ガル・ガドット  見る間に、ハリウッドで最も引く手あまたで魅力的な人気女優の地位を築いている。2016年の大ヒット作『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でダイアナ/ワンダーウーマンを初めて演じた。
 17年11月より世界中で公開予定(日本公開予定11月23日)の『ジャスティス・リーグ』第一弾でも同役を再び演じている。
近作には、ロシアン・マフィアに脅され実行不可能な強盗をすることになる汚職警官たちを描いた犯罪ドラマ『トリプル9 裏切りのコード』(16/監督:ジョン・ヒルコート)、死亡したCIA捜査官のスキルと記憶を受け継いだ危険な囚人の物語が描かれるアクション『クリミナル 2人の記憶を持つ男』(16/監督:アリエル・ブロメン、共演:ライアン・レイノルズ、ケビン・コスナー、ゲイリー・オールドマン)、コメディ『Mr.&Mrs.スパイ』(16・未/共演:ジョン・ハム、アイラ・フィッシャー、ザック・ガリフィナーキス)などがある。
09年、初めてアメリカ映画に進出し、『ワイルド・スピード MAX』でビン・ディーゼルを誘惑するジゼルを演じた。続編『ワイルド・スピード MEGA MAX』(11)、『ワイルド・スピード EURO MISSION』(13)、『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15)にも同役で出演。
ほかに、トム・クルーズの部下ナオミ役を演じたアクションアドベンチャー『ナイト&デイ』(10/共演:キャメロン・ディアス)、マーク・ウォールバーグ演じるホルブルックのイスラエル人の恋人ナターニャ役を演じた恋愛犯罪コメディ『デート&ナイト』(10・未)などがある。
イスラエル・テルアビブに生まれる。ミス・イスラエルのタイトルを獲得し、04年度ミス・ユニバース世界大会に祖国を代表して参加した。その後すぐに演技キャリアをスタートさせ、イスラエルのTVシリーズ「Bubot」(07)で主役を演じた。

クリス・パイン  現在ハリウッドで最もホットな俳優のひとり。多彩な才能で幅広い役柄に挑戦し、公開を控える待機作も目白押しである。
 近作は、高評価を得て米アカデミー賞/ゴールデングローブ賞/放送映画批評家協会賞の最優秀作品賞にノミネートされたドラマ『最後の追跡』(16・未/共演:ジェフ・ブリッジス、ベン・フォスター)。待機作には、失踪した科学者の父親を捜す3人の子供たちの姿を追う同名小説をエバ・デュバネイ監督が映画化する『A Wrinkle in Time』(共演:リース・ウィザースプーン、ザック・ガリフィナーキス、ミンディ・カリング)などがある。
 また、スティーブとナンシー・カレルがクリエイターを務めるTBS放送のヒットコメディシリーズ「Angie Tribeca」(16~)シーズン3の2話(17)にも出演。主人公アンジーが現在追跡する連続殺人鬼逮捕への手掛かりとなる囚人であり、自らも連続殺人鬼として知られるトーマス・ホーンベイン博士を演じた。
 ほかの近作には、米アカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされたミュージカルコメディ『イントゥ・ザ・ウッズ』(14/監督:ロブ・マーシャル、共演:メリル・ストリープ、エミリー・ブラント、ジョニー・デップ、アナ・ケンドリック)、『モンスター上司2』(14・未/共演:ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、ジェニファー・アニストン、ジェイミー・フォックス、ケビン・スペイシー)、『Z for Zachariah』(15/監督:クレイグ・ゾベル、共演:キウェテル・イジョフォー、マーゴット・ロビー)、Netflixで配信されたTV映画「ウエット・ホット・アメリカン・サマー:キャンプ1日目」(15)、ジェームズ・T・カーク艦長を演じる大ヒットシリーズ『スター・トレック』(09)と『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(13)に続く第3弾『スター・トレック BEYOND』(16)、米沿岸警備隊史上最も困難な救出作戦を描いた実話に基づく悲痛なドラマ『ザ・ブリザード』(16)などがある。
 そのほか、『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』(04/共演:アン・ハサウェイ)、ロマンチックコメディ『ラッキー・ガール』(06・未/共演:リンジー・ローハン)、『Blind Dating』(06/共演:エディ・ケイ・トーマス、ジェーン・シーモア)、一流俳優がアンサンブルキャストで出演する壮絶なバイオレンスドラマ『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』(06/監督:ジョン・カーナハン)、ランドール・ミラーが脚本と監督を担当した『ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡』(08・未)、『フェーズ6』(09)、ライアン・クレイグが脚本と監督を担当したインディペンデント映画『Small Town Saturday Night』(10)、アニメ『Quantum Quest: A Cassini Space Odyssey』(10)、『アンストッパブル』(10/監督:トニー・スコット、共演:デンゼル・ワシントン)、『Black &White/ブラック&ホワイト』(12/共演:リース・ウィザースプーン、トム・ハーディ)、『People Like Us』(12/共演:ミシェル・ファイファー、エリザベス・バンクス、オリビア・ワイルド)、声優を務めたアニメ『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』(12・未)、タイトルロールを演じた『エージェント:ライアン』(14/監督:ケネス・ブラナー、共演:キーラ・ナイトレイ、ケビン・コスナー)といった多くの映画に出演している。
