
2025年2月から4月にかけて、全編沖縄でのオールロケを敢行。防風鈴が守る「まこち町東風商店街」や敵対するチーム・獅子頭連のシマを、鮮やかに蘇らせた。「キャラクターのビジュアルがポップなので、彼らが歩いていても浮かないような世界観を作り上げられる場所として、沖縄という案が出てきました。今回は風をキャラの感情表現として効果的に使っていきたいという思いもあり、沖縄ならば風というコンセプトにも合う」と加茂義隆(以下、加茂P)プロデューサー。
東風商店街は、沖縄県国頭郡金武町に実在する商店街に作られた。映画用の店舗看板、外装・内装を1店舗ずつ装飾。原作のアイコンとなる東風商店街のアーチや、防風鈴の口上が描かれた看板も建設した。「原作に出てくるお店やアイテムを再構築してデザインしたので、よく見ると『これはあの店だ』とわかる」(西村信次郎(以下、西村P)プロデューサー)と原作ファンにうれしいポイントも。夜の繁華街となる場所のために18時までは撮影に使用させてもらい、それ以降は実在のお店が営業を始めるなど、県や自治体、地元住民の全面協力を得て叶えられた撮影だ。
東風商店街が活気に溢れる一方、力の絶対信仰を掲げる獅子頭連のシマは、“略奪や破壊”をテーマに作られた。原作では線路の高架が防風鈴と獅子頭連のシマ境となっているが、本作ではアーケードを境にして震えるような獅子頭連のシマが広がる。「東風商店街と強烈なコントラストを作り、獅子頭連という寄せ集めのチームが略奪を繰り返してきたという空気を作り上げました。『ここから一歩足を踏み入れるとヤバい』という世界観を耳からも感じられるよう、音にも工夫を凝らしています」(加茂P)と街の気配にもしっかりとストーリーを織り込み、「獅子頭連のアジトは、廃ホテルの屋上に建てています。原作ではオリオン座という映画館がアジトになっているのですが、実はこの屋上にも“オリオン”という文字を見つけることができます」(西村P)というから注目だ。
