米アカデミー賞に3度ノミネート経験をもつ。2001年、米アカデミー賞最優秀作品賞受賞作『グラディエーター』(00/監督:リドリー・スコット、共演:ラッセル・クロウ)の演技で初めて同賞最優秀助演男優賞にノミネートされた。この演技では、ゴールデングローブ賞/英アカデミー(BAFTA)賞にもノミネートされ、米映画批評会議賞と放送映画批評家協会(BFCA)賞の最優秀助演男優賞を受賞した。
06年、リース・ウィザースプーンが米アカデミー賞主演女優賞に輝いた伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(05/監督:ジェイムズ・マンゴールド)で、伝説のシンガーソングライター、ジョニー・キャッシュを見事に演じ切り、最優秀主演男優賞部門で同賞に2度目のノミネートを受けた。この演技では、ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門最優秀主演男優賞を受賞し、BAFTA賞/全米映画俳優組合(SAG)賞/BFCA賞/シカゴ映画批評家協会賞にもノミネートされた。
3度目は、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ザ・マスター』(12/共演:フィリップ・シーモア・ホフマン)の演技で最優秀主演男優賞候補となった。この演技では、ヴェネチア国際映画祭男優賞を受賞し、ゴールデングローブ賞/BAFTA賞にもノミネートされた。
13年、スパイク・ジョーンズ監督の賞受賞作『her/世界でひとつの彼女』(共演:スカーレット・ヨハンソン)に出演し、14年にはポール・トーマス・アンダーソン監督と再びチームを組んだ『インヒアレント・ヴァイス』に出演して、ジョシュ・ブローリン、ベニチオ・デル・トロ、オーウェン・ウィルソン、キャサリン・ウォーターストン、エリック・ロバーツと共演した。15年には、ウディ・アレン監督の『教授のおかしな妄想殺人』(共演:エマ・ストーン)に出演。
最近では、高評価を受けたアマゾン作品『ビューティフル・デイ』(17/監督:リン・ラムジー)の演技で、17年度カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した。近作には、同じくアマゾン作品『ドント・ウォーリー』(18/監督:ガス・バン・サント)、『ゴールデン・リバー』(18/監督:ジャック・オーディアール、共演・ジョン・C・ライリー)、『マグダラのマリア』(18・未/監督:ガース・デイビス、共演:ルーニー・マーラ)などがある。
プエルトリコで生まれ、8歳で演技キャリアを始めた。その当時、数多くのTVエピソードに出演した。86年のCBS放送シリーズにレギュラー出演していたとき、『スペースキャンプ』(86)で初めての映画出演の機会が巡ってきた。翌年、『ラスキーズ』(87)に出演し、妹サマーやキャロル・キングと共演した。2年後、ロン・ハワード監督からダイアン・ウィーストの十代の息子役に抜擢され、ハワード監督の人気ファミリーコメディ『バックマン家の人々』(89)に出演した。
そののち、95年秋に公開されたガス・バン・サント監督作『誘う女』(95)で、ニコール・キッドマン相手に高い評価を得る素晴らしい演技を披露した。次に、『秘密の絆』(97)に出演し、リブ・タイラー、ビリー・クラダップ、ジェニファー・コネリーと共演。同年には、オリバー・ストーン監督の『Uターン』(97)にも出演し、クレア・デインズ、ショーン・ペン、ジェニファー・ロペスと共演した。
98年には、『リターン・トゥ・パラダイス』(未)と『ムーンライト・ドライブ』でビンス・ボーンと共演したのち、ジョエル・シューマカー監督のダークスリラー『8mm』(99)でニコラス・ケイジと共演し、高評価を得た。00年には、フィリップ・カウフマン監督の米アカデミー賞ノミネート作『クイルズ』(共演:ケイト・ウィンスレット、ジェフリー・ラッシュ)に出演。マルキ・ド・サドを描いたダグラス・マクグラスの戯曲に基づくこの作品で、放送映画批評家協会賞最優秀助演男優賞を受賞した。同年には、ジェイムズ・グレイ監督の『裏切り者』(00)に出演し、マーク・ウォールバーグ、ジェイムズ・カーン、フェイ・ダナウェイ、エレン・バースティン、シャーリーズ・セロンと共演。グレイ監督とは、『アンダーカヴァー』(07)、『トゥー・ラバーズ』(08・未)、『エヴァの告白』(13)でもタッグを組んでいる。