 舞台では、ロサンゼルスのマーク・テイパー・フォーラムで上演されたマーティン・マクドナー作「ウィー・トーマス」に出演。11年3月、この演技でロサンゼルス劇評家サークルの最優秀主演男優賞を受賞した。
 また、ロサンゼルスのゲッフェン・プレイハウスで上演された舞台劇「Farragut North」(共演:クリス・ノース)の演技を絶賛され、09年度オベーション賞にノミネートされた。ほかに、ゲッフェン・プレイハウスで上演されたニール・ラビュート作「Fat Pig」、オフオフブロードウェイで上演されたひとり芝居「The Atheist」、ウィリアムズタウン演劇祭で上演された複数の舞台劇などに出演している。
 13年、権威ある年一度のシネマコン賞で“その年の男性スター賞”を受賞。カリフォルニア大学バークレー校卒業。俳優グウィン・ギルフォードとロバート・パインを両親にもち、亡くなった祖母アン・グウィンも30~40年代に活躍した映画女優という俳優一家に生まれた。

ロビン・ライト  ハリウッド史に確固たる足跡を刻み続ける、賞受賞経験をもつ女優であり、慈善家でもある。現在、高評価を受けるNetflixのオリジナルシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(13~/共演:ケビン・スペイシー)に出演中である。このシリーズの、シーズン5の2話(17)、シーズン4の4話(16)、シーズン3の2話(15)、シーズン2の1話(14)では監督も務めている。恐るべきクレア・アンダーウッドの並外れた演技を絶賛され、2014~16年に3年連続でゴールデングローブ賞TVドラマシリーズ部門最優秀主演女優賞にノミネートされ、14年に受賞。また、15~17年には3年連続で全米映画俳優組合(SAG)賞のドラマシリーズ部門最優秀主演女優賞にもノミネートされ、15年と16年にはキャストとともに同賞最優秀アンサンブル演技賞に重ねてノミネートされている。さらに、13~16年には同じく4年連続でエミー賞ドラマシリーズ部門最優秀主演女優賞にノミネートされた。
 映画では、『ブレードランナー 2049』が公開を控えている。さまざまなキャラクターに挑戦し、一貫して高評価を受けてきた。09年、レベッカ・ミラー監督の『50歳の恋愛白書』でピッパ・リーを演じて称賛を浴び、同年にはロバート・ゼメキス監督が映画化したクリスマスの古典『Disney's クリスマス・キャロル』にも出演。また、10年には、ロバート・レッドフォード監督の痛切な裁判劇『声をかくす人』(10)でメアリー・サラットを演じ、高い評価を受けた。
 何年にもわたり、その素晴らしい演技を賞賛され、第35回ドービル・アメリカ映画祭ではそのキャリアを称える賞を贈られた。95年、米アカデミー賞最優秀作品賞に輝いたゼメキス監督の『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)でジェニーを演じ、記憶に残る演技で初めてゴールデングローブ賞とSAG賞の最優秀助演女優賞にノミネートされた。SAG賞には、98年にニック・カサベテス監督の『シーズ・ソー・ラヴリー』(97)で最優秀主演女優賞に、06年にフレッド・スケピシ監督のTV映画「追憶の街 エンパイア・フォールズ」(05)でTV映画/ミニシリーズ部門最優秀女優賞にノミネートされている。また、インディペンデント・スピリット賞では、エリン・ディグナム監督の『ギルティ・オブ・ラブ』(97・未)、ロドリゴ・ガルシア監督の『美しい人』(05)、ジェフ・スタンツラー監督の『Sorry, Haters』(05)の演技で3度ノミネートされ、出演と製作総指揮を兼ねた『Virgin』(03)では、デボラ・カンプメアー監督とプロデューサーが第一作目の長編映画に送られるインディペンデント・スピリット賞ジョン・カサベテス賞にノミネートされた。
 14年、服飾デザイナーのカレン・ファウラーとともに、社会性を意識したナイトウェアブランド“プーラ・ファム”を立ち上げた。“プーラ・ファム”は、暴力の犠牲となるコンゴの女性たちの安全を確保するために尽力する2つの団体アクション・キブ/シナジーとパートナーを組んでいる。また、コンゴへの恩返しとして、コンゴに平和をもたらすために尽力する非営利団体イナフ・プロジェクトのスポークスパーソンも務めている。さらに、ドキュメンタリー『When Elephants Fight』(15)のナレーターを担当し、東コンゴの女性たちのための活動に貢献し、団体スタンド・ウィズ・コンゴの大使も務めている。
 近作には、『コングレス未来学会議』(13)、故フィリップ・シーモア・ホフマンと共演した『誰よりも狙われた男』(14)、『エベレスト 3D』(15)などがある。ほかに、ロブ・ライナー監督のカルトクラシック『プリンセス・ブライド・ストーリー』(87)、バリー・レビンソン監督の『トイズ』(92)と『トラブル・イン・ハリウッド』(08)、ペン・デンシャム監督の『モル・フランダース』(96)、アンソニー・ドレイザン監督の『キャスティング・ディレクター』(98)、ルイス・マンドーキ監督の『メッセージ・イン・ア・ボトル』(99)、M・ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』(00)、ショーン・ペン監督の『プレッジ』(01)、ピーター・コズミンスキー監督の『ホワイト・オランダー』(02)、キース・ゴードン監督の『歌う大捜査線』(03・未)、アンソニー・ミンゲラ監督の『こわれゆく世界の中で』(06)、ロバート・ゼメキス監督の『ベオウルフ/呪われし勇者』(07)、製作総指揮も兼任した『Hounddog』(07/監督:デボラ・カンプメアー)、ケビン・マクドナルド監督の『消されたヘッドライン』(09)、ベネット・ミラー監督の『マネーボール』(11/共演:ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル)、高評価を受けたデイビッド・フィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』(11)など多くの出演作品がある。また、「グラマー」誌の“Reel Moments”シリーズのための短編『Room 10』(06)にも出演している。

