原作

吉住渉

Wataru Yoshizumi

吉住渉
『ママレード・ボーイ』

(集英社文庫<コミック版>)

すべての少女マンガのときめきがつまった、
1000万部突破の恋愛バイブル的大ヒットコミック。

PROFILE

1963年6月18日生まれ、東京都出身。一橋大学在学中の84年に漫画家デビュー。少女漫画雑誌「りぼん」で長期連載された人気作品「ハンサムな彼女」に続き、92年同誌で「ママレード・ボーイ」を発表。同作は累計発行部数1000万部を突破する大ヒット作品となり、94年3月から95年9月にはテレビアニメ化もされ人気を博した。ほか代表作に「ミントな僕ら」「ランダム・ウォーク」、「ウルトラマニアック」など。現在、『ママレード・ボーイ』の十数年後を描いた続編「ママレード・ボーイlittle」を月刊誌「ココハナ」(集英社刊)で連載中。

COMMENT

実写映画化

実写化のお話をいただいてとても嬉しかったです。過去にドラマ化の話も何度かありましたが、実現には至らなかったので、今回の実写化、しかも映画であることはとても嬉しくて。というのは、私自身はもともと映画好き。「ママレード・ボーイ」の前には、女優の女の子が主人公の「ハンサムな彼女」という作品を描いているので、原作者として少しでも映画作りに参加できたことは夢のようです。今後、芸能界を舞台にした作品を描くときのために撮影現場の取材ができたら……と、仙台とつくばに伺わせていただきました。シェアハウスでの撮影は、限られた空間での撮影なので、音を立てたりしてはいけない!と緊張しましたが、撮影現場は本当に楽しいですね。

桜井日奈子吉沢亮

日奈子ちゃんも吉沢くんもとても綺麗な顔なので、「カワイイなぁ」とただただ見とれていました。日奈子ちゃんは同じ女性なので遠慮なく凝視できたのですが、吉沢くんはあまりジロジロ見つめたらダメかしら……と思い、実はあまり見ていないので、次の機会に「ちょっと見つめてもいいですか?」と確認をとって、まつ毛がどんな風に生えているのかとか、あの美しい顔面を観察したいと思っています(笑)。2人が演じる光希と遊については、原作よりもシリアスになっていると感じましたが、2人とも綺麗だし、演技も上手いし、不安なことは何もなかったです。彼らの制服姿を見たときは、もう「カワイイ!」という言葉しか出てこなかった。男子の制服は原作と違っていますが、女子の制服は原作を生かしたデザインにしていただいて。本当に似合っていました。

両親S(りょうしんズ)

すごく豪華なキャスティングですよね。中山さんと檀さんは、顔が小さくてほっそりしていて、とても綺麗でした。筒井さんと谷原さんは面白い方たちでムードメーカーでしたね。そんな両親Sの4人はベテラン俳優さんなので、現場での居方も演技も余裕があって、とても楽しそうに演じているように見えました。そもそも互いのパートナーを交換して再婚、一緒に住むという両親Sの設定を思いついたのは──離婚しても仲良い人たちを描いてみたくて。結婚というのは契約なので、その契約が破棄されることもあるわけです。そういうなかでの家族関係を描くことが面白いというか……離婚が絡むといろんな展開が描ける面白さがあるんだと思います(笑)。

シェアハウス

まず、ママレード色(黄色)の外壁、屋根はグリーン、玄関のドアは赤、とてもカラフルな家でびっくりしました。家のなかも見学させていただきました。部屋ごとにネームプレートがかかっていて、ああ、そういえば漫画でも描いていたなぁと思い出したり(笑)。家のなかには家具とか小物とか絵画とか色々と置かれていましたが、どれも新しく買ったものという感じではなく、2つの家族がそれぞれ持ち寄っている、そういうこだわりがあったようです。連載当時、私はいろんな資料を寄せ集めて、それを参考に適当に描いていたので、あの6人が暮らすシェアハウスを実際に建てていただき、とても感慨深いです。

メッセージ

アニメ化、台湾でドラマ化、そして今回の実写映画化──こんなに色々と展開していただいた作品は「ママレード・ボーイ」だけなので、本当に嬉しいです。原作ファンのなかには、実写化をあまり好まない人もいますが、そう言わずに観ていただけたらと思います。もちろん、原作を知らない方にも、たくさんの方に観て欲しい。実写版で「携帯を使っていたら嫌だ」「ボイスメモじゃないと嫌だ」という意見もあるようですが、そもそもボイスメモは原作漫画には出てこないものなので……私としては、実写映画化で携帯やスマホが出てきても全然気にならないです。楽しみにしているのは、光希と遊の海辺のシーン。とても綺麗な夕陽のなかで撮影をしたそうなので、完成を楽しみにしています。

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