00年代初めから半ばにかけては、M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』(02/共演:メル・ギブソン)、シャマラン監督の2年後のゴシックホラー『ヴィレッジ』(04)に出演。また、アニメ『ブラザー・ベア』(03)も声の出演をし、『戦争のはじめかた』(01)、トマス・ビンターベア監督の『アンビリーバブル』(03・未)、『炎のメモリアル』『ホテル・ルワンダ』(共に04)、『帰らない日々』(07)などの作品にも出演している。
08年10月27日、ラッパーとしての活動に専念するため、映画界から引退すると発表したが、その発表は、ケイシー・アフレックが監督するドキュメンタリー風コメディ『容疑者、ホアキン・フェニックス』(10)で演じる役の一部であり、壮大なジョークであったことが判明した。この作品は、10年にヴェネチア国際映画祭とトロント国際映画祭でプレミア上映されている。そして、本格的に演技の世界に復帰し、前述の『ザ・マスター』に出演した。
社会運動家として、リバー・フェニックス・センター・フォー・ピースビルディング、PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)、アムネスティ・インターナショナル、ジ・アート・オブ・エリジウムといった、数多くの慈善団体や人道支援団体を支援している。また、ザ・ランチボックス・ファンドの取締役会のメンバーも務めている。畜産場、ペット工場、産業、動物実験における動物虐待についてのネイションアースのドキュメンタリー作品『Earthlings』(05)のナレーションも担当した。
さらに、“リングサイド”、“シー・ウォンツ・リヴェンジ”、“ピープル・イン・プレインズ”、“アークキッド”、アルバート・ハモンドJr.、“シルバーサン・ピックアップス”のミュージックビデオの監督も務めている。

 1969年、ブライアン・デ・パルマ監督の『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー』(未)に出演したときから、実り多き映画キャリアが始まった。74年までに、『バング・ザ・ドラム』(73・未)で素晴らしい演技を披露し、マーティン・スコセッシ監督の『ミーン・ストリート』(73)の高い評価を受けた演技で全米映画批評家協会賞とニューヨーク映画批評家協会賞の最優秀助演男優賞を受賞した。75年、『ゴッドファーザーPARTⅡ』(74)で若き日のヴィトー・コルレオーネを演じ、米アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。
81年には、スコセッシ監督の『レイジング・ブル』(80)で演じたジェイク・ラモッタの見事な演技で最優秀主演男優賞を受賞し、2度目の米アカデミー賞に輝いた。ほかに、高評価を受けたスコセッシ監督作『タクシードライバー』(76)のトラヴィス・ビックル、マイケル・チミノ監督作『ディア・ハンター』(78)のベトナム帰還兵、ペニー・マーシャル監督作『レナードの朝』(90)の昏睡から目覚めた緊張型統合失調症患者、62年の『恐怖の岬』をリメイクしたスコセッシ監督の『ケープ・フィアー』(91)の復讐に燃える前科者マックス・キャディ、そしてデイビッド・O・ラッセル監督の『世界にひとつのプレイブック』(12)の躁うつ病の息子をもつ父親の演技で、さらに5回米アカデミー賞にノミネートされている。 09年には、卓越した演技を称えられて誰もが欲しいケネディ・センター名誉賞を受賞し、英アカデミー(BAFTA)ブリタニア賞スタンリー・キューブリック賞も受賞。また、09年と12年に、ハリウッド映画祭よりハリウッド俳優賞を2度授与されている。さらに、「全米退職者協会(AARP)ザ・マガジン」より10年度映画賞成人部門生涯功労賞を贈られた。11年度ゴールデングローブ賞においてセシル・B・デミル賞の栄誉にも輝いている。また、第64回カンヌ映画祭では審査員長を務めた。
近作には、バーナード・L・マドフを演じてエミー賞ミニシリーズ・TV映画部門主演男優賞にノミネートされたHBO放送のTV映画「嘘の天才 ~史上最大の金融詐欺~」(17)、『War with Grandpa』(19)、22年ぶりにスコセッシ監督とタッグを組んだ『アイリッシュマン』(19・未)などがある。戦後のアメリカにおける組織犯罪の壮大な物語を描くこの作品で、アル・パチーノと共演している。
