とてもシリアスな作品なので現場も和気あいあいとした雰囲気とは違い、毎日緊張感を持って臨めていたと思います。監督、スタッフ、役者全員が自分の仕事に徹し、1シーン1シーンいい画を撮っていくことに神経を研ぎ澄ましているプロフェッショナルな現場でした。僕もこの撮影中はほとんど笑わず耶雲という役をずっと引きずっていたし、撮影が休みの日も作品のことばかり考えているような日々でした。ただ撮影の後半に、(斎藤)工さんと北村さんと食事に行くことができて楽しい時間を過ごせたのはいい思い出です。クライマックスシーンを撮る前だったので、あのタイミングで距離を縮められたのは3人にとってもよかったのかなと思いました。正直いろいろなプレッシャーもありましたが、自分のすべてが試された作品だと思って魂を込めて演じたつもりです。
1989年3月6日生まれ。三代目 J Soul Brothersのパフォーマーとして2010年にデビューし、2014年にEXILE に加入。グループでの活動以外に俳優として数々の作品に出演。2016年公開の映画初主演作品『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』では第41回報知映画賞新人賞、第40回日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞、第26回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。主な出演作にドラマ「砂の塔〜知りすぎた隣人」(16)、ドラマ「HiGH&LOW 〜THE STORY OF S.W.O.R.D.〜」(15)から続く、映画『HiGH&LOW』全シリーズ(16〜17)など。新作には主演映画『パーフェクトワールド』(18年10月5日公開)などがある。
とても緻密な題材を瀧本監督がロジカルに、ダイナミックに描こうとしている素晴らしい現場でした。僕自身プライベートでカメラを撮るのは嫌いではないので、チャンスがあればカメラマンという職業としっかり向き合ってみたいと思っていました。写真も芝居もそうですが、頭の中に最初に浮かんだものだけだと伸びしろがない。それを覆すようなことが起きるのを期待していつも現場に立っていますが、そういう点は木原坂という役に少なからずリンクしていたのかなと感じています。この作品で岩田さんと初めて現場でご一緒させて頂いたのですが、僕の知っていた岩田さんとは違う顔を見ることができて驚きました。至近距離で芝居をすることも多く、木原坂という役に動物的にビビットに反応して下さる彼を見て特等席だなと思いましたし、改めて美しい方だなと思いました。
1981年8月22日生まれ。東京都出身。映画、ドラマと数多くの作品に出演。2014年のドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」で、その人気が爆発したのも記憶に新しい。近年の主な出演作は、映画『愛と誠』(12)、『団地』(16)、『昼顔』(17)など。俳優活動以外にフィガロジャポンでの白黒写真連載や、被災地や映画に触れる機会のない子供たちに映画を届ける移動映画館「cinéma bird」の活動などに積極的に取り組む。2018年は監督7作目にして初の長編作となる『blank13』が公開される他、『パディントン2』(吹替)、『サラバ静寂』、『マンハント』、『生きる街』、『のみとり侍』、シンガポール、フランス、日本の共同制作の主演映画『Ramen Teh』など出演待機作も多数控える。
百合子は私よりだいぶ年齢が上のイメージのキャラクターなので、大人っぽく演じるのをどう表現すればいいのか考えるのが一番難しかったです。瀧本監督は声のトーンや、お芝居ひとつひとつの動作まで細かくご指導してくださったので新しいお芝居の方法としてとても勉強になりました。この作品のひとつ前にラブコメを撮影していたので、自然と声のトーンが高くなりがちだったんですが、そこも監督に丁寧に修正していただき、今回は低めの声でお芝居をしています。百合子は私からするとかなり大人の女性なので、役と自分がリンクする部分はほとんどありませんでしたが、もしかすると恋する気持ちだけは同じ女性として共通するところなのかなとは感じました。
