1996年の『真実の行方』で本格的に映画デビューを飾って以来、数多くの映画に出演してきた。その『真実の行方』でいきなり米アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞助演男優賞を獲得した。その後、『アメリカン・ヒストリーX』(98)ではオスカー主演男優賞、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)ではオスカー助演男優賞と、これまでに3度オスカーにノミネートされている。いずれの作品でも、さまざまな賞にノミネート、さらには受賞している『バードマン~』はオスカー9部門にノミネートされ、作品賞を含む4部門で受賞した。また、『バードマン~』と同じ2014年公開の『グランド・ブダペスト・ホテル』も同賞9部門にノミネートされ、4部門で受賞している。
今後の作品には、ウェス・アンダーソン監督のアニメ映画『Isle of Dogs』などがある。
そのほかの主な映画出演作は、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』『ラリー・フリント』(共に96)、『ラウンダーズ』(98)、『ファイト・クラブ』(99)、『スコア』(01)、『レッド・ドラゴン』『フリーダ』『25時』(いずれも02)、『デス・トゥ・スムーチー』(02・未)、『ミニミニ大作戦』(03)、『キングダム・オブ・ヘブン』(05)、『幻影師アイゼンハイム』(06)、『インクレディブル・ハルク』『プライド&グローリー』(共に08)、『ストーン』(10)、『ムーンライズ・キングダム』『ボーン・レガシー』(共に12)、アニメの『ソーセージ・パーティー』(16)など。
『僕たちのアナ・バナナ』(00)で監督デビューを飾り、主演とともに製作も担当した。オスカーノミネートの脚本家スチュアート・ブルムバーグ、プロデューサーのビル・ミリオーレとともに製作会社クラス5フィルムズを設立し、最初に製作したのがカンヌ映画祭でプレミア上映された『ダウン・イン・ザ・バレー』(05)と『ペインテッド・ヴェール ある貴婦人の過ち』(06)である。その後、ティム・ブレイク・ネルソン監督・脚本の『マッド・ブラザー』(09・未)、スチュアート・ブルムバーグの監督デビュー作『恋人はセックス依存症』(12・未)などを製作した。現在は、ジョン・ムーアレム著「American Hippopotamus」、ジョナサン・レセム著「Motherless Brooklyn」の映画化に取り組んでおり、後者ではノートン自身が脚本・監督・主演を務める。
クラス5社はドキュメンタリー製作にも力を入れている。『バラク・オバマ 大統領への奇跡』(未)は、アメリカではHBOが09年11月に放送し、エミー賞3部門にノミネートされ、1部門で受賞した。同社のドキュメンタリー最新作『マイ・オウン・マン』(14・未)はデヴィッド・サンプリナーが監督し、トライベッカ映画祭でプレミアを飾ったのち、Netflixが配信した。そのほかに手がけたドキュメンタリーには、ジム・ノートン監督の「The Yunnan Great Rivers Expedition」(03)、サンプリナー監督の『Dirty Work』(04)などがあり、後者はサンダンス映画祭でプレミア上映されたのちに、サンダンス・チャンネルで放送された。クラス5社はまた、シー・スタジオズ・ファンデーションと共同で、ナショナル ジオグラフィック用に数百万ドルの予算で地球の環境に関するシリーズを製作し、高い評価を受けている。ノートンが司会とナレーションを務めた「Strange Days on Planet Earth」はシーズン1が05年に、またシーズン2は08年にPBSで放送された。