ダニー・ヒューストン  カメラに映る側/撮る側の両方の分野でキャリアを築いてきた。近作は、NetflixのTVミニシリーズ「パラノイド」(16)など。待機作には、監督と主演を兼ねた『The Last Photograph』、イーワン/BBCフィルムズ作品『Stan and Ollie』(監督:ジョン・S・ベアード)などがある。
 舞台では、最近、サイモン・マクバーニー演出の「The Kid Stays in the Picture」でロバート・エバンスを演じた。
 2013~15年には、ライアン・マーフィーとブラッド・ファルチャックがクリエイターを務めるFX放送シリーズ「アメリカン・ホラー・ストーリー」でアックスマンとマッシモ・ドルチェフィーノを演じた。15年には、メアリー・シェリーの古典小説の舞台を現代に置き換え、バーナード・ローズが脚本と監督を兼任した『Frankenstein』(共演:ゼイビア・サミュエル、キャリー=アン・モス)で、ビクター・フランケンシュタインを演じた。16年には、マーク・フォースター監督の『All I see is You』(共演:ブレイク・ライブリー、イボンヌ・ストラホフスキー)に出演している。
 14年、マーガレット・キーンを思い通りに操り、彼女の絵画に自分の名前を入れて横取りした夫ウォルターとの実話をティム・バートン監督が映画化した『ビッグ・アイズ』(クリストフ・ヴァルツ、エイミー・アダムス、クリステン・リッター、ジェイソン・シュワルツマン)に出演。自身はゴシップ記者のディック・ノーラン役を演じた。
 初めてレギュラー出演したTVシリーズ「マジックシティ 黒い楽園」(12~13/企画・製作総指揮:ミッチ・グレイザー)の全16エピソードでベン・ダイヤモンド役を好演し、13年にゴールデングローブ賞TV映画/ミニシリーズ部門の最優秀助演男優賞にノミネートされた。
 13年5月、出演した『コングレス未来学会議』がカンヌ映画祭第45回監督週間で上映された。アリ・フォルマンが監督したこの作品は、スタニスワフ・レムの小説「泰平ヨンの未来学会議」(ハヤカワ文庫SF刊)に着想を得て、半分が実写/半分がSFアニメという構造になっている。舞台はディストピアと化した社会で、テクノロジーの悪影響を掘り下げて描いていく。自身は、落ち目の女優ロビン・ライトのデジタルイメージだけを買い取り、未来の映画の中でそのデジタルイメージをスターにしようとするジェフ・グリーン役を演じている。
 アルベルト・アーベル監督の『解放者ボリバル』(13・未)に出演。この作品は、スペインとベネズエラの合作映画で、スペイン帝国の強大な力に圧勝したシモン・ボリバルの人生を描く壮大な叙事詩である。南米大陸の独立を勝ち取るために戦ったリーダーのひとりボリバルは、現在でもその地域で最も大きな影響力をもち、人々の心を打つ人物である。自身は、早い時期から協力し、いくつかのボリバルの軍事作戦に資金提供して重要な役割を果たすイギリスの投資家マーティン・トーキントンという架空の人物を演じた。
 12年には、アルフレッド・ヒッチコック監督の古典ホラー『サイコ』(60)の製作中にヒッチコック監督が苦労する様子を描いた『ヒッチコック』(12/共演:アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、ジェシカ・ビール、スカーレット・ヨハンソン)で、ウィットフィールド・クックを演じた。
 同じく12年には、『タイタンの逆襲』(共演:レイフ・ファインズ、リーアム・ニーソン)に出演し、10年の『タイタンの戦い』で演じたポセイドンを再び演じた。また12年には、サイモン・ウェスト監督の『ゲットバック』(共演:ニコラス・ケイジ、マリン・アッカーマン、ジョシュ・ルーカス)、バーナード・ローズ監督がトルストイの作品に基づいて描いた2作品『2 Jacks』と『Boxing Day』にも出演。『2 Jacks』では、シエナ・ミラー、甥のジャック・ヒューストンと共演した。
 10年には、ロバート・レッドフォード監督の『声をかくす人』(共演:ジェイムズ・マカボイ、ロビン・ライト、ケビン・クライン)、11年には、ビボ・バージェロン監督のアニメ『モンスター・イン・パリ 響け!僕らの歌声』(未)、悪名高いイスラエルのバスケットボールコーチ、ラルフ・クラインの人生をエラン・リクリス監督が描く『Playoff』に出演。『Playoff』の演技で、11年度モントリオール映画祭の最優秀主演男優賞を受賞した。
 ほかに、マーティン・キャンベル監督のサスペンス『復讐捜査線』(共演:メル・ギブソン)、リドリー・スコット監督の『ロビン・フッド』(共演:ラッセル・クロウ、ケイト・ブランシェット)、イ・スンム監督のファンタジーアクション『決闘の大地で』(共演:ケイト・ボスワース、ジェフリー・ラッシュ)といった映画に出演。同年には、バリー・レビンソン監督の高評価を得たHBO放送の賞受賞TV映画「死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実」で、アル・パチーノと共演し、ジャック・ケヴォーキアンの弁護士ジェフリー・ファイガーも演じている。

デイビッド・シューリス  待機作は、レイチェル・ワイズ、コリン・ファースと共演するジェイムズ・マーシュ監督の『The Mercy』。
