Special Review missing's world オリジナルポッドキャスト

missing ミッシング

愛する娘が失踪した―。これは壊れた世界の中で光を見つけた〈わたしたち〉の物語。

大ヒット上映中

Theater
Special Review missing's world オリジナルポッドキャスト
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わたしたちは、心を失くしてしまったのか?

Introduction

限りなく哀しくて、愛しくて、優しい物語。

娘が失踪し、出口のない暗闇に突き落とされた家族。
どうにもできない現実との間でもがき苦しみながらも、その中で光を見つけていく——。

失踪した娘を懸命に探し続けるが、夫婦間の温度差や、マスコミの報道、SNSでの誹謗中傷により、いつしか「心」を失くしていく母親・沙織里を演じたのは石原さとみ。「母となった今だからこそ、この役と向き合えた」と語り、これまでのイメージを一新させる新境地に体当たりで挑んだ。
さらに、沙織里たち家族の取材を続けるテレビ局の記者・砂田に中村倫也、沙織里の夫・豊に青木崇高、娘の最後の目撃者となった沙織里の弟・圭吾に森優作、ほか豪華実力派キャスト陣が集結!

常に観客に衝撃を与え、想像力を刺激する作品を発表し続ける“人間描写の鬼”𠮷田恵輔が、「自身のキャリアの中で最も覚悟のいる作品」と語る本作は、雑音溢れる世の中をリアルに、そして繊細に描き、そこに生きるわたしたちの心を激しく揺らす。

愛する娘が失踪した。

Story

とある街で起きた幼女の失踪事件。
あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。

娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。

そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。

世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。

一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。

それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。その先にある、光に—

Cast

  • 娘を探す母・沙織里 石原さとみ

    娘を探す母・沙織里石原さとみ

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  • 沙織里の夫・豊 青木崇高

    沙織里の夫・豊青木崇高

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  • 沙織里の弟・圭吾 森 優作

    沙織里の弟・圭吾森 優作

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  • 新人記者・三谷 小野花梨

    新人記者・三谷小野花梨

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  • カメラマン・不破 細川 岳

    カメラマン・不破細川 岳

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  • TV局の記者・砂田 中村倫也

    TV局の記者・砂田中村倫也

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Staff

𠮷田恵輔監督

脚本・監督𠮷田恵輔

1975年生まれ、埼玉県出身。東京ビジュアルアーツ在学中から自主映画を制作する傍ら、塚本晋也監督作品の照明を担当。2006年、自主制作映画『なま夏』(06)で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門のグランプリを受賞。同年、『机のなかみ』 で長編映画監督デビュー。2008年に小説「純喫茶磯辺」を発表し、自らの手で映画化。2021年公開の『BLUE/ブルー』、『空白』で、2021年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で監督賞を受賞。『空白』は、第76回毎日映画コンクール・脚本賞、第43回ヨコハマ映画祭で作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞と4冠に輝いた。『さんかく』 (10)、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』 (13)、『麦子さんと』 (13)、『犬猿』(18)、『愛しのアイリーン』(18)、『神は見返りを求める』(22)などオリジナル脚本の作品を数多く手がけるほか、人気漫画を原作とした、『銀の匙 Silver Spoon』 (14)、『ヒメアノ〜ル』 (16)などの話題作も監督している。

interview

音楽世武裕子

1983年、東京生まれ。広島県在住。パリ·エコール·ノルマル音楽院映画音楽学科を首席で卒業。2011年に吉田光希監督作品『家族X』で初めて映画音楽を担当し、以降、数多くのテレビドラマ、映画、CMの音楽を手掛ける。𠮷田恵輔監督作品では、2021年の『空白』で音楽を担当。シンガーソングライターとして「Raw Scaramanga」や「あなたの生きている世界」などソロ作品を作る傍ら、ピアノ演奏・キーボーディストとして森山直太朗、Mr.Children、いきものがかりのレコーディングやライブなどにも参加。近年の映画作品では、『羊と鋼の森』(18)、『リバーズ·エッジ』(18)、『日日是好日』(18)、アニメ『君の膵臓を食べたい』(18)、『生きてるだけで、愛。』(18)、『星の子』(20)、『Arc アーク』(21)、『心の傷を癒すということ 劇場版』(21)、『女子高生に殺されたい』(22)、『エゴイスト』(23)、『カラオケ行こ!』(24年1月公開)ほか多数。

Original Podcast

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()いと恵輔(けいすけ)

play

“人物描写の鬼”𠮷田恵輔監督がパーソナリティとなり、
キャスト・スタッフなど毎回ゲストを招いて、根掘り葉掘り聞いちゃうゆる〜い雑談トーク。
果たしてどんなエピソードが飛び出すのか!?
乞うご期待ください!