また、デイビッド・O・ラッセル監督の『アメリカン・ハッスル』や『マラヴィータ』『ラストベガス』『リベンジ・マッチ』(いずれも13)、『マイ・インターン』(15)、『ジョイ』(15・未)、『ダーティ・グランパ』『ハンズ・オブ・ストーン』『The Comedian』(いずれも16)などの近作に出演している。ほかに、サイコスリラー『ストーン』と『マチェーテ』(共に10)、「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズ(00,04)の第3弾『ミート・ザ・ペアレンツ3』(10・未)、『リミットレス』『ニューイヤーズ・イブ』(共に11)、イタリアのフィルマウロ社が贈るロマンチックコメディ『昼下がり、ローマの恋』(11)、『レッド・ライト』『フリーランサー NY捜査線』(共に12)、『ロバート・デ・ニーロ エグザイル』(12・未)、『グリフィン家のウエディングノート』『キリングゲーム』(共に13)などがある。
優れた演技で魅了するそのほかの出演作品には、『ラスト・タイクーン』(76/エリア・カザン監督)、『1900年』(76/ベルナルド・ベルトルッチ監督)、ウール・グロスバード監督の『告白』(81)と『恋におちて』(84)、スコセッシ監督の『ニューヨーク・ニューヨーク』(77)と『キング・オブ・コメディ』(82)そして『グッドフェローズ』(90)と『カジノ』(95)、セルジオ・レオーネ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)、テリー・ギリアム監督『未来世紀ブラジル』(85)、ローランド・ジョフィ監督の『ミッション』(86)、アラン・パーカー監督の『エンゼル・ハート』(87)、ブライアン・デ・パルマ監督の『アンタッチャブル』(87)、マーティン・ブレスト監督の『ミッドナイト・ラン』(88)、ニール・ジョーダン監督の『俺たちは天使じゃない』(89)、デイビッド・ジョーンズ監督の『ジャックナイフ』(89)、マーティン・リット監督の『アイリスへの手紙』(89)、前述の『レナードの朝』、ロン・ハワード監督の『バックドラフト』(91)、ジョン・マクノートン監督の『恋に落ちたら…』(93)、マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督の『ボーイズ・ライフ』(93)と『容疑者』(02)、ケネス・ブラナー監督の『フランケンシュタイン』(94)、マイケル・マン監督の『ヒート』(95)、トニー・スコット監督の『ザ・ファン』(96)、ジェリー・ザックス監督の『マイ・ルーム』(96)、バリー・レビンソン監督の『スリーパーズ』(96)と『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』(97)そして『トラブル・イン・ハリウッド』(08)、ジェイムズ・マンゴールド監督の『コップランド』(97)、クエンティン・タランティーノ監督の『ジャッキー・ブラウン』(97)、アルフォンソ・キュアロン監督の『大いなる遺産』(98)、ジョン・フランケンハイマー監督の『RONIN』(98)、ハロルド・ライミス監督の『アナライズ・ミー』(99)と『アナライズ・ユー』(02)、ジョエル・シューマカー監督の『フローレス』(99)、ジョージ・ティルマン監督の『ザ・ダイバー』(00)、デス・マッカナフ監督の『ロッキー&ブルウィンクル』(00・未)、ジョン・ハーツフェルド監督の『15ミニッツ』(01)、フランク・オズ監督の『スコア』(01)、トム・デイ監督の『ショウタイム』(02)、アニメ『シャーク・テイル』(04)、ニック・ハム監督の『アダム -神の使い 悪魔の子-』(04)、メアリー・マクガキアン監督の『サン・ルイ・レイの橋』(04・未)、ジョン・ポルソン監督の『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』(05)、前述の「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズ(監督:ジェイ・ローチ)、ジョン・アヴネット監督の『ボーダー』(08)、カーク・ジョーンズ監督の『みんな元気』(09・未)などがある。
88年にジェーン・ローゼンタールとともに創立した製作会社トライベッカ・プロダクションズとトライベッカ・フィルム・センターの成長と、世界貿易センターへの攻撃を受けて01年にローゼンタールとクレイグ・ハットコフとともに設立したトライベッカ映画祭を誇りに思っている。この映画祭は、年に一度、映画/音楽/文化を称えることを通して、ロウアー・マンハッタンの経済と文化の再活性化を促進するために設けられた。この映画祭の使命は、映画製作の中心地としてのニューヨーク市を宣伝し、可能性のある幅広い観客層を得るために映画製作者たちを助成することにある。