 本作以前には、双子のクレイ兄弟を描いたギャングドラマ『レジェンド 狂気の美学』(15/監督:ブライアン・ヘルゲランド、共演:トム・ハーディ、タロン・エジャトン、エミリー・ブラウニング)、ダンカン王を演じた新解釈の『マクベス』(15/監督:ジャスティン・カーゼル、共演:マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤール)、声の出演をした賞受賞アニメ『アノマリサ』(15・未/監督:チャーリー・カウフマン)など幅広い作品に出演してきた。
 ほかに、ベルナルド・ベルトリッチ監督の『シャンドライの恋』(98/共演:タンディ・ニュートン)、リドリー・スコット監督の『キングダム・オブ・ヘブン』(05)、テレンス・マリック監督の『ニュー・ワールド』(05)、悲痛な物語が心を打つ『縞模様のパジャマの少年』(08)、ローランド・エメリッヒ監督の『もうひとりのシェイクスピア』(11)、リュック・ベッソン監督の『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』(11)、スティーブン・スピルバーグ監督の『戦火の馬』(11)、ディーン・パリソット監督の『REDリターンズ』(13)、テリー・ギリアム監督の『ゼロの未来』(13)、ジョン・ブアマン監督のキャリア最後の作品となった『クィーン アンド カントリー』(14)、米アカデミー賞/英アカデミー(BAFTA)賞/全米映画俳優組合(SAG)賞/ゴールデングローブ賞を受賞したスティーブン・ホーキングの伝記映画『博士と彼女のセオリー』(14/監督:ジェイムズ・マーシュ、共演:エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ)などがある。また、劇作家J・B・プリーストリーの代表作をBBC放送がTV映画に脚色した「夜の来訪者」(15/監督:アシュリング・ウォルシュ)では主人公を演じた。
 「ハリー・ポッター」シリーズ(01,02,04,05,07,09,10,11)の多くで演じたリーマス・ルーピン役で知られている。また、マイク・リー監督の『ネイキッド』(93)では社会の底辺で生きる浮浪者ジョニーを演じて数多くの賞を受賞し、高評価を得てカルト的人気を誇る『ビッグ・リボウスキ』(98)では映像作家ノックス・ハリントンを演じて心に残る演技を披露した。
 TVでは、高評価を受けるFX放送シリーズ「FARGO/ファーゴ」(14,15,17/企画・製作総指揮:ノア・ホーリー)のシーズン3(17)に出演している。

コニー・ニールセン  30年以上のキャリアを誇り、世界にその名を知られる女優であり、慈善家でもある。スクリーン上でも実生活でも、幅広い役をこなし、世界中で称賛を浴びてきた。
 待機作には、同役で出演する『ジャスティス・リーグ』(日本公開予定2017年11月23日)、『Catcher Was a Spy』(共演:トム・ウィルキンソン、シエナ・ミラー)、マーサ・クーリッジ監督の『Music, War & Love』(製作:フレッド・ルース、共演:ステラン・スカルスガルド)などがある。
 近作には、ラース・フォン・トリアー監督の『ニンフォマニアック Vol.1』(13)、マックG監督の『ラストミッション』(14/共演:ケビン・コスナー)、シーン・ハニッシュ監督のインディペンデント映画『Return to Zero』(14/共演:ミニー・ドライバー、アルフレッド・モリナ)、『コンテンダー』(15/共演:ニコラス・ケイジ)、16年1月にサンダンス映画祭でプレミア上映された『Ali and Nino』(監督:アシフ・カパディア、共演:マンディ・パティンキン)、16年度カンヌ映画祭で上映された『告解』(未/共演:トニ・セルビッロ)、ノルウェー映画『Lovekvinnen』(16)、『Stratton』(17/共演:ドミニク・クーパー、トム・フェルトン、デレク・ジャコビ)などがある。
 TVでは、ゴールデングローブ賞ノミネートシリーズ「BOSS/ボス ~権力の代償~」(11~12)の全18話で、女性主人公を演じ、ケルシー・グラマーと共演した。そのほかにも、FOX放送シリーズ「ザ・フォロイング」(13~15/共演:ケヴィン・ベーコン)のシーズン2(14)にレギュラー出演し、「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」(99~)の6話(06)やCBS放送の「グッド・ワイフ」(09~16)の4話(14,15)にも出演している。
 映画では、『ディアボロス/悪魔の扉』(97/アル・パチーノ、キアヌ・リーブス)、女性主人公を演じた米アカデミー賞最優秀作品賞受賞作『グラディエーター』(00/共演:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス)、『ミッション・トゥ・マーズ』(00/共演:ゲイリー・シニーズ)、『ストーカー』(02/共演:ロビン・ウィリアムズ)、『閉ざされた森』(03/共演:ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン)、『ハンテッド』(03/共演:トミー・リー・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ)といった作品に出演している。
 ほかにも、『パーマネント ミッドナイト』『天才マックスの世界』(共に98・未)、高評価を受けたオリビエ・アサイヤス監督の『DEMONLOVER デーモンラヴァー』(02)、スザンネ・ビア監督の賞受賞作『ある愛の風景』(04)、『Return to Sender』(04)、『アイス・ハーヴェスト 氷の収穫』(05・未)、『The Situation』(06)、『バトル・イン・シアトル』(07・未)、『A Shine of Rainbows』(09)、『Kidnappet』(10)など注目作に出演してきた。
 サン・セバスティアン映画祭/ボディル賞/ズールー賞/エンパイア賞の最優秀女優賞を受賞。また、ヨーロッパ映画賞で最優秀女優賞に、前述『グラディエーター』ではキャストとともに全米映画俳優組合(SAG)賞の最優秀アンサンブル演技賞にもノミネートされた。
