Story ストーリー

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筒井光は2次元を愛する超絶オタクの高校3年生。両親と弟にも心配され、学校ではまったく存在感がないが、大好きなアニメ『魔法少女えぞみち』のヒロイン・えぞみちと、オタク仲間でネコ耳をつけた親友・伊東悠人のおかげで何とか生きのびていた。この日も伊東と「リアルに触れあわず2次元の中に生きよう」と話していたが、教師に呼び出された俺様系イケメンの高梨ミツヤに命令され、身代わりに職員室に向かうことになる。同じくそこに呼び出されていたのは、不良、ビッチ、男グセが悪い、女ウケが悪い、いいのは顔だけで性格は最悪……と噂される超絶美少女・五十嵐色葉。一緒にプール掃除をすることになった筒井は挙動不審になり、色葉とふたりでプールに落ちてしまう。ブレザーを脱ごうとする色葉に、筒井がさらに挙動不審になっていると、色葉は「筒井は呼びづらいから、つっつんでいい?恋とかした方がいいよ。何ならあたしがつきあってあげようか?」と、自分のペースで切り込んでくる。思わず激高するつっつんに、色葉は冗談のつもりだったと答えて去って行く。

後日、色葉に謝るために彼女のあとをつけて書店を訪れていたつっつんは、色葉が万引きの濡れ衣を着せられているところに遭遇する。勇気をふりしぼって色葉のアリバイを詳細に説明するが、逆にストーカーに間違われる始末。次こそはヘマをせずちゃんと謝ろうと練習するつっつんの前にあらわれた色葉は、「あたしとつきあって」と意外な言葉を口にする。しかも半年間の期限付きで彼氏になってほしいという突然の告白を受けたつっつんは、新手のイジメだと疑いながらも、交際をスタート。色葉から言われた「送り迎え」「守る」「一緒にごはん」「デートする」「プレゼント」「ちゅー」という彼氏の条件に応えようと、努力をする日々が始まった。けれども色葉に想いを寄せるミツヤからは身分が違い過ぎると、手痛い仕打ちにあってしまう。

つっつんはデートのプランを練るためにクラスのヒエラルキーの上位に属している石野ありさに助けを求めるが、交換条件はミツヤとのパイプ役になること。アドバイスを受けてデートに備えるが、色葉はつっつんの家に行きたいという。緊急事態に焦りまくるつっつんだが、家族は泣いて喜び、色葉は部屋に並べられたフィギュアに引くこともなく、『魔法少女えぞみち』を一緒に楽しんでくれるのだった。「この女の子、魔法が使えるんだね。いいなぁ……」筒井が初めてえぞみちを観た時と同じ感想をつぶやく色葉。初めて意見が合ってふたりの間に不思議な空気が流れる。こんな自分でも恋をしてもいいのかもしれない。そう思った直後、色葉へのプレゼントのために着ぐるみのバイトをしていると、色葉が主治医の男性と楽しそうに話しているところを見かけてしまう。

翌日「かぶれがひどくて触るとうつるから」という謎のメールを送って色葉を避けたつっつんは、校舎裏の菜園で自分と同じような雰囲気を持つ1年生の綾戸純恵に出会う。愛するアニメの話を早口でまくし立てて盛り上がるふたり。それを見てジェラシーを感じる色葉。そんな中、リアルのややこしさに疲れたつっつんはミツヤに「彼女とは別れます」と告げに行くが、思いっきり殴られて気を失ってしまう。脳の診察をしてくれた医師は、いつか色葉が一緒にいた男性・間淵慎吾だった。このケンカをきっかけに、色葉、つっつん、伊東、綾戸、ミツヤ、石野は距離を縮めるが、みんなで出かけたキャンプではそれぞれの気持ちが交錯していく。

そして、色葉とつっつんが交際を初めて半年がたったハロウィンで、突然「私のことは忘れて」と言い残し、色葉はつっつんの元から去ってしまう。それから5年。失意のつっつんは、ふたりの思い出の場所で、偶然色葉と再会するが―。