ポン・ジュノ
(映画監督)
私たちが生きるこの世界は、適応すべき価値がある場所なのか?と突きつけられた。とにかく実に深く、遥か先まで進んだ映画だ。
本木雅弘
(俳優)
幸福と鉛とを交互に飲み込む西川さんの作品には、他にはない滋味深さがある。現実を転写したスクリーン上にみるみる零れる切なさと愛お…
小泉今日子
(女優など)
誰かが空を見上げ、美しいと感じる瞬間がある。その瞬間の空には、わたしを含め個々の行動が反映されているのかもしれない。素敵な映画…
YOU
(タレント)
右手に 柔らかく 包み込まれた秋桜が 優しい色で 尊くて あぁ 人と交わした 証って きっと こういうものかなぁ って 慎まし…
角田光代
(作家)
ただしいもまちがいもない、このようにしか生きられないひとりの人の姿が在る。その静かな重みに圧倒される。
操上和美
(写真家)
生きることは自分の性(さが)との戦い。夢、希望も絶望もすべて捨て 今を生きる役所広司が圧倒的に光る。
尾崎世界観
(クリープハイプ)
ころころと変わる主人公三上の表情が、季節みたいだった。それを観てる自分も、脱いだり着込んだり傘をさしたり、忙しくて楽しかった。…
倉本美津留
(放送作家)
人はいくつになってもやり直せるのか?いくつになっても成長できるのか?答えはYESである。たとえこの映画の主人公のような人物でも…
宇野維正
(映画ジャーナリスト)
「役所広司×西川美和?そんなの傑作になるに決まってるじゃん」という期待を遥かに超えてきた。清と濁。重さと軽さ。笑いと涙。実話を…
久米宏
小学生の頃から映画館に入り浸っていました僕に言わせると入れ墨の人物が出てくる映画は面白いです。「すばらしき世界」とは映画の世界…
辻村深月
(作家)
なぜ、作家や監督は他者の人生を描くのか。普遍的なその問いに対する答えのすべてが、この映画の中にある。観て、本当によかった。
名越康文
(精神科医)
役所広司・炸裂 生きて生きまくれ。そうしてこの世界を、悲しみで切り裂いてくれ。
佐々木ののか
(文筆家)
純粋すぎるが故に人とぶつかってしまう一匹狼の“殺人犯”。彼の目を借りて見るこの世界は、醜さもやさしさもあまりに過剰で、素晴らし…
武田砂鉄
(ライター)
用意されたレールをまっすぐ進んでいくのに脱線してしまう。社会は、それを個人のせいにする。曲がっているのは、個人なのか、社会なの…
山下敦弘
(映画監督)
“生活する”という事と“生きる”という事は似ているようで全く別なんだと、この映画を観て気付かされました。主演の役所さん本当にす…
燃え殻
(作家)
自分はこの映画を途中から「映画」だと思って観ていませんでした。「他人事」に観えなかったからです。「自分事」として観てしまいまし…
是枝裕和
(映画監督)
役所広司という稀有な役者を迎えて、滑稽なまでに不器用なひとりの男の半生を、励まし、凝視め、笑い飛ばしながら、物語の先の先まで辿…
笠井信輔
(フリーアナウンサー)
すばらしき役所広司!喜怒哀楽、ここまで豊かな感情表現を折込んだ役所さんを見たことがない。正義感と凶暴性を兼ね備えた主人公から目…
糸井重里
(「ほぼ日」代表)
目を離せる時間が、まったくなかった。これだけ丁寧につくられた理由は、すべての登場人物への「敬意」だったのではないか。そう考える…
峯岸みなみ
(AKB48)
「大事なのは誰かとつながりを持って、社会から孤立しないこと」特に胸に響いたセリフです。私自身はもちろん、今の時代を生きるすべて…
北村薫
(作家)
この映画における《罪》の反対語は《普通》です。間を隔てる格子を越え、戻って来た者は普通になれるのか。また、罪なくして普通の立場…
オダギリジョー
(俳優)
もし人生をやり直すなら、総理大臣になるか、この男になるか?一瞬の悩みもなく、この三上という男になりたいと思った。というより、日…
川上洋平
([Alexandros])
生きてる理由がわからないまま生きていいのかな? と戸惑う昨今 息をして飯が美味ければ それで良し そう言われた気がした ラッキ…
15秒CM(ドラマ編)
15秒CM(問題作編)
30秒CM(ROLANDコメント)
3時のヒロイン コメントCM
予告編(ショートver)
本予告
特報
2021/1/29
ROLANDコメント特別映像 解禁!!
2021/1/8
ポン・ジュノ監督からのロングレター公開
2020/12/25
ポン・ジュノ監督ほか各界絶賛!称賛コメント続々到着
2020/11/25
ポスタービジュアル&予告編解禁!!
2020/10/30
第56回シカゴ国際映画祭【観客賞】受賞!
『パラサイト 半地下の家族』
ポン・ジュノ監督 ロングレター公開
常に人間の心の奥底までレンズを向ける西川美和監督と、
長年にわたって数多くの異なる魂を表現してきた名優・役所広司の出会いは、
それだけですでに観る者の心をときめかせる。
果たして、
映画が始まってものの数分で、
私たちは役所広司という俳優ではない、
不遇な生い立ちを背負った一匹狼の元やくざ、三上という生々しい生き物を目にすることになる。
表情や目つき、わずかな手の動きや仕草で
主人公の人生の履歴を余すところなく表現してしまう
役所広司の驚くべき説得力にあらためて感服した。
更生と救いに至る険しい道のり。
互いに衝突する個人の本性と社会の束縛。
この不滅の主題の中心に向かって歩を進め、探求を深めていく西川監督の力強い足取り。
その歩幅は広く、果敢だ。
さらに驚くべきことは、
主人公を見つめる冷静でありながら、同時に人間的な眼差しである。
監督と映画は決して三上という人物を正当化、または合理化しようと努めない。
その冷静さの中でも、私たちには同時に三上への強烈な憐憫の情が湧いてくる。
なぜそれが可能になるのか?私には知り得ない。
映画の不可解な魅力だと言うよりほかないだろう…
とにかく私たちはその過程で、アジアの大俳優・役所広司がある若い男の脇腹を食いちぎりながら爛々と目を輝かせる、奇異な名場面も目撃することになる。
常に繊細ながらも卓越した西川監督の映画的な息づかいに
佐木隆三原作のエネルギーと笠松則通撮影監督のタッチが加わり、
さらに生き生きとした映画的な迫力とニュアンスを湛えた作品が完成した。
世俗的な人間の不安定な肖像を見事に演じた仲野太賀、長澤まさみ。
そして、三上を応援しながら助ける小市民の温かい姿を見せてくれた助演俳優たち。
俳優たちの調和のとれたアンサンブルを作り上げた監督の思慮深さ…すべてが輝いている。
特筆すべきことは、
このすべての映画的な結実を積み重ね、監督がさらにもう一歩踏み出している点だ。
ついに三上が社会の一員として適応していく心温まる後半部を迎えたとき…
監督はあらためて問う。はたして私たちが生きるこの世界が適応すべき価値のある場所なのか?と。
ネタバレを避けるため、ここで筆を擱かなければならないが、
とにかく、実に深く、遠くまで進んだ映画だ。
西川監督と製作陣の皆さまに尊敬と感謝の気持ちを送ります。
ポン・ジュノ
(映画監督)