そして、バトンは渡された

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2021.11.11

出演者がついに語る!『そして、バトンは渡された』に隠された<命をかけた嘘>と<秘密>。映画『そして、バトンは渡された』オフィシャルインタビュー



※本作の《嘘と秘密》に関わる重要なネタバレを含んでおります。ぜひ本編鑑賞後にご覧ください。

血縁関係こそ一切ないものの、血よりも濃い確かな愛と絆で結ばれた"2つの家族"――否、"ひとつの家族"。全国で多くの人たちの涙腺を崩壊させている本作だが、いわゆる大きな【ネタバレ】があるゆえに、キャスト陣はプロモーション期間中にかなり苦労したとか。今回は主演の永野芽郁さんと共に、田中圭さん、石原さとみさんも揃い【ネタバレ解禁!】の貴重な豪華鼎談をお届けします。「やっと話せる!」と笑顔を見せる3人の姿は劇中同様どこまでも和やかで、終始あたたかい空気に満ちていました。


■改めて優子(永野芽郁さん)と、梨花(石原さとみさん)の関係性について教えて下さい。

永野:実は私達……。
永野&石原:親子でした!
田中:フフ(笑)。
石原:でも宣伝期間中はそれを言えないので、すごく大変でした!たくさん語りたいことはあるのに言えないし、「2つの家族って何?ひとつなのに……」って思いながら。取材を受ける時、難しくなかった?
永野:私は森宮さんとのエピソードが結構あったのでそっちをメインに話すようにはしてましたけど、お母さん(梨花)のことについてひとつも触れられないから……。ギリギリな感じでした(笑)。
田中:僕は芽郁ちゃんと取材を受ける機会が多かったんですが、途中から芽郁ちゃんが「2つの家族」という言葉を言わないようにしていて。2つじゃなく同じ家族だから言いたくないんだろうなっていうのはすごく分かって。ただ、それによって悩んでいて(笑)。その様子も含めて、僕は素敵だなと思って見ていました。
永野:なんで助けてくれなかったんですか~!?
田中:いや、助けたかったけどね!気持ちはすごく分かるなと思って。家族を別々の表現にしたくなかったんだよね?
石原:すごく分かります。だって1つの家族だもんね。


■永野さんと石原さんの共演シーンは1つだけですが、現場でお会いした時はどんな心境だったのでしょう。

永野:1週間前くらいから初めてお会いできるというのが分かっていたので、なんだかずっとソワソワしていました。自分がずっと見ていた先輩、石原さとみさんというすごい女優さんに会える!という気持ちと、ようやくママと久々に会えるんだ!という気持ちと。シーンの中では会ってはないんですけど、台本の中でみぃたん(稲垣来泉さん)のセリフも自分のセリフだと思ってずっと読んでいたので、複雑な気持ちを持って現場に行きました。実際石原さんとお会いした時は、すごく感動しましたね。
石原:本当に(撮影とは別に)カメラを回しておいてほしかったくらい、感動的な瞬間でしたね。それまでみぃたんへの愛情も育っていましたが、芽郁ちゃん演じる優子ちゃんへの愛情も育ててきたので「やっと会えた!」と震える気持ちでした。優子の卒業式のシーンだったんですけど、ピアノを弾いている我が娘を見て「すごくがんばったんだな。上達したなぁ」と。梨花の中でみぃたんとの想い出がフラッシュバックするシーンも出てくるので、現場にみぃたんもいたんですよ。それを見ながらさらに泣けてきちゃって……。短い時間でしたけど、本当に尊い時間でした。
田中:僕はあのシーンは、「芽郁ちゃん(ピアノの練習を)よくがんばったよ!」って言う気持ちもあって感動しました。本当にすごいなと思いました。


