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「早押しクイズ」って、問題も文章だし解答も文章だし、実はとても小説と相性がいいのではないか―― という仮説から始まった作品が、こうして映像化されることになって、原作者としても非常にワクワクしております。 クイズと小説は相性がいいとはいえ、文章に移し替えることでいくつかの要素を表現しきれないのもまた事実です。 解答者の表情や息遣い、ボタンを押したあとの緊張感、体の動きや細かな仕草、そしてピンポンの音。 吉野監督の手によって、原作で伝えきれなかったクイズの魅力がみなさまの元へ届けられることを、今からとても楽しみにしております。
クイズという宇宙を、言葉だけで極上のエンターテインメント小説に変換してしまった唯一無二の作品『君のクイズ』。 そのあまりの面白さに、気がつけば読んだ直後に映像化への挑戦を決めてしまっていました。今思えば、もう少し立ち止まって考えてからでも良かったのかもしれません。果たしてこの小説の面白さを音と映像に再変換できるのか…?その映画化という史上最大の難問に挑むことになってしまいましたので。いくつかの幸運と無数の出会いに支えられてたどり着いた、映画『君のクイズ』。自分たちなりの一つの解答を世に送り出せる日が今から楽しみです。