 加えて、環境問題に取り組み、世界中の貧困を軽減するために尽力している。10年6月、ヒューマン・ニーズ・プロジェクトを共同創立した。この非営利団体は、きれいな水/インフラ整備/自主的・自律的な行動を引き出すための支援活動を、ケニアのキベラ地区の住民たちに提供している。前述の『Kidnappet』を撮影中にナイロビのスラム街を訪れた。ヒューマン・ニーズ・プロジェクトともうひとつの慈善活動ロード・トゥ・フリーダム奨学金プログラムの活動に心血を注ぎながら、撮影の仕事とのバランスを保ち続けている。ロード・トゥ・フリーダムは、スラムの子供たちに奨学金を提供し、教育を受ける機会を助成する団体である。ヒューマン・ニーズ・プロジェクトでの活動を称えられ、17年のPTTOWサミットでネルソン・マンデラ・チェンジメーカー・アワードを受賞した。
 デンマークの企業の社会的責任に取り組む財団コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティの委員を務め、財団の年一回の授賞式にも携わっている。また、国連が支援するノルディック・イニシアティブ・クリーン・アンド・エシカル(NICE)では、ノルディック・ファッション・インスティチュートとコラボレートしている。NICEとは、社会的環境的問題に重点的に取り組む北欧のファッション業界が連携するプロジェクトである。
 12年のオポチュニティ・インターナショナル、13年のゲイツ財団サニテイション・サミット、14年のネッカー島におけるバージン・ユナイト・リーダーシップ会議、17年のニア・フューチャー・サミットなど、複数の世界的に重要な会議で基調演説をおこなっている。

エレナ・アナヤ  スペイン・パレンシア生まれ。空手や登山に秀でた活発な子供だったが、女優になりたいという気持ちが募り、17歳で俳優マヌエル・モロンが主催する地元の演劇コースに通い始めた。そののち、固い決意のもと、学校を退学し、マドリードにある王立演劇学校のオーディションを受けた。
 恩師モロンは、1996年のドラマ『Africa』に出演する若い女性を探していた自分のエージェントに、アナヤの素晴らしい才能を伝えた。そしてオーディションを受けたのち、彼女はその役を手中に収めた。
 その後、フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督のコメディ『カット!』(96)に出演することになり、やむなく王立演劇学校を退学することになったが、学ぶことの大切さに気付き、フアン・カルロス・コラッサの演技スクールで演技の勉強を続けた。
 長編映画にデビューしたのち、フェルナンド・バウルース&リカルド・フランコ監督の『Lagrimas negras』(98)、ハビエル・ビリャベルデ監督の『Finisterre, donde termina el mundo』(98)、エンリケ・ガブリエル監督の『Las Huellas borradas』(99)、ペドロ・テレチェア監督のロマンチックドラマ『El Invierno de las Anjanas』(00)といった映画で脇役を演じて印象的な演技を披露し続け、00年に、フリオ・メデム監督の官能的なドラマ『ルシアとSEX』(01・未)に出演し、純粋さと挑発的なところが入り混じった魅惑的なベビーシッターのベレンを演じ、スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞の最優秀助演女優賞にノミネートされた。この演技では、スペイン俳優組合賞最優秀助演女優賞を受賞。同年には、アグスティン・ディアス・ヤネス監督のコメディ『ウェルカム!ヘヴン』(01)にも出演し、ペネロペ・クルス、ビクトリア・アブリルと共演した。
 その後も、ペドロ・アルモドバル監督の『トーク・トゥ・ハー』(02)、フアン・マルティネス・モレノ監督の『Dos Tipos duros』(03)などで見事な演技を披露し、海外の監督たちの注目を浴びるのも時間の問題だった。そして04年、スティーブン・ソマーズ監督から『ヴァン・ヘルシング』でドラキュラに心酔する花嫁アリーラ役をオファーされた。さらに同年、チャーリー・スタドラー監督のアクションコメディ『デッド・フィッシュ』(未/共演:ゲイリー・オールドマン)に出演し、その後も、ジャウマ・バラゲロ監督のホラー『機械じかけの小児病棟』(05)、アグスティン・ディアス・ヤネス監督の時代物アドベンチャー『アラトリステ』(06)、イネス・パリ監督の『Miguel y William』(07)、トム・ケイリン監督の『美しすぎる母』(07/共演:ジュリアン・ムーア)といった幅広い作品に出演した。
 08年、ジャン=フランソワ・リシェ監督の『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男Part1ノワール編』(共演バンサン・カッセル、ジェラール・ドパルデュー)に出演し、フランスの観客に初めて紹介された。それからカイロへと旅し、ルバ・ナッダ監督のロマンチックドラマ『カイロ・タイム~異邦人~』(09)に出演したのち、アグスティン・ディアス・ヤネス監督に呼ばれて『4人の女』(08・未)、ガベ・イバニェス監督のサスペンス『シャッター ラビリンス』(09・未)に出演。
 09年にはフリオ・メデム監督と再び組み、『ローマ、愛の部屋』(10・未)に主演し、このアルバ役の演技で、スペイン俳優組合とゴヤ賞の最優秀主演女優賞にノミネートされた。その後、フランスに戻り、フレッド・カバイエ監督の『この愛のために撃て』(10)に出演。
 10年、ペドロ・アルモドバル監督から新作『私が、生きる肌』(11/共演:アントニオ・バンデラス)の女性主人公ベラ役をオファーされ、この演技で12年度ゴヤ賞最優秀主演女優賞を受賞した。
