監督メッセージ

  1. 監督メッセージ

監督メッセージ

何をやってもいい-共通点は“自由な笑い”

『勇者ヨシヒコ』は、パロディの仕方やキャラクター作りに関する笑いの方向性、面白いと思うベクトルの方向性が空知先生の『銀魂』と似ていたんじゃないでしょうか。空知先生が「福田雄一ならいいんじゃない」って言ってくださったのは、おそらく先生も『ヨシヒコ』を観て『似てるな』って、共鳴するものがあったんじゃないかと思っています。劇中、『ヨシヒコ』的な笑いは、『銀魂』でも違和感がなかったと思います。『銀魂』のテイストにハマったというか。『ヨシヒコ』もそうですが、時代設定とかをクリアにするために『ドラゴンクエスト』をもってきたわけで、『銀魂』も宇宙人に支配されているわけだから正直、自由に何をやってもいい。そういう、笑いに自由なところが非常にマッチしたのかもしれません。

やっぱり『銀魂』が大好きだから──キャラクター作りに込めた想い

僕は基本的に、原作が好きだったらガッツリ原作に寄せていく方なんです。原作ファンの方にも満足して欲しいという思いも絶対あるし、「俺風に変える!」的な野望もないですし。少しだけ書き換えた部分もありますけれど、でもやっぱり僕も『銀魂』が大好きだから、ビジュアルから喋り方まで役者さんに原作に寄せていってもらいました。寄せなかったのは二朗さん(佐藤二朗)だけです。神楽に関して言えば少し喋りに特徴があるので、空知先生にも「~アル」は実写で大丈夫か聞かれたんです。でもやっぱりそれは実写でも言うべきだし、キャラクターと喋り方は直結していますからね。橋本環奈ちゃんには、そのイントネーションとアルが自然に聞えるように、というリクエストはしていました。皆とても理解した状況で現場に来ていて、現場の空気も原作と似ていることに喜びを感じていて。似せようとは誰も思ってないと思いますね。自然に似てきた。だから実写版のキャラクターとして、カッコいいな、面白いな、という正しい地点に着地した気がします。実写版のキャスティングとして成功して、本当に幸せだなと思います。

『銀魂』でしかありえない異色のアクション

僕と小栗くんの共通認識として、ただのチャンバラじゃ面白くない、と。『銀魂』ならアクロバティックのほうが面白いよなあ、ということで、そうしたら小栗くんが韓国のアクションチームを提案してくれたんです。僕の好きなアクション映画『キック・アス』とか『キングスマン』のアクションシーンみたいな感じで、踊るように戦っているのがまさに『銀魂』らしいなと思いました。一連の殺陣をぶっ通しで撮影するわけではないので照明のセッティングとかとても時間がかかるんですが、とても充実した仕上がりになりました。

実写版『銀魂』の使命を胸に・・・

「これは実写化して画にできるのか」という、とてもハードルの高い原作もあると思いますが、『銀魂』は、実写化するにあたっての画が見えた、というのがやはりとても大きかったと思います。大丈夫なんじゃないか、いけるんじゃないか、という計算が立った。ふざけるところはちゃんとふざけて、馬鹿なことは馬鹿なことでちゃんと笑いにして、結果、最終的に高いレベルのアクションも実現できた、というのが、この作品の成功の鍵じゃないでしょうか。日本ではこういったギャグ映画は当たったことがない。僕はそこに実写化の使命感を持とうと思っています。「これだけヒットしたんだ!」って実現させたい。それが『銀魂』の使命だと思います。

一覧に戻る

PAGE TOP