トライベッカ・プロダクションズを通して、プロデューサー/監督/俳優としての自身の能力を最大限に生かしながら、プロジェクトの開発に尽力している。トライベッカ作品『ブロンクス物語/愛につつまれた街』(93)で監督デビューを果たした。のちに、出演も兼ねた『グッド・シェパード』(06/共演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー)でも監督を務めている。
そのほかのトライベッカ作品には、前述の『ケープ・フィアー』『マイ・ルーム』『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』『フローレス』『ロッキー&ブルウィンクル』『ショウタイム』『アナライズ・ミー』と『アナライズ・ユー』そして「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズを含め、『ミストレス』(91)、『ナイト・アンド・ザ・シティ』(92)、『サンダーハート』(92・未)、『ロマンスに部屋貸します』(93)、『パンサー』(95)、『Faithful』(96)などがある。
92年、トライベッカTVはシリーズ「Tribeca」(93)の製作を担当し、作品は高評価を受けた。自身は製作総指揮を務めている。
トライベッカ・プロダクションズの本社は、ニューヨークのトライベッカ地区にあるトライベッカ・フィルム・センター内にある。

 ドイツ生まれ。エミー賞ノミネート経験をもつ。現在、シーズン3の製作が進むFXネットワークスのゴールデングローブ賞受賞シリーズ「アトランタ」(16)と「アトランタ:略奪の季節」(18)で、ドナルド・グローバーとくっついたり離れたりを繰り返す恋人のヴァネッサ役を演じてよく知られている。また、ジョー・スワンバーグが企画・脚本・監督・製作総指揮を務めるNetflixの「easy イージー」(16~17,19)にもノエル役で繰り返し出演。
『デッドプール2のおとぎばなし』(18・未/共演:ライアン・レイノルズ、ジョシュ・ブローリン)でのドミノ役の演技で、「バラエティ」誌の“2018年注目の俳優10人”のひとりに選ばれた。19年には、スティーブン・ソダーバーグ監督の『ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-』(未)、ババク・アンバリ監督の『Wounds』(共演:アーミー・ハマー、ダコタ・ジョンソン、『The Undiscovered Country』『Seberg』など多くの映画に出演している。待機作には、『Lucy in the Sky』などがある。
ニューヨーク育ちである。

 十代のときに、ニューヨーク市にあるネイバーフッド・プレイハウス俳優養成学校に入学し、次に、名門ジュリアード音楽院に進み、演劇界の重鎮ジョン・ハウスマン、マリアン・セルデスに学んだ。1970年代後半、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」「リア王」「終わりよければ全てよし」「尺には尺を」、デズデモーナを演じた「オセロ」といった古典劇でドラマチックな役柄を演じたのち、80年に「The Lady from Dubuque」でブロードウェイデビューを果たした。
80年代は、ブロードウェイとオフブロードウェイで成功を収めた舞台劇に出演した。その作品には、ギブス夫人を演じた「わが町」、バーディーを演じた「The Little Foxes」、「In the Summer House」などがある。また、マリアン・セルデスとともに「Ring Round the Moon」や「A Bright Room Called Day」にも出演した。「The Secret Rapture」でドラマデスク賞、「The Last Yankee」でオビー賞を受賞している。00年、「The Ride Down Mt. Morgan」で外国批評家サークル賞を受賞し、トニー賞にノミネートされた。1985年、演出家ジョン・ハウスマンに招かれてカリフォルニアを出て以来、サンディエゴのオールド・グローブ・シアターで上演された有名な「リチャード三世」など、数多くの舞台劇に出演してきた。
ウディ・アレン監督の『マンハッタン』(79)で映像演技のキャリアをスタートさせ、同じくアレン監督の『私の中のもうひとりの私』(88)、『ウディ・アレンの 重罪と軽罪』(89)などに出演。そののち、称賛を浴びたヒットシリーズ「シックス・フィート・アンダー」(01~05)で、野暮で感情的で誘惑に弱い葬儀屋の未亡人を演じ、強烈な印象を残した。HBO放送で5シーズンにわたって放送された間に、ゴールデングローブ賞と全米映画俳優組合(SAG)賞を受賞し、エミー賞に4度ノミネートされている。