 12年、スペイン・マラガで開催された映画祭で、名誉あるマラガ・スール賞を受賞。同年、アルゼンチンで『Pense que iba haber fiesta』(13)を撮影した。次に、ベアトリス・サンチス監督の『Todos estan muertos』(14)に出演。この演技で、15年に開催される6つの主要な賞の最優秀主演女優賞すべてにノミネートされ、スペインの賞シーズンでこの快挙を成し遂げた唯一の女優となった。
 ほかに、スコットランド映画『快楽の渦』(15・未)、チリの監督マティアス・ビセの『La memoria del Agua』(15)、イマノル・ウリベ監督の『Lejos del mar』(15)にも出演している。
 近作には、ブラッド・ファーマン監督に招かれて出演した『潜入者』(16/共演:ブライアン・クランストン、ジョン・レグイザモ)、サンティアゴ・ミトレ監督の『La cordillera』(17)などがある。

ユエン・ブレムナー  スコットランド・エディンバラに生まれた。これまでに、ダニー・ボイル、マイク・リー、リドリー・スコット、ポン・ジュノ、ベルナー・ヘルツォーク、ウディ・アレンといった映画界で最も尊敬される監督たちと仕事をしてきた。高評価を受ける映画でユニークなキャラクターを演じ、ハリウッドの大スターたちと肩を並べるほどの存在感を放っている。
 舞台/TV/映画で幅広く活躍したのち、1996年、米アカデミー賞受賞歴をもつダニー・ボイル監督の『トレインスポッティング』に出演してブレイクした。エディンバラのトラバース・シアターでの初演ではマーク・レントン役を演じていたが、映画ではスパッド・マーフィを演じた。ユアン・マクレガー演じるレントンに勧められて飲んだドラッグの勢いで面接に臨み、ハチャメチャな答えをするシーンは物議を醸し、このキャラクターとともに永遠に観客の心に刻まれる有名なシーンとなった。
 『トレインスポッティング』以前には、マイク・リー監督の『ネイキッド』(93/共演:デイビッド・シューリス)に出演し、目を奪う印象的な演技で観客を魅了した。また、ハーモニー・コリン監督の『ジュリアン』(99)では、「機能不全家族」と住む統合失調症の男を演じて高い評価を受けた。ラース・フォン・トリアー監督のドグマ95ムーブメントに影響を受け、超リアルに撮影されたこの作品で、ベルナー・ヘルツォーク相手に演じたジュリアンは映画のタイトルにもなっている主人公であり、アメリカ英語のアクセントで演じることを要求された難しい役どころだったが、見事に演じきった。次に、マイケル・ベイ監督の注目を浴びる戦争映画『パール・ハーバー』(01)に出演し、第二次世界大戦で戦う、心底愛国主義のアメリカ人兵士を演じ、再びその多才な演技力を証明した。次に、リドリー・スコット監督の『ブラックホーク・ダウン』(01)では脇役に徹して兵士のひとりを演じ、その後数年間、『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』(03)、『80デイズ』『エイリアンVS.プレデター』(共に04)、ウディ・アレン監督の『マッチポイント』(05)、フランク・オズ監督のコメディ『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』(07)、『フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石』(08/共演:マシュー・マコノヒー、ケイト・ハドソン)など注目を浴びるハリウッド作品に出演した。
 17年、ダニー・ボイル監督のカルトクラシックの続編で大きな期待を寄せられた『T2 トレインスポッティング』で、忘れがたいスパッド役を再び演じた。待機作は、リュック・ベッソンが脚本と製作を担当する『Renegades』である。
 また、シェカール・カプールが監督し、クレイグ・ピアースが製作するTNT放送のドラマシリーズ「Will」にも出演している。17年7月より放送されるこのシリーズは、1589年にロンドンにやってきた若きウィリアム・シェイクスピアの失意の数年間を描いている。
 ほかの出演映画には、『Mojo』(97)、『スナッチ』(00)、『16 Years of Alcohol』(03)、『Hallam Foe』(07)、『Mediator』『Faintheart』(共に08)、『Wide Open Spaces』(09)、ウディ・アレン監督の『恋のロンドン狂騒曲』(10)、デイビッド・マッケンジー監督の『パーフェクト・センス』(11/共演:ユアン・マクレガー)、マイク・ニューウェル監督の『Great Expectations』(12)、ブライアン・シンガー監督の『ジャックと天空の巨人』(13)、ポン・ジュノ監督の『スノーピアサー』(13/共演:クリス・エバンス、ティルダ・スウィントン)、『エクソダス:神と王』(14)などがある。
 TVでは、有名な超現実主義者サルバドール・ダリを演じたTV映画「Surrealissimo: The Trial of Salvador Dali」(02)、ゲスト出演したNBC放送の人気シリーズ「マイネーム・イズ・アール」(05~09)の1話(08)、BBC放送のTV映画「ラストデイズ・オブ・ザ・ワールド」(09)、ジミー・マクガバンがクリエイターを務める「Moving On」(09~16)の1話(10)とオーストラリアを舞台にした「Banished」(15)の全7話、スカイTV「ストライクバック」シリーズ(10~)の「反撃のレスキュー・ミッション」(10)の2話、ドミニク・サベージ監督のTV映画「Dive」(10)、ビル・ナイ演じるジョニー・ウォリッカーが活躍する3部仕立てのTV映画をデイビッド・ヘアが監督するBBC放送の「MI5:消された機密ファイル」(11)と「MI5:灼熱のコンスパイラシー」「MI5:世界を敵にしたスパイ」(共に14)、詩人ディラン・トマスの伝記映画「A Poet in New York」(14)といった多くの賞賛を浴びる作品に出演している。
