伊藤に冷たく突き放され、ヤケで合コンに参加した響が、雨の中見知らぬサラリーマン相手に苦しい思いを吐露するというシリアスな1シーン。人止め、車止めにスタッフが慌ただしく奔走する中、広瀬は一切ブレない集中力を見せ続ける。散水車が大量の雨を降らせる中、全身びしょ濡れになり「なんで、いけないことなの!?」と涙を流しながら叫ぶ広瀬の迫真の芝居に、ストーリーを知らないはずのギャラリーも一瞬にして静まり返る。そんな彼女の姿を少し離れた場所から、じっと見つめる生田。自身がカメラに映らないアングルであっても、必ず広瀬の目線の場所に立っているのも印象的だ。「カット!」と同時に、広瀬の元に温かい毛布やタオルを持って猛ダッシュしていくスタッフ。「雨降らしには慣れてます」と言っていた広瀬だが、12月を目前にした夜の岡山は予想以上に冷え込み華奢な体は少し震えていた。するとその横にスッと立った生田。おもむろに「風邪ひくなよ」と広瀬の頭を優しくポンと撫でた。めざとくその言動を見つけた女性スタッフ陣が「リアル先生だ!」と寒さも忘れ、一斉に色めき立ったことは言うまでもない……。

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