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山崎貴映画監督
SFとは特殊な設定がつきものだ。そして、そのシチュエーションでしか語れない物語であるべきだが、なかなか難しい。
しかし、それを見事にやってのけた!あの最後の甘美なシーンが全てを呑み込んだ。誰にでも共感できる、映画でしか描けない感情がそこにあった。 -
伊藤智彦アニメーション監督
劇中世界に誘われる圧巻のファーストカット。その後に展開する静謐なフィルムノワールの傍には、まるで生命の有り方を問うように常に水が描かれていた。主人公が下す決断の果てに映画冒頭を思い出してほしい。世界の見え方が変わる。
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石川慶映画監督
SFと聞いてたのにめっちゃハードボイルドだった。と思ったらめっちゃSFになって翻弄されてたら、最後のメッセージにまさかの涙。おそらく先入観は捨てて、素直に映画に"潜入"するのが正解。
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林原めぐみ声優
象徴的な「水」漂うようなそれでいて、呼吸を止めるかのような違和感。あからさまな危険を伴いながらたどり着いた答え。見終わった瞬間の自分の記憶にダイブしたくなります。
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上田誠ヨーロッパ企画
水没した都市で、記憶にもぐりつつファム・ファタール(運命の女)をさがす。映画の原形質にして最前線。ノーラン兄弟とリサ・ジョイ監督、時間が好きすぎる一族ですね。養子にしてください!
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よしひろまさみち映画ライター
気象変動による海面上昇、それにともなう大戦、記憶の映像化……どれもありえないとはいえない世界で繰り広げられるフィルム・ノワール。ド派手なSF設定と甘美なストーリーに酔いしれる。
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斉藤博昭映画ライター
「記憶潜入」の斬新なSFサスペンスとして向き合ったら、意外や意外、エモーショナルな方向に心がざわめいた!
甘い記憶に囚われる人生。未来への覚悟を決める人生……。
悩み格闘するヒュー・ジャックマンに感情を持っていかれ、ミュージカルの隠れた名曲に酔いながら、
観る人それぞれの生き方も問われる異色の後味! -
矢崎由紀子映画評論家
『さらば愛しき女よ』や『ブレードランナー』の遺伝子を受け継ぐ正統派のハードボイルド。赤いドレスのファム・ファタルを演じたレベッカ・ファーガソンと、滅びの美を湛えたフロリダの情景に心奪われた。人々が過去に救いを求める時代設定が、コロナ禍の終わりが見えない今の気分と重なる。
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杉山すぴ豊アメキャラ系ライター
ハリソン・フォードの『ブレードランナー』、デカプリオの『インセプション』の次は
ヒュー・ジャックマンの『レミニセンス』!
世界観に驚き、謎ときにワクワクし、主人公の最後の選択に心が震えました! -
山崎伸子映画ライター
これは愛の映画。クリストファー・ノーラン監督作の屋台骨を支えてきた弟のジョナサン・ノーラン製作で、時間軸のギミックが冴えるノーラン作品の系譜にありつつも、特筆すべきは、リサ・ジョイ監督の溢れ出る母性が、ドラマに深みを与えた点だ。先が見えない世の中で、愛する者を守り抜こうとする強い意志に、未来への希望を見た。
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SYO映画ライター
水没都市に「入って」いく鳥肌もののOPで、完全に世界に「入った」。
他者の記憶に潜入し、追体験する行為は、観賞体験そのもの。
僕たちが映画に魅せられる“真実”が、全てそこにあった。 -
金澤誠映画ライター
温暖化によって、やがて水没する運命にある近未来の探偵物語。正体不明のファム・ファタール、彼女を追う記憶を探る探偵、飲んだくれだが頼りになる相棒と魅力的なキャラクターが登場する。かつてのフィルム・ノワール的な要素をちりばめながら、その核心にあるのは男の愛の純情である。タフな男のやせ我慢を過去のものにした、女性監督ならではの視点が興味深い、ちょっと甘口だがほろ苦い、変化球のラブファンタジーだ。
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生武まり子Billboard JAPAN編集部
CGとは思えない圧倒的な映像美と『GOT』『ウエストワールド』の音楽を手がけたラミン・ジャヴァディによる壮大な音楽に序盤から飲み込まれました。SF映画好き、海外ドラマ好きの方にはたまらない作品だと思います。
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松崎健夫映画評論家
SNS情報の軌跡を辿ることで、見知らぬ誰かの素性を知ることがある。それは情報の断片に過ぎないが、我々は己に都合の良い情報へと変換しがちだ。そういう意味で、この映画における近未来的な“記憶の探訪”は、我々の身近に存在する情報への接し方とどこか似ている。
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神武団四郎映画ライター
ロジカルでミステリアスでロマンチック。クリストファ―・ノ―ラン一派は、どうしてこんなに魅惑的な映画ばかり撮れるんだろう。
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小野寺系映画評論家
間の記憶とは、一編の長大な“映画”なのか。SFの姿を借りた、この甘美なフィルム・ノワールの“記憶”のなかに、いつまでも浸っていたい。
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柳下毅一郎映画評論家
取り戻せない過去をひたすら後ろ向きに回想する、甘く危険な快楽を教えてくれる。
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猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
切ないとも、悲しいとも違う、なんとも言えないラストシーン。近未来を舞台にした大きな世界で今作が問いかけるのは、愛と執着の境目、思い出にしがみつくのは健全なのかといった、普遍的な人間の事柄。あの感動のシーンにそれらがすべて凝縮されている。
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村松健太郎映画文筆屋
ハードボイルド小説を思わせるノワール映画と独創的な世界観のSF映画の要素のハイレベルな融合。ジョナサン・ノーラン、やはり恐るべし!!