■田中さんはそんな2人の間に立つという、ある種特殊な立ち位置のキャラクターでした。

田中:不思議な感覚は終始ありました。2人が互いのことをすごく想い合っているのを分かったうえでその真ん中にいる人なので、モヤモヤみたいなものはあって。終盤に優子から「森宮さんがしっかりしてないからじゃん!」と怒られるところは、内心「ほんとそれ!」と思いました(苦笑)。
石原:でも圭くんとはこの作品の直前まで別の作品でも共演していたんですけど、「森宮さんはすごく素敵な役だから!」って私はすごく熱弁してましたね。
田中:確かにそうでした。
石原:完成作を見ても圭くんが演じる森宮さんの優しさ、あたたかさが画面からちゃんと香ってくるんです。私(梨花)は優子のために本当にいい男性を選べたなと思って安心しました。
田中:嬉しいですね!
石原:でもこれまでも共演は多いけど、やっと(役で)結婚できましたね!
永野:アハハ(笑)。
田中:確かにそうかも。
石原:ずっと想い合ってるのに成就しない2人っていう設定が、今までは多くなかったですか?
田中:でも今回も結ばれたんだか、結ばれなかったんだかよく分からない感じ……。
石原:やっぱり圭くんと結婚するとこんな感じなんだなって。成就したのに一瞬で離れちゃうっていう(笑)。
田中:すごく嬉しそうに言うじゃないですか!(笑)でも共演もさることながら、石原さんとはプライベートでも気軽に話せる関係性なので、そこは安心感しかなかったです。あと僕は完成作での優子ちゃんを見ながら、こんな素敵な子のお父さんになれたのは嬉しいなぁって一人でドヤ顔をしていました。自慢の娘でしたね。
永野:私も演じながら「こんな素敵なパパ、なかなかいないよな」って思ってました。


■田中さんが森宮さんの目線で見てみた時、優子と梨花は似ていましたか?

田中:そうですね……。頑固なところかな。あとカラフルな洋服が好きなところ。
石原:それは私も嬉しかったところです。梨花が優子をカラフルにさせたので、私がいなくなってもちゃんとカラフルな服が好きな優子ちゃんでいてくれたのを映像で見て、嬉しいなぁって。
永野:今回は梨花さんとみぃたんのシーンの映像を事前に見せていただく時間があったので、私がそこにいなくても梨花さんや森宮さん以外のお父さんたちと過ごした時間も自分の中ではちゃんとあるような感じがしたんです。でも完成作を見ると脚本やいただいていた映像とはまた違う、自分では全然想像していなかった場面でこんなに感動するんだ!と思って。想像を超えたところで違う感動を与えられた気がするし、自分が出ている作品でこんなに感動できるんだっていうのは改めて思いました。あと撮影の前から、みぃたんを演じた稲垣来泉ちゃんと雰囲気が似ているといろんな方に言われていたんです。自分ではあまり分からないけど、涙の出し方が似てるなって完成作を見て思いました。
石原:似てる!ビックリするくらい似てました!あれは似せたわけじゃないの?
永野:似せてるつもりは全然なかったんです。寄せようと思っても寄せられるものじゃなかったので……。でも映像で来泉ちゃんの演技を見て、「あんなにぽろぽろ涙を流せるんだ!すごい!」と素直に思いました。


■最後にそれぞれのおススメシーンを教えてください。

永野:泉ケ原さん(市村正親さん)の家に行って悲しい事実を聞かされた時、優子はすごく泣いていて森宮さんがハンカチをくれるのに「泣いてないよ」って言うんです。優子には梨花さんの笑顔の教えがずっとあって、それを心に宿しながらこれからも生きていくんだろうなって思える大好きなシーンです。
田中:これまで喧嘩をしたことがない……"喧嘩できなかった"森宮と優子が、初めてお互い感情的になって喧嘩をするシーンは個人的にめちゃくちゃグッときました。2人の関係性がより深まった感じがしましたね。
石原:私は自分が出ているシーンではないんですが、早瀬くん(岡田健史さん)とお母さん(戸田菜穂さん)の親子像がとても現代的な感じがして印象に残っています。この複雑な森宮親子を羨ましがっている岡田くんの表情がすごく印象的で、後にカップルになった優子と早瀬くんが水戸さん(大森南朋さん)に会いに行くシーンも、複雑だけどなぜかあたたかい気持ちになれました。