映画『ブルーピリオド』の主人公である矢口八虎は、「絵画」というやりたいことに出合えたことで、
初めて自分の人生に手ごたえを感じ、困難にぶつかり、苦悩しながらも前に進んでいきます。
そこで「わたしのブルーピリオド」と題して、自分自身が迷ったり、悩んだり、決断したことについてキャスト・スタッフ共に語ってもらいました。
インタビューは毎週更新していきます。お楽しみに。
初めて自分の人生に手ごたえを感じ、困難にぶつかり、苦悩しながらも前に進んでいきます。
そこで「わたしのブルーピリオド」と題して、自分自身が迷ったり、悩んだり、決断したことについてキャスト・スタッフ共に語ってもらいました。
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原作者:山口つばさ
映画化のお話をいただいた時には、絵を描くシーンも多くカロリー高めな作品なので「こんなに大変な作品を実写化してくれるんですか!?」という気持ちでした。監督を始め、制作チームの方々が原作を好きでいてくださること。またどのような作品にしたいかが明確だったため、ぜひお願いしたいなと思いました。萩原健太郎監督は、常に観客に向かって映画を届けようと考えていらっしゃったように感じています。そういう萩原監督にお任せできて、本当に良かったなと思っています。キャストの皆さんはちょっとこちらが嫌になるくらい、皆さん絵がお上手で。役者さんってすごいな、なんでもできるのか……!と思うと同時に、相当な時間をかけて絵の練習をしてくださったんだなと感激しました。油絵は、画材としての扱いがとても難しいのですが、それも皆さんきちんと使いこなされていて、画材に振り回されているような人がいないのも驚きでした。また眞栄田さんにお会いした際には「同級生の矢口くん」に会ったような、気まずさすらも感じてしまうほどでした。「こういう時には、八虎はこういう話し方をするんじゃないだろうか」と萩原監督に提案されている姿などを拝見して、とてもストイックですばらしい俳優さんだなと思いました。
個人的には、美術部の子たちが楽しそうに流しそうめんをやっているシーンも大好きです。原作でもやれば良かったなと思いました(笑)。自分の中では「ああいうこともやりながら部活動をしているんだろうな」と想像はしているんですが、どうしても漫画だとストイックなシーンが多くなってしまうんですね。八虎も美術部の一員だったんだと実感できるシーンも多く、そういった時間を感じられたのがとてもうれしかったです。
私は小さな頃から絵を描くことが好きで、「好き」だという思いの延長線上として今があります。漫画を描き始めたのは、大学在学中のことです。改めていろいろな漫画を読むようになって、「面白いな」「私も漫画を描いてみたいな」と思ったことがきっかけです。
「漫画ってすごいな」と思うのは、読者がその中で起きている出来事を追体験できることです。そこで自分がやりたいこと、表現したいものは、漫画という媒体が合っているのかなと思うようになりました。今感じているのは、漫画家という仕事は「ものすごく楽しいな」ということです。いろいろな出会いや発見ができる仕事でもあり、またファンレターをいただいて、読者の皆さんが自分では意図していなかった部分まで感じてくださっていると、その熱量をバシバシと浴びて意欲が湧いてきます。
映画『ブルーピリオド』をいち観客として観ても、何かを始めるような初期衝動が伝わってきて、私自身も背中を押されたような気持ちになりました。決断したり、変化したりする時の熱量や痛みまでを、皆さんにも感じてもらえたらとてもうれしいです。