ぐらんぶる GRAND BLUE

作品情報

PRODUCTION NOTES

企画成立まで

プロデューサーの関口大輔は「この原作をきちんと映像化して、既視感のない作品にするのが、我々の仕事だと最初に思いました」と語り、プロデューサー谷口達彦は、原作の井上堅二と漫画の吉岡公威から、「こういうノリの作品なので、思い切りやってください」というエールと、裸とお酒はマストだが、「ダイビングのシーンだけはふざけないでください」という要望を預かった。
監督の英勉はオファーを貰ったときの記憶を振り返る。「原作を読んだら、人物がそれぞれ魅力的でセリフもうまくて、すごく面白かった……のですが、「映画になるかい!」と(笑)。でも、日本ではまっすぐバカバカしい映画ってあまりないので、それができるのならば!とお引き受けしました。原作のスピリットを活かし、絶対ぬるくしないで出来るだけハードコアにするつもりで作りました。振り切り先を間違って、怒られるのは仕方ないかなと。すいません、あっち行っちゃいました~って」。こうして、全員が全力で振り切る覚悟の企画がスタートした。

キャスティング

プロデューサー陣は、主役の北原伊織役と今村耕平役のキャスティングは難航するだろうと覚悟していたが、「本作では裸が衣装です」とプロデューサーが言い切ったのにもひるむことなく、パリ・コレクションで2年連続モデルを務めた竜星涼と、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」の第25回大会でグランプリを獲得した犬飼貴丈がまさかの快諾。「最大のチャンスと最大のピンチが同時に来たなと思いましたが、彼なら全力でやり遂げると信じてお引き受けしました!」(竜星マネージャー)、「千載一遇のチャンスを頂き、参加を即断即決しました!」(犬飼マネージャー)と両事務所の強力な後ろ盾を得ることに成功した。現場では、「二人とも勘がよくてアイデアマンなので、こちらからは最初に少し話したくらいで、あとは好き放題に動いてくれるのを楽しく見ていました。『耕平がそうやるなら、伊織はこうするよ』というようなやり取りを2人でしていて、コンビ芸のようですごいなと思いました。僕、今回は演出してないんじゃないですかね。面白いことをやってほしそうにはしていたかも(笑)」と監督に言わせるほどイキイキした演技を魅せた。
伊織のイトコの古手川千紗役は、乃木坂46の与田祐希に依頼。プロデューサー陣は、「今の日本映画の中でチャレンジングな作品にしようと思っているので、ぜひ協力してほしいとお願いしたところ、応援すると言っていただけました」と語るが、映画の全貌は「オファーの段階では若干、隠していたかもしれません」と告白する。
ダイビングサークル〈ピーカブー〉のメンバー、その名も〈屈強〉たちのキャスティングにあたっては大規模なオーディションが行われた。英監督からお客様の鑑賞に耐え得る「美ボディを集めてほしい」との指令があったため、俳優事務所だけでなく、ダンサーやアスリートなどジャンルを広げて募集は全国津々浦々にまで広げられ、先輩の時田信治役に鈴之助、寿竜次郎役に岩永洋昭はじめ見事な肉体美がスクリーンを彩ることとなった。「仲間で飲んで騒いでいる姿を、カッコよく見せたい」と考えた英監督が編み出したダンス(実は振りを付けたのは、あのウィル・スミスのPVを手掛けた人物!)も1か月練習を重ね、完璧なフォーメーションを完成させたが、〈屈強〉のボス的存在で伊織のおじでもある古手川登志夫役の高嶋政宏によるアドリブの動きを織り交ぜて踊り切った演技には全員が圧倒されてしまった。

ダイビング撮影

英監督からの「海の中の演技も、スタントではなく本人たちで撮りたい」という希望を受け、クランクイン前に、出演者にはダイビングのライセンスを取得するという宿題が出された。与田祐希は既に資格を得ていたが、彼女以外全員が多忙なスケジュールの合間を縫って見事に資格を取得した。『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』にも参加した、中村勝が〈マリン監督〉を務めマンツーマンで徹底的に潜り方を教えた。ダイビングショップ「グラン・ブルー」は熱海で、海は和歌山県の串本と沖縄県の伊江島で撮影された。

撮影を終えて

英監督は語る。「青春ってその時だけ輝いているものですよね。いずれは社会にも出なければいけないけれど、その瞬間だけ前後を先読みせずに、パッと燃え上がる。『ぐらんぶる』の2人は、ムダに燃えてますけどね(笑)。いつもの青春映画からは少しずらすというか。違うフォーマットで見るのも楽しいんじゃない? という気持ちで作りました。《見たことないもの》にはなっていると思います。ハードル低くして、優しく長~い目で受け止めて貰えると嬉しいです。グローバルな世の中だからこういうのもあっていいじゃない、という気持ちです。この原作でしたから、いくしかなかったんです。出演者も全員、オファーを受けた以上はいくしかなかった。お客さんも見に行っちゃったら、見るしかない、ノるしかない!(笑)あとは女の子にも見てほしいなというのはすごくありましたね。女の子が「男ってバカね」と、楽しんで見られるくらいの映画になるといいな~と思って作りました。」

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