そして劇中の衣裳にもスタッフ陣のこだわりが。響たちが着ている女子の制服はどこかクラシカルな雰囲気のものを採用。「監督がこだわっていたのは、プリーツスカートとリボンの紐。響は走るシーンが多いので、響の揺れる心情をスカートの揺れで表したいというようなことをおっしゃっていました」(幾野明子プロデューサー、以下幾野P)。対する男子生徒たちの制服はシンプルな学ラン。これは南高を私立ではなく公立のイメージにしたかったことと、いつもスーツ姿がメインとなる伊藤とのバランスを加味しての結果だ。もちろん伊藤のスーツ姿には、(特に)女性スタッフ陣のこだわりが詰め込まれている。「まず基本は腕まくり。腕の血管を見せるのがいい!という女性陣の意見が反映されています。加えて伊藤のスーツは全編を通して腰回りのシャツの部分をわざとゆるくしているんですが、これもこだわりですね。生田さんがフィットした感じのスーツを着ると、デキるビジネスマン風になってしまうので、あえてたるみを出したり、色もグレーっぽくしてしまり過ぎないないよう注意しました」(幾野P)何を着てもスタイリッシュになってしまう生田だからこそ、あえてボサボサの無造作ヘアに飾り気のないシンプルなメガネでドレスダウン。「“野暮ったさ”と“かっこいい”の絶妙なラインを突いています」(田中P)。こうして女性の心をくすぐる、ぶっきらぼうで実は優しい伊藤先生が完成した。

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