❖キャスティング
桜井日奈子&吉沢亮&ラブストーリーの神たちの奇跡のキャスティング
今、『ママレード・ボーイ』を実写化できた大きな理由は、主人公の光希と遊のキャスティングだった。最重要視されたのは、スター性と実力はもちろん、一番こだわったのは、見たことのない組合せであることだった。『銀魂』をはじめ2017年に5本の映画に出演した吉沢亮に関して「あれだけの顔面を持っているのに、それを全力で使ったことが一度もない。若手俳優のなかで遊を演じられるのは彼以外考えられなかった。彼の存在こそ、今『ママレ』を実写化が実現できる理由でもあった。」と語るのは、『オオカミ少女と黒王子』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』で吉沢の異なる魅力を引き出してきた松橋真三プロデューサー。そして“岡山の奇跡”として一躍注目を集めている桜井日奈子に関しては「とにかくフレッシュであること、色が付いていない女優であること」も決め手となった。絶大な人気を誇るマンガ原作であるほど、読者は自分なりのヒロイン像を持っている。これまで演じてきた役柄や俳優自身の印象が固まっていない女優という点でも、桜井日奈子が今このタイミングで女優として走り出したことが作品にとって運命の出会いとなった。光希の幼なじみの銀太には、EXILE、FANTASTICSのパフォーマーであり俳優としても活躍する佐藤大樹。「底抜けに明るくて性格もいい、銀太そのものだ!」とハマり役に。光希の親友・茗子役も桜井と同様にフレッシュさと未来のある女優であること、加えて大人感・クール感を兼ね備えているという点で、優希美青が抜擢された。そんな若手俳優をサポートするのは、中山美穂、檀れい、谷原章介、筒井道隆だ。彼らが演じるのは光希と遊の両親だが、2組のカップルは旅行先で出会い、恋に落ち、お互いがパートナーを交換して再婚。そんな突拍子のない非現実的な設定にどうしたらリアリティを持たせるか──原作が誕生した90年代に人気トレンディドラマや宝塚の舞台で恋愛を演じてきた“ラブストーリーの神たち”が親を演じるのであれば、説得力が生まれるのではないかと白羽の矢が立った。彼らは全員1970〜72年生まれで年代を合わせているが、実は4人とも初共演! 両親S(りょうしんズ)にとってもありそうでなかったフレッシュな顔合わせとなった。子供も大人も、パズルのピースがはまるべき場所にはまった、パーフェクトにして贅沢なキャスティングが実現した。