 舞台でも幅広い作品に出演している。その作品には、「The God of Hell」(ドンマー・ウェアハウス)、「Damascus」(トラバース)、「トレインスポッティング」(シチズンズ/トラバース/ブッシュ・シアター)、「The Present」(ブッシュ・シアター)、「Gormenghast」(リリック・ハマースミス)、「Bright Light Shining」(ブッシュ・シアター)、「Conquest of the South Pole」(トラバース/ロイヤル・コート)などがある。
 現在はスコットランドとニューヨークを行き来して活躍している。

 連続殺人鬼アイリーン・ウォーノスの人生に基づく『モンスター』(03)で長編映画の脚本/監督デビューを果たした。また、AMC放送のヒットシリーズ「THE KILLING ~闇に眠る美少女」(11~14)のパイロットエピソード(11)とシリーズ2のファイナルエピソード(12)を監督したことでも知られている。
 ニューヨークのクーパー・ユニオンで絵画を学び、画家としてスタートした。映画製作へと移行し、第一カメラアシスタントとして8年間過ごし、ロサンゼルスでアメリカン・フィルム・インスティチュートに通ったのち、前述の『モンスター』の脚本を書き、監督を務めた。
 映画評論家ロジャー・イーバートは、『モンスター』を“その年のベストフィルム”であり、“過去10年で3番目にランクインする優秀作品”であると絶賛した。米映画協会も、“その年のトップテン映画”の1本に指名。この作品の演技でシャーリーズ・セロンは賞レースを席巻し、米アカデミー賞/ゴールデングローブ賞/全米映画俳優組合(SAG)賞や数多くの批評家協会賞の最優秀主演女優賞を受賞した。自身も数多くの賞にノミネートされ、2004年度インディペンデント・スピリット賞の長編映画第一作目最優秀監督賞を含め、多くの賞を受賞した。
 数多くのコマーシャル作品やTV番組を監督している。前述の「THE KILLING ~闇に眠る美少女」でエミー賞にノミネートされ、全米監督協会(DGA)賞TVシリーズ・パイロットエピソード部門最優秀監督賞を受賞。ほかにも、FOX放送の「ブル~ス一家は大暴走!」(03~)の1話(04)、HBO放送の「アントラージュ★オレたちのハリウッド」(04~11)の2話(06)といった人気シリーズの監督も務めている。また、乳癌について5人の女性が監督したエピソードを集めたライフタイム放送の「ファイブ ある勇敢な女性たちの物語」(11)の1話を監督し、それぞれのエピソードを監督したジェニファー・アニストン/アリシア・キーズ/デミ・ムーア/ペネロープ・スフィーリスとともにDGA賞にノミネートされた。

 カメラマンとしてキャリアをスタートさせ、ショウタイム放送のゴールデングローブ賞ノミネート作品「Sleeper Cell」(05~06)、HBO放送の人気を博したバンパイアドラマでエミー賞にノミネートされた「トゥルーブラッド」(08~14)、2011~16年まで毎年エミー賞を受賞したファンタジー大作「ゲーム・オブ・スローンズ」(11~)など、高評価を受ける優れたTVシリーズの撮影を担当してきた。その並ぶ者なき確かな目とユニークなフレーム割りが、これらさまざまに異なるジャンルのビジュアル表現を決定する一役を担った。
 TV界での成功は映画界にも波及し、SFサスペンスのカルトクラシック『クロニクル』(12)を撮影。
 ほかの担当作品に、英アカデミー(BAFTA)スコットランド賞に2部門ノミネートされて1部門で受賞した『フィルス』(13/出演:ジェイムズ・マカボイ)、『ファンタスティック・フォー』(15)などがある。今日活躍する最も多様性のある才能豊かなカメラマンのひとりであり、大作映画でも感情の機微を映し出すことのできる真の映像の語り手として尊敬を集めている。
 権威ある全米撮影監督協会のメンバーである。

 『アメリ』(01)、『ロング・エンゲージメント』(04)、『ミックマック』(09)など、ジャン=ピエール・ジュネ監督作品で知られている。『アメリ』と『ロング・エンゲージメント』でセザール賞最優秀美術デザイン賞を2度受賞し、米アカデミー賞最優秀美術賞にもノミネートされた。また、『アメリ』で英アカデミー(BAFTA)賞最優秀美術デザイン賞と美術監督組合(ADG)賞最優秀美術デザイン賞を受賞し、『ロング・エンゲージメント』ではヨーロッパ映画賞を受賞した。
 近作には、ジュネ監督の『天才スピヴェット』(13)、自身がセザール賞にノミネートされた伝記映画『イヴ・サンローラン』(14/監督:ジャリル・レスペール)、ジョー・ライト監督の『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』(15)などがある。また、マルク・キャロとジュネが監督した『デリカテッセン』(91)と『ロスト・チルドレン』(95)、デイジー・フォン・シャーラー・メイヤー監督の『マドレーヌ』(98・未)、ジョナサン・デミ監督の『シャレード』(02・未)といった作品ではセットデコレーターを務めた。
 さらに、ジョー・ライト、ジャン=ピエール・ジュネ、マリオ・テスティーノ、エミール・クストリッツァといった監督たちとチームを組み、“シャネルN°5”、“シャネル ココ マドモアゼル”、ヴェルサーチ、エトロ、ロレアル、フランス電力、フォード、プジョーといったクライアントのコマーシャル作品70本以上の美術を担当してきた。

マイク・リー監督の『トプシー・ターヴィー』(99・未)で喜歌劇作家コンビ、ギルバートとサリバンが活躍した19世紀ビクトリア王朝時代の衣装を手掛け、2000年度米アカデミー賞最優秀衣装デザイン賞を受賞した。リー監督とは、TV映画「Meantime」(84)、『ビバ!ロンドン!ハイ・ホープス~キングス・クロスの気楽な人々~』(88・未)、『ライフ・イズ・スイート』(90)、『ネイキッド』(93)でもチームを組んでいる。
