中田監督から「藤原竜也のラブストーリーを撮りたい!」という提案を受けていた佐藤プロデューサーが、様々な企画を探している中で出会い衝撃を受けた映画が『HAUNTERS』だ。異能力を持つ宿命の二人の男の激突を描き、そのシンプルかつ斬新な設定は韓国で観客動員200万人を超える大ヒットを記録。欧米からのリメイクオファーが殺到するも、中田監督×藤原主演×「デスノート」プロデューサーが組んだ今回のチームが勝ち残り、リメイク権を獲得した。中田監督は「ラブストーリーではなかったが(笑)、相反する力を持った男の戦いに情念とある種の色気を感じた」と語り、藤原も「スピーディーな展開と哀しくも苛烈な男の宿命が魅力的」と本企画に乗り、プロジェクトが発進した。
二人の男の対決が軸となる本作の鍵は、藤原竜也と対峙する“もう一人の男”のキャスティングだった。様々な案が検討される中、藤原とは初共演にして藤原に強烈なプレッシャーを与えることができる数少ない役者である山田孝之の出演が決定した。山田は「虚構性の高い設定を観客にリアルに感じてもらえるような、説得力のある芝居に挑戦したかった」と語る。藤原と山田という、タイプは全く違うが間違いなく日本映画界を牽引する実力派二人の初競演は、「MONSTER」たちの闘いを“Z”=究極の闘いに引きあげてくれている。