1991年7月18日生まれ。福岡県出身。近年の主な出演作は、映画『東京PRウーマン』(初主演/15)、『貞子vs伽椰子』(16)、『少女』(16)、『ピーチガール』(17)、ドラマ「嘘の戦争」(17)、「刑事ゆがみ」(17)、配信ドラマ「東京アリス」(17)など。今後、映画『友罪』(18年5月公開)、ドラマ「真夜中のスーパーカー」(18年3月28日放送/NHK BSプレミアム)に出演。 ミステリアスな天才カメラマン
最初に瀧本監督に言われたのが、登場人物全員がある種の悲しさを持った人たちだということでした。現実社会でももし違う環境に生まれていたら、もしこの人に出会わなかったら……という局面は誰にでもありますよね。どのキャラクターも微妙なさじ加減が大事になってくると思ったので、今回は具体的に役作りをするというよりも、全面的に監督にお任せして撮影に臨んでいた気がします。ガンちゃん(岩田)とは初共演でしたが、彼の演じた耶雲は役者をやっていても何年かに1回来るか来ないかの難しい役。それをすごく集中して気合を入れてやっているなと思ったし、僕が言うのも何ですが日に日によくなっていくのが分かりました。彼はどこの現場でも褒められてると思うけど、本当に悪いところが見つからない謙虚で素敵な方でしたね。
1969年7月17日生まれ。大阪府出身。90年代前半から俳優として活動を始め、唯一無二の個性を発揮し続ける実力派俳優。1999年公開の映画『日本黒社会 LEY LINES』(主演)、『皆月(みなづき)』で、多くの新人賞を受賞し一躍注目を集めた。近年の主な出演作に映画『日本の悲劇』(12)、『劇場版 ATARU -THE FIRST LOVE & THE LAST KILL-』(13)、『劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 漸(ゼン)ノ篇/爻(コウ)ノ篇』(13)、『トリック劇場版 ラストステージ』(13)、『KILLERS/キラーズ』(13)、『猫侍』(13)、『ザ・レイド GOKUDO』(13)、『テルマエ・ロマエⅡ』(14)、『寄生獣』(14)、『寄生獣 完結編』(14)、『猫侍 南の島へ行く』(15)、『相棒-劇場版Ⅳ- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』(17)、『無限の住人』(17)、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17)など。新作に『羊の木』(18年2月3日公開)、『今夜、ロマンス劇場で』(18年2月10日公開)などがある。
1983年6月7日生まれ。東京都出身。雑誌「SEVENTEEN」の人気モデルを経て、映画、ドラマ、舞台と女優業を中心に活躍。近年は再びモデルとしての活動も精力的に行い、雑誌「InRed」「オトナミューズ」などで同世代の女性からの圧倒的な支持を得ている。主な出演作に映画『ばかもの』(10)、『クローズEXPLODE』(13)、『海月姫』(14)、『エイプリルフールズ』(15)、『恋する占女(せんにょ)リータ!』(15)、『サイドライン』(15)、ドラマ「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」(10)、「全開ガール」(11)、「相棒season10」(11〜12)、「都市伝説の女 Part2」(13)、「ホテルコンシェルジュ」(15)、「オンナミチ」(15)、「孤独のグルメ Season5」(15)、「5人のジュンコ」(15)など。
1990年12月11日生まれ。岩手県出身。大学在学中より劇団に所属し、ショートフィルム『QULOCO』(09)に主演、自主製作映画『ピカドン2』(10)のヒロインなどを務める。2012年『カミハテ商店』で本格的にスクリーンデビュー。翌2013年には映画『彌勒 MIROKU』で、永瀬正敏と共に初主演を果たした。NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」(16〜17)で、広くその名を知られるようになり、2017年にドラマ「恋がヘタでも生きてます」で民放連続ドラマに初出演するなど、注目の若手女優。主な出演作に映画『劇場霊』(15)、『何者』(16)、ドラマ「コウノドリ」(第1、2話/17)、「GO!GO! フィルムタウン」(ドラマ初主演/17)など。