 世界中で大ヒットを記録したシリーズ3部作『バットマン ビギンズ』(05)、『ダークナイト』(08)、『ダークナイト ライジング』(12)でクリストファー・ノーラン監督とコラボレートした。このうち2作目の『ダークナイト』で全米衣装デザイナー組合賞最優秀賞を受賞し、英アカデミー(BAFTA)賞とゴールドダービー賞にもノミネートされた。
 マイク・ニューウェル監督の『フォー・ウェディング』(94)でBAFTA賞候補となった。また、マーティン・キャンベル監督の『007/ゴールデンアイ』(95)に始まり、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(97/監督:ロジャー・スポティスウッド)、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』(99/監督:マイケル・アプテッド)、『007/ダイ・アナザー・デイ』(02/監督:リー・タマホリ)、『007/カジノ・ロワイヤル』(06/監督:マーティン・キャンベル)の衣装も担当。
 そのほか幅広い担当作品には、『アイスクリーム・コネクション』(84・未/監督:ビル・フォーサイス)、『Laughterhouse』(84/監督:リチャード・エアー)、『ウェザビー』(85/監督:デイビッド・ヘア)、『マイ・ビューティフル・ランドレット』(85/監督:スティーブン・フリアーズ)、『ラッキー・カフェ』(89/監督:ジョン・アミエル)、『ザ・クレイズ/冷血の絆』(90/監督:ピーター・メダック)、ピーター・チェルソム監督の『ヒア・マイ・ソング』(91)と『ファニー・ボーン/骨まで笑って』(95・未)、『秘密』(92・未/監督:スティーブン・ギレンホール)、マーク・ハーマン監督の『ベルボーイ狂騒曲/ベニスで死にそ~』(92・未)と『リトル・ヴォイス』(98)、『ブラッド&ワイン』(96/監督:ボブ・ラフェルソン)、ジョニー・デップが監督と出演を務めた『ブレイブ』(97)、『ザ・トレンチ 塹壕』(99/出演:ダニエル・クレイグ)、『耳に残るは君の歌声』(00/監督:サリー・ポッター)、『トゥームレイダー』(01)とその続編『トゥームレイダー2』(03)、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02/監督:クリス・コロンバス)、『復讐捜査線』(10/監督:マーティン・キャンベル)、『タイタンの戦い』(10)、『パディントン』(14)とその続編で18年に全米公開予定の『Paddington 2』などがある。
 TVでは、ミニシリーズ「Porterhouse Blue」(87)の全4話を担当し、BAFTA TV賞にノミネートされた。また、長寿番組「Screen One」(85~02)の1話「Running Late」(92)と同じく長寿番組「Screen Two」(85~02)の1話「All Things Bright and Beautiful」(94)、TV映画「Dancing Queen」(93)などの衣装も手掛けた。近作は、イタリアのショートコメディシリーズ「The Good Italian III: The Magic of Naples」(17)。  映画界に入る前は、17年間舞台の衣装を担当し、英国のロイヤル・シェークスピア・カンパニーやロイヤル・ナショナル・シアター、ロンドンのウエスト・エンドで上演される舞台劇の衣装に携わった。1983年、ブロードウェイ作品「終わりよければすべてよし」でトニー賞最優秀衣装デザイン賞にノミネートされている。

 イギリスに生まれ、ケンブリッジのセント・ジョンズ・カレッジ・クワイア・スクールで教育を受けた。賞受賞歴をもち、ロンドンとロサンゼルスに自身のスタジオを構えて活動している。
 多才な作曲家である。これまでに、ヨーロッパ映画賞の最優秀作曲賞をアンドレア・グエラとともに受賞した、米アカデミー賞ノミネート作品『ホテル・ルワンダ』(04)、インディペンデント映画『Love + Hate』(05)、アニメ『森のリトル・ギャング』(06)、アニー賞長編アニメ最優秀音楽賞にノミネートされた『ビー・ムービー』(07/声の出演:ジェリー・サインフェルド)など、幅広い作品の映画音楽を担当してきた。
 近作に、ベニス国際映画祭でプレミア上映されたのち世界各国で公開されて高評価を得た戦争ドラマ『ハクソー・リッジ』(16/監督:メル・ギブソン、出演:アンドリュー・ガーフィールド)、デイビッド・イェーツ監督の世界的大ヒット作『ターザン:REBORN』(16/出演:アレクサンダー・スカルスガルド、マーゴット・ロビー)などがある。待機作は、ロビーが主演し、ボーン・ステインが脚本と監督を担当する『Terminal』など。
音楽を担当したTV作品には、エミー賞TV映画/ミニシリーズ/特番部門最優秀作曲賞にノミネートされたミニシリーズ「ビーンストーク ジャックと豆の木」(01)、AMCのミニシリーズ「プリズナーNo.6」(09)、HBO放送のエミー賞受賞シリーズ「Veep/ヴィープ」(12~)、スカイ・ビジョン放送シリーズ「Agatha Raisin」(14,16)、2016年11月に配信開始されたNetflixのオリジナルシリーズ「The Crown」(企画・製作総指揮:ピーター・モーガン)などがある。
 長年アダム・サンドラーとチームを組み、過去10年以上にわたり多くのサンドラー作品の音楽を担当してきた。その作品には、『もしも昨日が選べたら』(06)、『ベッドタイム・ストーリー』(08)、『アダルトボーイズ青春白書』(10・未)、『ウソツキは結婚のはじまり』(11・未)、『闘魂先生 Mr.ネバーギブアップ』(12・未)、Netflixで配信された『リディキュラス6』(15・未)と『ドゥ・オーバー:もしも生まれ変わったら』(16)、そして『サンディ・ウェクスラー』(17・未/監督:スティーブン・ブリル、出演:サンドラー、ケビン・ジェイムズ)などがある。