続いて、『ダイ・マミー・ダイ!』(03)、『キャットウーマン』(04)、マーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』(04)、『Shopgirl/恋の商品価値』(05・未/共演:スティーブ・マーティン)など、多種多様な作品に出演した。もっと最近では、ライアン・マーフィー企画のFOX放送オムニバスシリーズ「アメリカン・ホラー・ストーリー」の複数シーズン(11~18)、HBO放送のダークコメディ「ゲッティング・オン」(13~15)のシーズン3の1エピソード(15/共演:ローリー・メトカーフ)、Huluで熱狂的人気を博したコメディ「カジュアル」(15~18)、ABC放送の「The Real O'Neals」(16~17)、CBS放送の「ヤング・シェルドン」(17~)のシーズン1の1エピソード(18)、スティーブン・キング原案のHulu作品「キャッスルロック」(18~)、FOX放送の「ブル~ス一家は大暴走!」(03~)のシーズン5(18~19)などさまざまなTV番組に出演し、記憶に残る演技を披露している。

 ニューヨーク大学芸術学部の学生だったころに、ドキュメンタリー作家としてキャリアをスタートさせた。カルトクラシックコメディ『ロード・トリップ』(00・未)で長編映画の脚本と監督を初めて担当。『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(06)の脚本で、米アカデミー賞最優秀脚色賞にノミネートされた。
2018年10月より全米および世界各国で公開された米アカデミー賞ノミネート作『アリー/スター誕生』(18/出演:ブラッドリー・クーパー、レディー・ガガ)では製作を担当した。この作品は、米アカデミー賞8部門にノミネートされ、世界興収4億ドル超をあげている。
コメディドラマ『ウォー・ドッグス』(16・未/出演:マイルズ・テラー、ジョナ・ヒル)の脚本・監督・製作を担当。ヒルはゴールデングローブ賞男優賞にノミネートされた。
09年、大ヒット作『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(出演:ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィナーキス)を監督。この作品は、ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル映画部門最優秀作品賞を獲得した。次に、その続編『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(11)と『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(13)の脚本と監督を担当。この3部作は、トータルで世界興収14億ドルを突破した。
また、『アダルト♂スクール』(03・未/出演:ルーク・ウィルソン、ウィル・フェレル、ビンス・ボーン)の脚本・監督・製作を担当。ほかにも、『ロード・トリップ』(00・未)、『スタスキー&ハッチ』(04・未)、『デュー・デート~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』(10/出演:ロバート・ダウニー・Jr.、ザック・ガリフィナーキス)といった大成功を収めたコメディ作品でも、脚本・監督・製作を担当し、クレイジーなダークコメディ『プロジェクトX』(12・未)では製作を担当した。
キャリア初期には、“事実は小説より奇なり”と言われるように、日常生活のリアリティや思い込みから生まれるユーモアにインスパイアされたドキュメンタリー作品を作っていた。93年、ニューヨーク大学芸術学部の学生だったころに、エクストリーム・パンクロッカーのGGアリンの過激なパフォーマンスを描いた『全身ハードコア GGアリン』(94)を監督し、すぐにアンダーグラウンドでセンセーションを巻き起こした。94年にこの作品は劇場公開され、当時の学生映画として最高収益をあげた。98年には、HBO放送シリーズ「America Undercover」(83~13)のために製作したドキュメンタリー「Frat House」で監督を務め、98年度サンダンス映画祭でプレミア上映されてドキュメンタリー部門の審査員大賞を受賞した。大学の友愛会での生活をすっぱ抜いたこの作品は、物議をかもし、最終的にHBOはこの映画を棚上げする決定を下した。製作と監督に携わった3番目のドキュメンタリー『ビタースウィート・モーテル』(00・未)は、熱狂的現象を巻き起こした音楽バンド“フィッシュ”を取り上げている。 現在、カリフォルニア在住。