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石原さとみ 青木崇高 森優作 有田麗未 小野花梨 小松和重 細川岳 カトウシンスケ 山本直寛 柳憂怜 美保純 / 中村倫也 監督・脚本:𠮷田恵輔 音楽:世武裕子 製作幹事:WOWOW 企画:スターサンズ 制作プロダクション:SS工房 配給:ワーナー・ブラザース映画
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Profile

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脚本・監督

𠮷田恵輔

——『ミッシング』の企画について。 𠮷田:そもそもは辛いことや耐えらないことがあったときに、人はいかに折り合いをつけるのか、という話を作ろうと思ったんです。『空白』をはじめ、今までもそういうことを考えて映画にしてきたけど、その中で折り合いをつけられない人、つけちゃいけない人というのもいるんじゃないかと。沙織里の場合は、美羽が見つからなかったら、折り合いをつけられない。見つからなくても、ずっとそれと向き合っていかなきゃならない。彼らはどうすればいいのかということが、ずっと引っかかっていました。 ——石原さとみさんのキャスティングについて。 𠮷田:汚れ役のイメージが一切ない人、というのが肝でしたね。汚れ役が得意でそのイメージが強い人だったら逆に嘘っぽくなってしまいそうだけど、今回の石原さんの場合は今まで誰も見たことのない姿になるわけだから、予測のつかないところに賭けたんです。でもね、撮ってみて思ったのは、沙織里のキャラクターは「石原さとみ」のもう一つの自分なんだということ。俺が6年前に初めて会ったときに感じた、自信に溢れた強い女性像ももちろん石原さん自身なんだけど、この映画で迷走していたのもまた石原さん自身で、その両方を持っている人なんだとわかった。だから本人の中では、沙織里を演じたというよりは、もう一つの自分を出しただけ。本当にあたふたしているからそのリアリティがめちゃくちゃある。実は俺の映画とものすごく食い合わせがよかったんですよね。 ——青木崇高さんのキャスティングについて。 𠮷田:無骨な印象の人がよかったんですよね。青木君は体格がいいし、体毛や髭も濃そうで、男くさい漁師の雰囲気があった。沙織里の熱量を受けとめて守れるような男であって欲しかったんです。おそらく沙織里は若い頃に水商売をやっていたこともあって、そのお店によく来ていたお客さんの豊と出会った--そんな匂いがしそうな二人だなと。豊は自分も悲しいのに、隣で沙織里に大泣きされると、どこか冷めてしまう。キレそうになっても横で先にブチ切れられると自分は引いていくような。人って同時に同じ熱量では物事に向き合えない。しかも夫婦だから片方はどうしても収めるほうに回らざるを得ない。そういう男女感みたいなものも出したいと思っていました。 ——中村倫也さん演じる記者・砂田の視点について。 𠮷田:砂田だって出世欲がゼロではないし、後輩に対する嫉妬心もなくはないけど、沙織里への情みたいなものはちょっと一線を踏み越えているんだよね。被写体としてじゃなく、自分の家族を撮るような気持ちになっちゃうと、報道としては本当はよくない。だけど人ってそういうものじゃない? いくらプロだとしても、情を抱いてしまうのは仕方のないことなんだけど、情を完全に振り切ってしまうと、心のない報道人のキャラになっちゃう。そこを何とかセーブしようとしているのがどうしようもなく人間らしいというか。

——砂田と圭吾が同じようなアクションをするシーンについて。 𠮷田:人はいざ自分が追い込まれる側になると、絶対にあり得ないと思っていたことでも、意外とやってしまうんですよ。砂田は自覚していないけど圭吾と同じことをしている。自分が追いかける立場だったとき、特に集中して見ていた相手だから、余計に伝染したというか。誰かを軽蔑するのは、自分にないものを相手が持っているからで、基本的に自分が理解できないことに対して軽蔑するわけだけど、その理解できないことを自分がしないとは限らない。報道という真実を伝える仕事をしていても、一本ブレない芯が通っているかといったら、そんなこともないよというのを匂わせたつもりです。 ——終盤で沙織里が光に手を当てる象徴的なシーンについて。 𠮷田:脚本を書いているとき、初めから終わりまで何も状況が変わらない物語にしようと思っていたんです。じゃあその物語をどうやって終わらせればいいのかと考えると、沙織里があまりにも辛いから、最後に彼女に光みたいなものが見えたらいいなと。沙織里が最後に見つける救いになるようなもの、でもそれが見つからなくて、イメージとして「光、光、光」と言っていたら、本当に光になったわけです。その光が何か特別なメッセージというわけではないんだよ。だけどこれから前を向こうかなというタイミングで光が射したら、それだけでも人は、昨日より前に進もうという気持ちになるんじゃないかって。 ——「折り合いをつけられない」ことへの向き合い方について。 𠮷田:死にたいぐらい追い込まれたときに、何か「すがる」先があればいいけど、そこにも難しさがあると思うんだよね。たとえば圭吾は自分がついた嘘にすがる。自分がついたんだから嘘だとわかっているはずなのに、その嘘と似た状況が起こったとき、もしかしたら……と思ってしまう。何かにすがっている人がいて、それがたとえ間違っていたとしても、否定したらその人から生きる拠り所を奪ってしまうことにもなるわけで。すがるってどういうことなのか、俺も明確な答えはないんだよ。ただ、やっぱり人だなと思う。人を壊すのも人を救うのも人だなと。人との関係は難しいんだけど、人を救うのも人でしかないよなと思っちゃうと、人とのつながりみたいなものをちょっとね、大事にしないとなと思うんだよね。