが“僕はそういうものに疎い”って言うから、私たちが楽しみながら練り上げた。
音楽に関しては、パイロット版の時ほどは入れ込んでないわ。そこはジョシュの領域だからね。でもライブを見に行くのは好きだし、脚本に曲の指定を入れるのも好きよ。



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