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笠井信輔フリーアナウンサー
眼を見張る近未来のヴィジュアル(世界観)・葛藤の中で生きるハードボイルドの主人公・謎の女・愛・強敵との対峙…。これは、撮影から40年後に飛び出した「ブレードランナー」の変奏曲だ。しかも、すべてが新しい!
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村山章映画ライター
これはディストピアSF?古色蒼然としたハードボイルドミステリー?それとも切ない三角関係を描いた21世紀版『恋しくて』?超イビツだけどやりたいことが目一杯詰まっていて、このスケールでやり抜いた狂気にねじ伏せられた。唖然!
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鹿志村和仁SCREEN 編集長
兄クリストファー同様、ジョナサン・ノーランも天才だった! 彼がほれ込んだ新たな才能リサ・ジョイ監督が生み出す映像美とミステリアスな展開が導く最高のクライマックスに私の心も溺れてしまう…!
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人間食べ食べカエル人喰いツイッタラー
水に沈みかけた街の上を駆けるように映し出すオープニングで、一気に心を掴まれる。SFガジェット描写も心が躍るが、何よりもエモーショナルな物語に惹き込まれる。こんなロマンチックな愛の伝え方ってありますか!?あまりの美しさに思わずため息が出た。そして、このご時世もあって、劇中での記憶に対する向き合い方がとても印象に残る。もしもあの機械が本当にあったら、自分もきっと入り浸ってしまうだろうなあ。
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池澤春菜日本SF作家クラブ会長
フィルムノワールやスチームパンクといったクラシカルでレトロなガジェットを使いつつ、斬新で蠱惑的な世界が!! 夢の中を彷徨うような重層的なストーリー、とびっきりのロマンス、美しい音楽、どれをとっても映画的快楽に溢れている。個人的主人公は、断然ワッツ。
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大澤博隆日本SF作家クラブ理事/筑波大学システム情報系助教
水没した世界の映像が、大変美しく力強いものでした。劇中の記憶再生装置の投影法も、うまく物語内で使われていると思います。映像としてのSF表現の力を感じました。
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タニグチリウイチ日本SF作家クラブ/書評家
夢枕獏の『魔獣狩り』や菊石まれほの『ユア・フォルマ』で楽しんだ、記憶の世界に潜って謎に迫るストーリーを映像でイメージさせてくる映画。記憶を3D映像として空間に投影する装置や、海面上昇で沈みかけた都市のビジョンもSF好きにグサッと突き刺さる。
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高野史緒日本SF作家クラブ/小説家
『インターステラー』の脚本家ジョナサン・ノーランの制作と聞き、どれほど難しい作品だろうかと少々恐れを抱いていたが、複雑でありながらも分かりやすく、切なく、美しい時の物語だった。手練れのSFファンからSFにまで広くお勧めできる一編。
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牧眞司日本SF作家クラブ/SF研究家・文芸評論家
水のイメージがさまざまに変奏され、記憶のテーマが豊かに立ちあがるSFサスペンス。そして、ファム・ファタール(宿命の女)が残した謎をめぐるミステリでもある。
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須賀しのぶ日本SF作家クラブ/小説家
水に沈みゆく都市の退廃的な美しさが素晴らしく、いつまでも離れがたい。こうして人は、過去の美しい光景と人間の記憶に囚われていくのだと我が身で実感してしまった。
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青木祐子日本SF作家クラブ/小説家
過去の思い出に溺れる。このことの意味が後ろへ行くにつれてわかってくる。ヒュー・ジャックマンは哀しくも強く、荒廃した場所でさえ美しい。あふれる水は何を表すのかとドキドキしながら観ました。