SPECIAL INTERVIEW

監督 佐藤信介 × 音楽 [ALEXANDROS] 対談

監督 佐藤信介 × 音楽 [ALEXANDROS] 対談

  • 川上洋平([ALEXANDROS] Vo./Gt.)さっき完成した映画を初めて観たんですけど、メンバー全員一致で「(この映画に)チケット代を払おう!」って(笑)

  • 佐藤信介最初はエンドロールで流れる曲を作っていただこうと。まだ完成前のCGなどが入っていない映像を観ていただいたんです。そのときに、「あのシーンにぴったりのアイデアの曲があるんですけど。いま、どうですか?」と、その場で聴かせていただいて。すごくぴったりで。それが挿入歌になり、曲に合わせて編集していった。そうこうしている間に最後の曲が出来て。それが凄くて。さらにその曲を別シーンに当ててみたくなって。逆にこちらから提案したんです。まさにコラボレーションでした。

  • 磯部寛之([ALEXANDROS] Ba./Cho.)曲に合わせて編集していただいたり、映画に合わせて楽曲をつないだりという作業は、こういうコラボレーションなくしてなかなかできることではないし、だからすごく楽しかったです。

  • 川上(主題歌の)「Mosquito Bite」というタイトルは、成長する過程で悔しいことがあったとき、「でも、そんなの蚊に刺されたぐらいだ」っていう、へこたれないための自分への主題歌というイメージ。この言葉がこの映画にいちばん合う気がしたんです。

  • 佐藤実は「ワタリドリ」という曲が最初のイメージにはあったんです。

  • 川上(出来上がったものとは)全然違いますね(笑)

  • 佐藤一護とルキアのさわやかな青春。絶対逢えないはずのふたりが逢って、いろいろなことを経験する映画。そのラストに(曲は)すごく走ってるんだけど、さわやかな後味が残って、ちょっとせつない感じがいいなと。でもだんだん、もっとビートの効いた曲がいいなと思うようになっていったんです。

  • 川上僕たち、いろんな曲があるんですけど。でももともとロックバンドだし、激しいのが好きだし、暴れたいなと思ってるタイミングでこのお話をいただいて本当に良かったです。映画を観たときにいちばん印象に残ったのが、下から這い上がってくるような福士(蒼汰)さんの顔で。あの顔で音が思いついた。重いビートだなと。それを映画のテーマ曲のように使っていただいて、本当に嬉しかったです。(ギターの)リフものって、たとえば『ミッション:インポッシブル』みたいに、音を聞くと映画を思い出す曲ってあるじゃないですか。まさにそういうふうに使っていただいて。

  • 佐藤いま、ここに曲があるんですけど、と言われた瞬間は、自主映画作ってる頃を思い出しましたよ。あんなふうにアーティストと直接やりとりできるなんて……あれでこの映画の方向性やいろんなことが決まったんです。映画と音楽が出逢って、一緒になって作れる。いままでにできなかったことがやり切れたと思っています。

  • 川上この曲を作っているときメンバーだけでニューヨークに行ったんです。そのとき街のスタジオに入ったら、隣の部屋から漏れてくる音がめちゃくちゃ上手いし、かっこよくて。正直、最初の一週間くらい凹んでたんですよ。これは(自分たちは)敵わないんじゃないか。じゃあ、俺たちは何で勝てるんだ? と。そんなときに、このリフが生まれたんです。これなら絶対勝てるなと。それだけに自分の中では大事な曲。自分たちもここからスタートだなと思っています。

[ALEXANDROS]

07年より本格的に活動を開始した4人組ロックバンド。10年、無名の新人ながらリリースした1stアルバム「Where's My Potato?」が瞬く間に全国で品切れとなり、その後2nd、3rdアルバム共にオリコン初登場上位を記録。15年、シングル「ワタリドリ/Dracula La」をユニバーサルミュージックからリリース。16年には、6thアルバム「EXIST!」で初のオリコン初登場1位を獲得。18年は、7月18日に今作の主題歌である「Mosquito Bite」をリリースする他、8月には自身初となるスタジアムライブを控え、秋にはアルバムも発売予定など、飛ぶ鳥を落とす勢いで現代の音楽シーンを席巻し続けている。

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